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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
43/74

第43話~冒険者ランク~

「さあ、ラークに着いたぞ。」


魔道士が集まる町『ラーク』

右を見ても左を見ても強い魔道士が沢山いる。

勿論、魔道士以外もいるけど、

パーティーの1人って感じだ。

剣を腰に下げて1人歩くのは

俺くらいかも知れない。


「ここでお別れだな。」

「そうですね。

 お世話になりました。」

「でもまだこの町にはしばらくいるから

 また会うかもだよ。」

「子守りはもう御免だけどな。」

「もう面倒は掛けませんよ。」

「じゃあ、また。」

「バイバーイ!」


さて、俺はどうするかな。

まずはやっぱり冒険者の館・・・はサクラさん達と

会いそうだから止めておくか。

別れたばかりで会うのも間抜けな話だしね。

となると食事でもして少し時間をずらすか。


「いらっしゃいませ~。

 何名様ですか?」

「1名です。」

「ではこちらへ、どうぞ~。」


何を頼むか。

メニューを見てみたけど、

相変わらず全く分からない。

仕方がない。

他のお客の食べているのを見て・・・そうだ!

他のお客の食べている料理を孔雀眼で見れば・・・

料理名が見えたぞ。

こんな単純な事に気付けないとはね。

まだまだ色々と使えそうだね、孔雀眼は。

さて、どの料理が良いかな。

あの鳥ももみたいな肉をメインに、

あっちのコンソメスープみたいのと、

ご飯ぽいのはないからパンを頼むとするか。


「すいません。」

「はい~。お決まりですか~?」

「八面鳥のローストと、コンプスープ、

 それからバゲール。

 食後にブートティーをお願いします。」

「畏まりました~。」


さて、これからどうするかな。

魔王の所に向かうと言っても今すぐ向かったら

死にに行く様なものだしね。

となると魔宮を何個かクリアーしてLv上げかな。


「お待たせしました~。

 八面鳥のローストとコンプスープ、

 バゲールで~す。」


とても美味しそうだ。

八面鳥はクリスマスのチキンみたいな感じだね。

ジューシーで美味しいけど、ご飯が欲しくなるよ。

代わりのバゲールは・・・フランスパンに

似てるかな?

ちょっと固めだけど美味しいね。

コンプスープは予想通りコンソメみたいな味だ。

大体イメージ通りの料理で良かったよ。


「食後のブートティーで~す。」


食後のブートティーも美味しい。

でもやっぱりご飯が食べれないのは悲しいね。

米離れが進んでいるなんて聞くけど、

やっぱり俺はパンよりもご飯派だよ。

次食べる所はご飯があるところを選ぶとしよう。


さて、お次は冒険者の館だね。

サクラさん達は・・・いないみたいだね。

別れたばかりでばったり会い、

そのまま何かに巻き込まれて・・・

なんて展開は無い様で安心したよ。

他に転生者もいないみたいだし、

自分のペースで進めそうだね。


色々な依頼があるけど、魔宮の依頼の方が

経験値を上げるには良いよね。

となると受付でDランクの証明書を見せて

中級魔宮の依頼を受けるとするか。

上級魔宮も行ってみたいけど、

まだ少し早い気もするしね。


「すいません。

 中級魔宮の依頼を見たいのですが。」

「Dランクの証明書はお持ちですか?」

「はい。」

「ありがとうございます。

 ・・・え?

 1人でDランクになったのですか!?」

「あっ、はい。」

「それは凄いですね。

 ですが、ここの中級魔宮は魔法系が多いので

 剣士様お一人だと厳しいかも知れません。」


さすが魔道士が集まる町って所だね。

でも


「魔法も得意なので大丈夫です。」

「そうなのですか?

 では、奥の扉からお入り下さい。」


奥にも部屋があったのね。

早速行くとしますか。


「何であんなひ弱そうな剣士が

 奥の部屋に行けるのに

 俺らは駄目なんだよ!!」


ひ弱そうな剣士って俺の事だよな・・・。

結構色々な経験を積んでいるのに、

いまだひ弱に見えるのは何でだろう?

まあ、そんなことは置いといて、

奥の部屋に行くとしよう。


「おい!待てよ!!

 そっちには俺らが行ってやる。

 貧弱なヤローは引っ込んでな!!」


面倒臭いな。

無視するに限るな。

と思ったら奥の部屋の扉が開いた。


「なんだ騒がしいな。」

「あれ?コウちゃんだ!」

「おいおい。

 ここから先は、お前みたいなのが

 入れる場所じゃないぜ?」


サクラさん達だ。

奥にいたのね。


「ガキまで入れるのかよ!!」


子供ならガキと言われてムカつく所だろうけど、

サクラさんは若く見られる自分が嬉しい様だ。


「ガキに雑魚が奥の部屋に行けるんだから

 俺らも行くぞ!!」

「Eランクでは駄目です!!」


受付の女性が止めようとしている。


「邪魔だ!!」


受付の女性を殴ろうとした所を

シダレさんが止めた。


「レディには優しくと教わらなかったのかい?

 醜い僕達は。」

「何だと!?」

「大丈夫かい、レディ。」

「は・はい。」

「良かった。

 怖かったろう?

 食事でもして気分を変えないかい?」

「俺らを無視すんじゃねぇ!!」

「まだいたのか。

 レディを口説いている時に無粋な奴だな。」

「あぁ!?」

「汚い顔面を洗って出直して来いって事だ。

 最も醜く歪んだ顔は治らんがな。」

「てめぇ、喧嘩を売ってるのか?」


剣を抜いたぞ。

シダレさんなら問題ないとは思うが、

脇役Aに頑張って貰いたいと思うのは

何故だろう?


「シダちゃん、この後は温泉に浸かって

 お茶してまったりするって言ったでしょ!!」

「ガキの癖してババア見たいな・・・」


突如ガキンと音と共に剣が根本から折れて

宙に舞った。


「馬鹿な!?杖で剣を折った!?」


女神の杖はMPを物攻に変換する事も

出来るからね。


「何か・・・言ったかな?」


顔は笑顔だけど、迫力が子供ではなく

熟練の大人そのものだ。

サクラさんに年齢の話は厳禁だね。


「悪い子はお仕置きだよ!」

「ちょっと待った、サクラ!!

 こんな所でサクラが魔法を放ったら

 また冒険者の館が壊れちまうぞ!?」


シダレさんが珍しく焦ってるな。

しかし、またって前科があるのね。


「そうだぞ、サクラ。

 また出禁にはなりたく無いだろう?」


出禁にもなったのか。

一体どんな破壊をしたんだ?


「あれはわざとじゃないもん。

 それに今回は悪い子を消滅させるだけだもん。」

「「もっと駄目だ。」」


消滅って物騒な・・・。

サクラさんなら簡単に出来るだろうけど。


「今のは剣が壊れていただけだ!

 杖なんかで折れる訳がねぇ!!

 食らえ!!」


もう1本の剣で斬り掛かったぞ。

でもシダレさんが盾で受け止め、

エヒガンさんが脇役Aを蹴り飛ばした。

サクラさんはナイトに守られた姫の様な気分で

うっとりしている。


「Eランクのお前らじゃ、話にならねぇよ。」

「サクラ達はBランクだからね!」

「お前達もくだらない騒ぎをする前に

 地道に努力する事だな。」

「くそ、覚えてやがれ!!」


エヒガンさんの蹴りで気絶した脇役Aを

脇役B・C・Dが抱えて去っていったぞ。

これで一件落着ってね。

全く出番がなかったけど。

取り敢えず奥の部屋に行くか。


「コウイチが入れる場所じゃねぇって

 さっき言っただろ?」


一応俺はDランクです。

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