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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
49/74

第49話~生者転生~

・・・んっ。

ここは・・・どこだ?

何か真っ白の世界だけど・・・。

・・・女神様の空間か?


≪そうです≫


目の前に女神・ビュー様が現れた。

また俺は死んだのか?


≪いえ、生きています

 意識だけをこの世界に呼びました≫


意識だけをわざわざ?

という事は・・・


「はるかの事ですか?」

≪はい≫


なるほど。

という事はあのはるかは、俺の知っているはるかで

間違い無さそうだ。

色々聞きたい所だけど、

まずはビュー様の話を聞くとしよう。


≪貴方が死んだ時に、転生させるため

 転生フィールドを展開する必要があるのですが、

 その転生フィールドに飛び込んで来たのが

 はるかさんなのです≫


俺が崖から落ちた後、

はるかが俺を追ってきてたのか。

頭から落ちて行ったから、

上の状況までは分からなかったな。


≪その時は特に気にしていなかったのですが、

 あなたがこの空間に転生した時、

 彼女もこの空間にいたのです≫


俺の転生に巻き込まれたのか。


≪転生フィールドは死者のみ転生させる技だと

 思っていたのですが、

 生者も転生出来るとは知りませんでした≫


なるほど。

生きている者を転生させる必要はないからね。

誰も試した事がなかったのか。


≪はい≫


あれ?待てよ。

まさか・・・


「記憶が無いのは生きている状態で

 俺の転生に巻き込まれたせいか?」

≪その通りです≫


不幸は重なるって言うけど、

ここまで重ならなくてもね。

・・・大元は女神の過ちのせいだけど。


≪大変申し訳ありません≫


とはいえ、この世界ではるかに会えたのは

やっぱり嬉しいしな。

それに何かのきっかけで記憶を

取り戻すこともあるだろうし。

全てが不幸という訳でもない。


≪前向きな貴方は本当に有り難いです≫

「不幸の中で楽しみを見つけるのは、

 大得意なんでね。

 それよりもはるかは名前を覚えていたのかい?」

≪いえ、私が教えました

 覚えているのは、自分が魔族である事と

 秩序を守るために人間を滅ぼす事くらいです≫


なるほどね。

だから種族は魔族で、子供も平気で殺せたのか。

職業の魔王は・・・


≪それは想定外でした≫

「魔王を2人にする予定ではなかったって

 ことですか。」

≪はい。

 魔王という職業は本来女神が与える以外に

 就く方法はないので≫

「それをはるかがランダム能力で

 引いたということですね。」

≪はい≫

「ランダム能力は自分の心が望んだ能力を

 得られるものではありませんか?」

≪・・・気付いていたのですね≫

「妄想世界ではるかを出現させた時に

 少し思ったんだ。

 その後に色々な転生者に会い、

 意欲上昇・着替人形・筋肉達磨・魔法少女と

 それぞれのランダム能力を知って、

 最後にはるかの魔王とくれば、

 本人が心の中で望んでいる能力と

 確信出来ましたよ。」


俺のもう1つの能力の排泄消去も

転生前の世界ではトイレにかなり悩んだしね。

ウォシュレットも無ければ、流す水もない。

おまけに紙まで無いんだから

現代人としての何かを失って行く気がしたし。


≪本人の心が望む能力を与えることで

 新しい世界で生きる苦しみが少し和らぐ様に

 考慮しています

 ただ偶然と必然では能力を得た後の

 意識に差が出てしまいますので、

 ランダムという形を取っています≫


自分の心が求めた能力が

排泄消去と妄想世界と知っていたら

全力で否定したくなるしね。

今となっては俺の心が求めていたと分かるけど。


はるかは魔王の娘だ。

記憶を無くしても魔族であることは

覚えていたのだから

深層心理に魔王の娘であると刻み込まれてても

可笑しくはないか。


≪そして魔王が2人になってしまったため、

 この世界の色々な場所で混乱し始めています≫

「魔王が2人も入ればね。」

≪貴方も1度巻き込まれていますよ≫


1度?

あぁ・・・


「エールライオンですか。」

≪そうです≫


エールライオンは、はるかが作ったのか。

ダージーさんがいなかったら

俺も殺されていただろうしね。

あんなのが各地に出現したんじゃ

混乱は免れないか。

はるかの記憶が戻れば、ただ滅ぼすなんて考えには

ならないだろけど、何にせよ、はるかにもう1度

会わないことには始まらないな。

実力に差がありすぎるから、

もっと鍛えないとだけど。

『魔王』に『支配者の要求』の能力は

最初に思った通りかなり有利だね。

おまけに女神の守護、加護、援護も持ってたし。

ボーナス能力までは確認出来なかったけど

説明書は全部読んだのかな?

教えて


≪上げることは出来ません≫


ですよね。

今度会った時に確認するか。

まずはLv上げだけど。

・・・こういう時、漫画やゲームなら・・・


≪記憶を取り戻す宝玉や、

 魔王の職業を変える水晶なんて便利なものは

 存在していません≫


と言うのを女神様から貰えるって無いのか・・・。


≪魔王の力を抑えるオーブもありません≫


都合の良いアイテムは無いのね。

じゃあ、


≪勇者には自力で頑張って目指して下さい≫


・・・喋らせても貰えません。

地道に頑張るしかないか。

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