第54話~無限に涌き出る魔物~
「ようやく見えてきたぞ。」
スィルさんを送り、町を目指すこと1週間。
ようやくナシナの町に着いた。
思った以上に大きくて、今まで見た町の中では
一番大きそうだね。
ここなら迷宮も沢山ありそうだから
Lv上げには良さそうだね。
早速町に入ってみるとするか。
「インフィの都へ、ようこそ。」
「インフィの都?」
おかしいな。
「ナシナの町じゃなくて?」
「ナシナの町なら東に真っ直ぐ3日程のところに
あるはずだぞ。
お前さんはそっちの方から来てなかったか?」
・・・。
地図の精度がそんなに高くないんだろう。
決して方向音痴という訳ではない。
それに町より大きな都に着いたんだ。
結果オーライだね。
「随分と方向音痴なんだねぇ。」
「・・・。
取り敢えず、中に入りたいんですが。」
「あぁ、じゃあ鑑定させて貰うよ。」
「はい。」
「問題ないです。
冒険者の館はこの道を真っ直ぐ行った所にある。
迷わないようにな。
真っ直ぐだぞ。」
・・・迷いませんよ?
という訳で、迷わず着いた。
都だけあって、冒険者の館も大きいね。
依頼も沢山・・・なんか1つだけ
目立つ依頼があるな。
なになに・・・洞窟調査ね。
魔物が涌き出る原因を調査するのか。
そんなに難しくなさそうなのに、
報酬が良い所をみると、魔物が強いのかな?
試しに聞いてみるか。
「すいません。」
「はい、どの依頼を希望ですか?」
「インフィ洞窟の調査を
詳しく知りたいのですが。」
「あっ、あれですか。
失礼ですが、こちらは初めてですか?」
「はい。」
「あの依頼は何十年とクリアーされていない依頼で
生きて帰って来ない事も多々ある曰く付きの
依頼です。」
「魔物が強すぎるんですか?」
「いえ、魔物は中級魔宮程度の強さなのですが、
涌き出るスピードが早すぎて
原因まで辿り着けないのです。」
「なるほど。
でもそれだとこの一体は魔物だらけに
なりそうだけど。」
「入り口に特殊な封印を24時間体制で
行っているので外には出て来れないのです。」
「となると洞窟の中は魔物で溢れかえっている?」
「一定以上は外に出ない限り増えないのですが、
大量に溢れかえってはいます。」
なかなか大変そうだけど魔宮と違って
主が強くなる訳でも無さそうだから
1回行ってみるか。
「大体分かりましたので、1回行ってみます。」
「生き残るための注意事項ですが、
無理に奥に進まずに戻るのが良いですよ。」
「分かりました。」
「では、これを。」
「指輪?」
「これがないと特殊な封印を
通り抜けられないので。」
「なるほど。
では、行ってきます。」
「ご武運を。」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・ここか。
洞窟の両端に人がいるな。
死力を尽くして封印を作っている感じだね。
服が少々みすぼらしいのが気になるけど。
「お勤めご苦労様です。」
全く聞いてないと言うか、余裕がないって感じだ。
取り敢えず入ってみるか。
最初の魔物は何かな?
1・2・3・4・・・って数えられない程
ゴブリンが埋め尽くされてるぞ。
って全員こっちを向いた!?
「ダブルスラッシュ!!
繊月斬り!!
強横薙ぎ!!」
これはキツいぞ。
絶え間なくゴブリンが突撃してくる。
幸い余り強くないのは助かるけど、
正に息つく暇も無いだね。
「サントネール!!」
これで前にいたのは大分・・・
どんどん押し寄せてくるぞ。
「トルナード!!」
風魔法Ⅲの竜巻だ。
でも全く減る様子がないな。
とは言え、少しずつ前には行けてるぞ。
この調子でしばらく進んでみて、
様子を見ながら撤退するか。
☆★☆★☆★☆★☆1時間経過☆★☆★☆★☆★☆
・・・一体何体倒した?
100?200?それ以上?
全く魔物が途切れないから
Lvアップコールもないし。
その間、どのくらい進んだ?
外にいる人の気配は感じないから
100メートルは進んでいるはずだけど。
そろそろ一旦撤退するか。
結構キツいのも分かったし。
よし、そうと決めたら一気に戻って!?
「スラッシュ!!」
後ろからゴブリン!?
回り込まれた覚えはないぞ!?
いや、違う。
入り口の方からどんどん涌き出て来ている!!
洞窟から帰って来れない理由は、
全方向から魔物が涌き出てくる所為で
戻れなくなるからか・・・。
「大回転斬り!!」
せめて片方向になれば・・・ならこれで!!
「フレイムミュール!!」
炎の壁だ。
これで少しは持つはず。
今の内に入り口に向かって
「グロスヴァーグ!!」
多少は押し流したけど、駄目だね。
あっ、地面や壁から魔物が涌き出ている。
どういう原理か分からないけど、
後ろからいきなり現れたのはこういう事か。
しかもある程度先に進まないと入口方向からは
出現しないなんて質が悪いね。
何て考えている間にフレイムミュールを
突破されたぞ。
「フレイムミュール!!
ソルミュール!!」
炎の壁と土の壁だ。
早いとこ逃げ出したいが、
ここに来るまでに1時間くらい経っているから、
戻るのに1時間・・・いや、前後の魔物を
倒しながらだから1.5時間くらいか?
しかし女神の援護と女神の守護が無かったら
俺はここで死んでたかもね。
・・・女神の過ちが無ければ
ここに来る必要もなかったけど。
☆★☆★☆★☆★1.5時間経過★☆★☆★☆★☆
ようやく洞窟を抜けれたぞ。
≪重剣士がLv50になりました
スキル・重剣術Ⅴ:シールドブーメランを
覚えました
重剣士のLvが最大に到達しました
錬金術士がLv44になりました
錬金術Ⅱが錬金術Ⅲになりました
木魔道士がLv44になりました
付与魔道士がLv50になりました
魔法・魔与魔法Ⅴ:全能力上昇を覚えました
付与魔道士のLvが最大に到達しました
斧技士がLv50になりました
スキル・斧術Ⅴ:大地割りを覚えました
斧技士のLvが最大に到達しました
水魔道士がLv50になりました
魔法・水魔法Ⅴ:ログランボールを覚えました
水魔道士のLvが最大に到達しました
剣豪がLv48になりました≫
物凄く上がったね。
500体くらいは倒したしね。
取り敢えずLvが最大になったものだけ
変えておくか。
重剣士を弓技士、付与魔道士を魔法剣士、
斧技士を槍技士、水魔道士を土魔道士。
これでOK。
今日は帰って、明日からまた入って
Lv上げと行くか!!




