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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
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第51話~お礼~

「こっちですよ。」


スィルさんが先頭を歩いて武器屋に

案内してくれている。

・・・目線が下に下がって行くのは男の性かな。

ロングスカートだけど、これはこれで・・・!?


「コウイチさん、後ろを振り返って

 何かあったんですか?」

「いや・・・。」


何だ、今の殺気は!?

ても、それらしい人はいないし・・・。

気のせいか?


「ここが武器・防具の店です。

 入りましょう。」

「いらっしゃいって、スィルかい。

 今日はどうしたんだい?」

「用があるのは私ではなくて、

 コウイチさんです。」

「コウイチ?見掛けない顔だな。

 ・・・あぁ、重体だった彼かい。

 もう体は大丈夫なのかい?」


この感じだと村中に知れ渡っていそうだね。


「はい、スィルさんのお陰で助かりました。」

「そうかい、良かったな。

 で、丸腰になったから買いに来たのか?」


話が早くて助かるね。


「その通りです。」

「運が良いね。

 ちょうど武器スキルが上がってな。

 出来立てホヤホヤのミスリルソードがあるぞ。」


ミスリルソードか。

確か属性付与の効果が上がるんだよね。

これから先、魔装術を使う事も多くなるだろうから

買っていて損はなさそうだね。


「じゃあ、そのミスリルソードを貰います。」

「毎度あり。

 防具は鋼系が一番良いものだぞ。」


鋼系か。

重そうでゴツゴツしていて好きじゃないんだよね。


「この鋼の鎧なんかお薦めだが・・・

 気に入らない様だな。」

「ゴツゴツしているのは好み出はなくてね。」

「機動性重視か。

 それならこの鋼の服ならどうだ?」

「鋼の服?」

「布に鋼を融合させているイメージの服だ。

 防御力が鋼の鎧よりは劣るが、

 その分軽くて動きやすいぞ。」


悪くないかな?


「色は白・黒・赤・青があるぞ。」

「じゃあ、黒を貰えますか。

 後は・・・。」


・・・。

・・・・・・。

これで準備万端だね。


「色々案内して貰って助かりました。」

「もう買う物は無いですか?」

「大丈夫です。」

「良かったです。

 あっ、行商人の方が来てますよ。

 品物だけではなく、

 付近の情報も教えて貰えるので

 盗賊の事も聞いてみましょう。」


そういえば近くの村が盗賊に襲われたって

言ってたっけ。


「行商人さん、盗賊がこの辺りに来ているって

 噂が合ったのですが何か知りませんか?」

「盗賊なら逆方向に行ったって聞いたぞ。」

「本当ですか!?」

「こっちに来てたら危なくてここには来ないよ。」

「それもそうですね。」


・・・。

なるほど。


「な・何の真似ですか!?」

「コウイチさん!?」


無言で剣を抜いて行商人の顔面近くに付けたら

驚くのは無理もないけど。


「くだらない芝居はもう良いよ。」

「いっ、一体何を!?」

「お前、行商人じゃなくて盗賊だろう?」


孔雀眼で職業を確認したんだから

間違えるはずがないけど。


「な・何を根拠に!?」

「スィルさん、ステータス鑑定書は

 この村にあるかい?」

「ありますけど、ステータス鑑定をしないと

 村には入れませんから、

 この人が盗賊って・・・。」


偽造のスキルは無いから・・・


「元々持っていた行商人の鑑定書と

 すり替えたんですよ。」

「でたらめを!!」

「もう面倒だからその首斬り落とすか。

 調べるのは死体でも出来るしね。」

「くそ!!」

「蔓縛り!!」


そう簡単に逃がす訳がないよね。

それよりもすり替えた鑑定書は・・・あった。


「やっぱりね。

 ほら、こいつは盗賊だよ。」

「本当・・・ですね。」

「さて、お前は大方下っ端の先遣って所だろう?

 他の盗賊は何処にいるんだ?」

「・・・。」

「まっ、答える訳がないわな。

 スィルさん、この村に警備の人っていますか?」

「います。」

「呼んで来てください。」

「分かりました。」


その間に俺は


「シェルフレイム!!」


盗賊の真横に天まで届く炎を放った。

一瞬にして盗賊の顔が青ざめたぞ。


「心配しなくても、

 一瞬で燃え尽きさせる様な攻撃はしないよ。

 たっぷり苦しんで貰わないとね。」


下っ端には十分な脅しだね。

拷問は趣味じゃないからやりたくはないけど。

とは言え、実際にやらないと効果は薄いから。


「フレイムアロー!!」

「ギャァァァーーー!?」

「チリン。」

「ギャー・・・あれ?」

「回復したろう?

 これで死なずに何度でも

 苦痛を味わえるって事だ。

 炎に風に水に氷に雷。

 何でも使えるけど、どれがお好みかな?」


変な汗までかき始めたぞ。

回復出来ると少し安心出来るから不思議だ。

これで遠慮なく出来る。

やられる側は、よりきついのが更に良い感じだ。


「さて、いつ話したくなるかな?

 折角だから全属性を味わった後の方が

 良いけど。」

「待ってくれ!!

 仲間は北の方で待機している!!」

「北ね。」

「コウイチさん!連れてきました!!」

「ちょうど良かった。

 スィルさん、盗賊に襲われた村って

 どっちですか?」

「西を道なりに進めばありますけど・・・。」

「西ね。

 じゃあ、西に行くとするか。」

「なっ!?北って答えた・・・」

「盗賊の言う事を真に受ける訳無いだろう?」

「くっそ!!」


どうやら西が当たりみたいだね。


「さて、盗賊退治と行きますかね。」

「コウイチさん、1人で行くつもりですか!?」

「お釣りが来ますよ。」

「でも・・・。」

「心配しなくても、危なくなったら逃げますよ。」

「何でそこまで・・・?」


命を救って貰ったお礼が盗賊退治なら

安いもんだよ。

さっさと行って、サクッと倒して、

経験値稼ぎに戻るとするか!!

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