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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
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第55話~外の封印・中の奴隷~

今日もインフィ洞窟に来たぞ。

絶え間なく魔物と戦うのは多少しんどいけど、

体力や持久力が減っていくほど

強い魔物はいないからね。

俺にはかなり良い感じの経験値稼ぎ場所だよ。

更に奥まで進めば強い魔物も出てくるかも

知れないけど。

今日はその辺りを確認出来るまでは進むとするか。


そう言えば、洞窟の封印をしている2人が

昨日とは違うね。

24時間体制って言ってたから交代したのかな?

2交代か3交代か分からないけど、

通常勤務に比べて体に響くからね。

実体験してるから良く分かる。

残業100時間超えるよりもキツく感じたよ。

・・・残業のし過ぎで、

気分がハイになっていただけかも知れないけど。


「お勤めご苦労様です。」


例によって聞く余裕は無いみたいだけど、

敬意を払わなくちゃね。

さて、入るとするか!!


・・・あれ?

魔物がいないぞ。

どうなっているんだ?

あっ、涌き出てきた。

タイミングがずれる事もあるんだね。

まっ、気にせず倒すとするか。


「スラッシュ!!」


1度目と違って2度目だと心に余裕が出来るね。

この調子で・・・ってやっぱり何か変だな。

沸いてくるスピードは変わらないけど、

魔物の意識が俺だけでなく、

他にも向いている様な?

他に向く?


「身代わり木人形!!」


魔物の攻撃が木で出来た人形に向かったぞ。

これでますます楽に進めそうだ。

そうだ!

この方法も良いかも。


「妄想世界・分身の術!!」


俺の妄想は他人でも見れる様になったからね。

俺自身を一杯出現させれば、

ますます俺への攻撃が減るって訳だ。

これなら最奥まで行けるかも。

ん?

魔物以外の気配が現れたぞ。

いや、正確には俺が進んだ事で、

洞窟の奥の気配を感じる事が出来ただね。

となると魔物の意識が他に向いているのは、

その人達に向いていたのか。

気配の数は・・・10人。

あっ、1人減った。

続けてもう1人。

不味いね。

このままだと全滅しちゃうぞ。

7・6・5・・・どんどん減っていく。

でもこの魔物の塊を突破すれば!


「大回転斬り!!」


よし、いたぞ!

残りは3人か。


「大丈夫か!?」

「あなたは?」

「只の冒険者だよ。

 そんな事より入口まで逃げるよ!!」


喋っている間も攻撃を止められないしね。


「私達は戻れません。」

「このまま先に進んでも死ぬだけだよ?」

「・・・。」


何か事情があるみたいだけど、

聞いている余裕も無さそうだ。

となるとまずは話が出来る場所を作らないと。


「フレイムミュール×4」


これで四方の魔物を一時的に

寄せ付けなくなったぞ。

とはいえ、ほんの十数秒しか足止め出来ないから


「冒険術Ⅴ・野宿!!」


テントが出現したぞ。

この中に入れば俺よりも弱い魔物は

認識出来なくなり、ゆっくり休憩が出来る。


「取り敢えず入って!!」


女の子3人は戸惑いながらも

テントに入って行ったぞ。

これで一先ずは安心だ。

≪剣豪がLv49になりました

 錬金術士がLv47になりました

 錬金術Ⅱが錬金術Ⅲになりました

 木魔道士がLv47になりました

 魔法剣士がLv29になりました

 スキル・魔装術Ⅱ:防具属性付与を覚えました

 槍技士がLv35になりました

 スキル・幸運強化Ⅰを覚えました

 スキル・槍術Ⅲ:シャベリンを覚えました

 職業:騎士に転職出来る様になりました

 職業:魔法槍士に転職出来る様になりました

 土魔道士がLv34になりました

 スキル・精神強化Ⅰを覚えました

 魔法・土魔法Ⅳ:クレピモントを覚えました

 職業:光魔道士に転職出来る様になりました

 弓技士がLv34になりました

 スキル・速度強化Ⅰを覚えました

 スキル・弓術Ⅲ:螺旋弾を覚えました

 職業:強弓技士に転職出来る様になりました

 職業:魔法弓士に転職出来る様になりました≫


おっ、色々上がったけど、まずは・・・。


「さて、早速だけど何故戻れないか

 教えてくれるかい?」


3人は無言で右の手首を俺に見せてきた。

鎖の刺青が全員に描かれている。

ヤクザ?と思うのは日本人の習性かな?

ファッション・・・とも違いそうだ。


「鎖の刺青がどうかしたのかい?」


3人揃ってキョトンとしている。

普通は知っている事なんだね。


「私達は奴隷です。」


なるほど。

この世界には奴隷がいるって説明書に

書いてあったな。


「戻れないってのは主人の命令って事か。」

「はい。」

「逆らったら罰があるって事ね。」

「罰ではなく死です。」


それは思った以上にキツい縛りだね。


「あなたは・・・。」

「耕一だ。」

「コウイチさんは何故この洞窟に?」

「冒険者の館に依頼書があったんでね。」

「そうですか。

 お仲間は途中で倒されたのですか?」

「いや、1人で来た。」

「1人でここまで!?」

「なんて無謀な・・・。」

「君達程では無いよ。」

「私達は10人で来ましたから。」

「10人程度じゃお話にならないでしょ。」

「・・・。」

「でも主人の命令じゃ無理か。」

「そう・・・ですね・・・。」


外で封印を施し、中は奴隷を定期的に送って

原因調査か。

全く調査は進まないみたいだけど。

しかしなんでまた奴隷になったんだろうね?

犯罪職では無いから強制か、借金か?

気にはなるけど、聞かれたくは無いだろうから

黙っておくのが一番だね。

それに余計な事は聞かないに限る。

絶対に悪い方向にしか進まないからね。


「・・・聞かないんですか?」

「何を?」

「何で奴隷になったのか。」

「言いたくない事は無理して言う必要はないよ。」

「犯罪者かも知れないのに?」

「犯罪者だったとしても、

 俺を倒すのは君達じゃあ無理だよ。」

「犯罪者じゃ無いよ!!」


一番小さな子が初めて喋ったぞ。

こんな子まで狩り出さなくてもね・・・。


「お父さんが借金したから

 奴隷になっちゃったんだよ!!」


・・・やっぱり聞かない方が良かったよ。

俺の一番嫌いな展開だし。


「レイ!」

「エスラお姉ちゃんとラーヴェお姉ちゃんが

 犯罪者と思われるなんて嫌だよ!!」


3人姉妹か。

ずっと喋ってたのが一番上の長女エスラで、

一言だけ喋ったのが次女ラーヴェ、

そして今騒いでいるのが三女レイだね。


「事情は大体分かった。

 犯罪者じゃないのも信じるよ。」

「ありがとうございます。」


とはいえ、分かった所で状況は

全く変わらないけどね。

どうすれば良いのやら。

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