表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
63/74

第63話~転生者達~

「また1人で魔王に立ち向かうつもりなの!?」


あ・・・。

ドジッ子なのに勘が良いのは、さすが年のこ・・・

経験の成せる技なんだろう。


「魔王?どう言うこと?」

「みんなが知っている魔王とは別の魔王を

 コウちゃんが見つけたの!」

「別の魔王!?」

「コウちゃんの知り合いみたいだったけど。」

「コウイチ君、本当かい?」


・・・何て答えるべきか。

誤魔化す?

嘘を付く?

・・・ダージーさんは澄んだ瞳をしているね。

一体どんな人生を歩めばこうなれるのか。

いや、ただ普通なだけかも知れないね。

仕方がない。

ここは正直に行くか。


「本当だよ。

 名前は、はるか。

 みんなと同じ転生者だ。」

「転生者が魔王!?」

「みんなと同じって・・・

 まさかダーちゃんも!?」

「えっ、サクラさんも?」


・・・そういえばダージーさん、サクラさん、

そしてスルマが転生者って知っているのは

俺だけだったけ。


「まさかスルマ君も転生者なのかい?」

「そうだよ。」

「チーム転生者の結成だね!」

「通りでみんな強い訳だ。

 ・・・それよりも魔王ってどういうこと?」

「ランダム能力で引き当てたんだよ。」

「ランダム能力・・・。」

「でも、待って。

 コウちゃんの知り合いって事は日本人だよね?

 なんでそんなに日本人ばかり?

 まさかダーちゃんも日本人?」

「いや、僕は・・・」

「はるかは日本人ではないよ。」

「でも地球の人なんでしょう?」

「いや、それも違う。

 簡単に言うと、

 俺が地球から強制転移した星の人なんだ。」

「転移!?

 そんな漫画みたいな話が・・・って

 転生だって漫画みたいだよね!」

「でもコウイチ君の知り合いの転生者なら

 人間を襲わせない様にお願いすれば

 大丈夫なんじゃない?」

「残念だけど記憶を失っていてね。

 俺の事は勿論、何も覚えていないんだ。」

「まさか、魔王になったから?」

「それは違うよ。

 転生した時に失ったんだよ。」

「なんで転生した時に失ったって、

 コウちゃんは知っているの?」

「女神様から直接聞いたからね。」

「女神様!?」

「コウちゃん、女神様に会えたの!?」

「え?2人は会ったことないの?」

「この世界に来てからは一度もないよ。」

「会い方も分からないしね!」


そうなのか?

割りと簡単に会える・・・訳じゃないな。

良く考えたら転生後に会ったのは

はるかの事を聞いた時だけで、後は貧


「グハッ!?」

「どうしたの、コウイチ君!?」


・・・これの所為で身近に感じているだけだね。


「コウちゃん、大丈夫?」

「大丈夫だよ。」

「一体急にどうしたんだい?」

「女神様と軽いスキンシップをとっちゃってね。」

「女神様!?」

「まあ、俺もはるかも特殊な事情で転生したから

 女神様との関係も特殊なんだよ。」

「そうなんだ。

 あんな美しく聡明な女神様とスキンシップを

 取れるなんて羨ましいな。」

「本当に凄い美人だったよね!」


・・・美人ではあったね。

聡明・・・なのか?

多分、俺と会ったビュー様とは違う、

別の女神様の事なのかな?


「ちなみに女神様の名前は?」

「ビュー様。」

「ビュー様だよ。」


・・・同じだね。

真実は知らない方が幸せだよね。


「でも女神様なら記憶を取り戻す事も

 出来るんじゃ?」

「残念だけど、そんなに都合の良い方法は

 無いみたいだよ。」

「そっか・・・。」

「コウちゃんはどうするつもりなの?」

「はるかにもう一度会ってみるよ。」

「でも駄目だったんでしょう?」

「色々足掻いてみるさ。」

「僕達に出来ることはないのかい?」

「ない・・・いや、1つだけ頼みがあるよ。」

「なんだい?」

「もしはるかに会ったら、

 戦わずに見逃してくれないかな。」

「・・・うん、分かった。

 でも僕達の仲間は大丈夫でも、

 他の人は攻撃すると思うよ?」

「それは大丈夫だよ。

 仮にも魔王なんだから、

 そう簡単に倒されたりはしないよ。

 それに魔王を倒せるのはいつだって

 勇者の一撃だけってね。」

「ダーちゃんが攻撃しなきゃ良いんだね!」

「まだ勇者って自覚がないけどね。

 でも今回みたいに他の冒険者がいたら

 手加減は出来ない。

 みんな殺されてしまうからね。」

「・・・分かった。」


その時は敵と言う訳だね。

・・・ますます悪役に近づいている感じだよ。

勇者に殺されてエンディングなんてのは

なんとか避けたい所だね。


「じゃあ、俺はそろそろ行くよ。」

「祝勝会は本当に良いの、コウちゃん!」

「俺の分までサクラさんが楽しんでください。」

「コウイチ君。

 1人でどうにもならなくなったら

 いつでも僕を頼って。」

「ダージーさん・・・。」

「頼りないかも知れないけどね。」

「そんなことは無いですよ、ダージーさん。」

「ダーちゃんは勇者だからね!」


ダージーさんはちょっと恥ずかしそうだ。

でもこれからは勇者として立派になって

行くんだろう。

その物語を見ていたい気もするけど、ここは現実。

俺は俺の物語を歩むとしよう。

さあ、次は勇者よりも魔王よりも強くなるために、

まずは上級職の上・・・極職を目指すとするか!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ