第66話~襲撃、再び~
さて、何処に降りようかな。
ん?
あれは・・・
「アルタインさん。」
「コウイチ君?
高速接近していたい黒い物体は
そのペガサスの事だったのか。」
「多分そうです。」
「次からは町の上空に高速で接近するのは
止めてくれ。」
「分かりました。」
得たいの知れない何かが高速接近したら
警戒して当然だよね。
そこまで考えて無かったよ。
「皆、配置に戻ってくれ。」
100人隊長と言うからには
100人の部下がいるんだろう。
申し訳ない事をしたね。
「そのペガサスはペガサスの丘で?」
「はい。」
「誰も手に入れる事がに出来なかったペガサスを
手に入れるとは・・・。」
「素直な良い子ですよ。」
たまたま相性が良かっただけかも知れないけど。
ん?
下から何か飛んでくるぞ。
あれは・・・
「ドラゴン?」
「ん?あぁ。
あれは飛竜で敵ではないから安心してくれ。」
敵ではないって事は天馬騎士の上級職・龍騎士が
乗っているって事ね。
「黒いペガサスを捕まえた者がいると
報告があったが・・・本当みたいだな。」
「コウイチ、紹介します。
天馬部隊を率いる1000人隊長のリックだ。
隊長、彼が今朝助太刀してくれた
コウイチです。」
「君があのコウイチか。
我が部隊を助けて頂き感謝する。」
「大した事ではありませんよ。
1000人隊長はみんな龍騎士なんですか?」
「そうだ。
1000人隊長になるための条件だからな。」
「という事はこの辺に飛竜がいるって事ですか?」
「北西に10㎞程行けば飛竜の巣がある。
だが、龍騎士になるには天馬騎士の経験と
猛獣使いの経験がかなり必要だぞ。
それに飛竜と戦って倒せる強さも必要だ。」
何にしてもさっき天馬騎士になったばかりだから
まだなれないね。
「他のペガサスよりも一回り大きいのだな。
飛ぶ速度も他のペガサスよりも速い様だし。
コウイチと言ったな。」
「はい。」
「我ら天馬部隊に入らないか?」
天馬部隊ね。
普通なら喜ぶ所なのかな?
「お誘いありがとうございます。
でもやらなければいけない事があるので、
断ります。
それにただの冒険者でいたいですし。」
「ただの・・・ね。
上級魔法職の上、天馬騎士になれる人間が
ただの冒険者とは思えないがね。」
そういえばオールサウザンドソードを使ったっけ。
「残念だが仕方があるまい。
だが、いつでも歓迎するぞ。」
入らないけどね。
さて、2人は降りて行ったし、
俺も町に入って冒険者の館にでも寄るか。
ササニシキは冒険者の館の前で
待っててもらって・・・良しっと。
「ちょっと!
ペガサスはちゃんと厩舎に入れないと
駄目でしょう!」
怒られてしまった・・・。
今度は厩舎に入れたから大丈夫だね。
「魔物が来たぞ!!」
またか。
ここはそんなに頻繁に魔物が襲ってくるのか?
それは兎も角、レベル上げのために俺も戦うか。
今度はペガサスで出撃だぞ。
剣では戦えないから、槍を錬成して・・・良し。
天馬部隊はまだ出撃していないから一番乗りだな。
まずは
「シャベリン!!」
槍術Ⅲの槍投げだ。
いきなり槍を投げるなんて普通はありえないけど、
俺は錬金武装が出来るからね。
全く問題ない訳だ。
本当は普通に戦うつもりだったけど、
すぐに天馬部隊が来ちゃうだろうからね。
少しでも早く倒して経験値を貰わないと。
・・・って来ないな。
あれ?
逆方向に飛んでる?
さっきの魔物が来たって言ってたのは、
逆側の事だったのかも知れないね。
という事はこちらの魔物は、
俺が独り占め出来るって事だ。
あっ、また違う部隊が出て来たぞ。
左側に向かっている。
右側も!?
四方八方から魔物が襲って来てるのか?
・・・考え様によっては
レベル上げに都合が良い展開だね。
そうと決まればどんどん倒しますか!
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≪錬成武装士がLv20になりました
物攻強化Ⅲを覚えました
天馬騎士がLv19になりました
天馬術Ⅰ:天馬突撃を覚えました
天馬術Ⅱ:天馬の風を覚えました
剣聖がLv20になりました≫
こっち側の魔物は全部倒したぞ。
他の場所は天馬部隊が出ているから
大丈夫だとは思うけどレベル上げのために
行ってみるか。
ん?
空に何か・・・気の所為か?
眩しくて良く分からないね。
いや、何か凄い速度で降りてくるぞ。
この前襲ってきたくちばしの大きな鳥だ!
でも俺の所には来てないな。
天馬部隊は気付いているのかな?
流石にこの距離では助けに行けないから・・・
違う!狙いは町か!?
突っ込むぞ!?
なっ、爆発音!?
爆弾でも持っていたのか!?
それよりも自爆攻撃を平然と行う魔物が
この世界にはいるって方が不味い。
今度は森から魔物の気配が大量に現れたぞ!?
来た!!
明らかにさっきまでの魔物とは違って
強そうなのが多いぞ。
ここからが本番って訳か。
しかしこんなに統率がとれてるって事は
また魔王四方陣みたいのが来ているのか?
となると何処かに・・・目につく範囲には
いなそうだね。
と思っている間にどんどん倒していってはいるけど、
まだまだ森から出てくるな。
あんまり時間を掛けると・・・思った傍から
龍騎士様のご登場だ。
「南から魔物が来ないと思ったら
君が止めてくれていたのか。」
1000人隊長のリックさんだ。
天馬部隊を引き連れて、
どんどん魔物を倒していく。
「この町はこんなに魔物が頻繁に来るんですか?」
「いや、そんな事はない。
きっと何処かにこの魔物を指揮している者が
いるのであろう。」
やっぱりか。
となると手薄の所から突破するのが定石かな。
という事は魔物が少ない所だから・・・。
「隊長さん、一番魔物の攻撃が少ない場所は
何処ですか?」
「町の南東だが・・・まさかそこから本命が?」
「分かりませんが、私が見てきますよ。」
「1人で・・・君なら問題ないか。」
「余りにも多い様だったら助けを呼びますよ。」
呼ぶつもりはないけどね。
大事な経験値は根こそぎ貰わねば!!




