表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
40/74

第40話~水浴びシーン~

武道会から1週間。

次の町を目指して歩き続けている。

3日で着くはずなんだけどね。

真っ直ぐ進めば着くよと聞いたから

真っ直ぐ来たのだけれど、

道を曲がらずに森の中に入ったのが

駄目だったかな。

戻ろうかとも思ったのだけれど、

最早どっちから来たのかすら

分からなくなってしまった。

一旦森の上から見てみるか。


「妄想世界」


スルマを妄想したら


「筋肉集約!!」


全身の筋肉を両足に集約して

スルマがやっていた様に

空気を踏みながら上がって行き、一番上に到着。

スルマには良い技を見せて貰ったよ。

集約して何とか使える程度だから

実践で使うのは無理だけどね。

さて、どうやら大分森の深くにいる様だ。

どっちに進めば良いのやら。

そうだ!

森の中では使えなかったけど、

ここならコンパスが使えるかな?

森の中だとぐるぐる回るだけで

使い物にならなかったからね。

どれどれ・・・ちゃんと使えるみたいだね。

北が向こうだから・・・大体あっちだな。

森がずっと続いていて、合ってるか分からないけど

多分大丈夫だろう。

あれ?

進む方角に森の一部に開けている所が

あるみたいだ。

ちょっとそこに行ってみるか。


集落とかだったらありがたいんだけど。

でも気配も無いから集落ではなさそうだね。

おっ、湖か。

透明度が恐ろしく高い湖だね。

底まではっきりと見える。

綺麗に見えて実は毒沼なんて可能性もあるけど、

触れても問題ない事は孔雀眼で確認済みだ。

ついでに飲んでも大丈夫だ。

最も飲んで腹を壊したとしても、

俺には排泄消去があるから問題ないけどね。


いきなり湖に裸で飛び込んで、

氷みたいに冷たかったら悲惨だから、

まずは手を・・・気持ち良い冷たさだね。

しかしこういう美しい湖だと

美少女の水浴びシーンにばったり会う何てのが

定番のはずなんだけど、

そんなに上手く行く訳が無いよな。

ダージーさんならそんなシーンに

ありつけそうだけど。

持って生まれた物が違うんだろう。

一般市民の俺にはこれで十分だ。


「妄想世界」


美少女の水浴びシーンだ。

そして・・・


「キャ!」

「ごめん、人がいるなんて思わなくて・・・」


何て展開を自分の妄想でカバーすると。

妄想が喋れる様になったお陰で、

更にリアリティーが増したね。

見る時間も1分と延びて、じっくり堪能出来るし、

良い感じだ。

しかし自分の妄想とはいえ、

素晴らしいボディをした女性を

出現させたもんだね。


さて、妄想はここまでにして俺も水浴びするか。

何せこの世界に来てから、

水に浸かる事が出来なかったからね。

外で裸になるのは少々恥ずかしいが、

こんな森の奥深くまで来る人なんて

早々いないだろうしね。

という訳で服を脱いで・・・よし。

これが漫画なら木の枝や生えている草とかで

絶妙に隠れているに違いない。

見せられても困るだろうしね。

いや、女性なら見たい欲求もあるのかな?

なんてどうでも良い事を考えながら湖に浸かると、

うん、気持ち良い。

ついでにこれもやってみるか。


「妄想世界」


美少女を2人出現させて両脇につかせたぞ。

妄想に触れる様になったから

両腕が柔らかいものに包まれて、とても心地好い。

旅の疲れが癒されるね。


今日は少し早いけど、ここで野宿としようかな。

この湖には魚もいるから、

焼いて食べるのも良さそうだし。

明日は森の上からコンパスで方角を確認しながら

進めば町にも直ぐに辿り着けるだろうしね。

そうと決まれば、まずは魚でも取るか。

一旦上がってから


「フードル!!」


雷魔法Ⅰの落雷だ。

これで気絶した魚が一杯浮いてきたぞ。

ちょっと取りすぎたから

今食べる分は焼き魚にして、

明日食べる分は燻製にでもしようかな?

筋肉集約を使えばスルマみたいに

燻製チップも出来るしね。


・・・何か来るな。

気配は魔物ではないから熊とか猪とかの動物かな?

いきなり襲い掛かられても面倒だから

一応構えておくか。

真っ裸の丸出し状態で構えをするのも

間抜けな話だけど仕方がない。

さあ、何が出るかな?


「え?」

「えっ!?」


可愛らしい感じの女性だ。

黒髪のポニーテールに黒い瞳。

歳は十代前半って所かな。

顔立ちが日本人に似ている。

俺以外にも人間がいたんだね。

女性も同じ事を思っていそうだけど。

その女性の視線が下がって行く・・・って、

不味い!!

しかも今はちょっと大きいぞ。


「きゃぁぁぁーーーー!!!!」


丸出しなんだからそうなるよね。

ちゃんと説明しないと。


「あの」

「きゃぁぁぁーーーー!!来ないで!!」


話す暇ももないって、裸の男が近寄ってきたら

そうなるか。

おまけにちょっと大きいしね。

でもなんか嘘臭い叫び声の様な・・・?

それに手で顔を隠してはいるけど、

指の隙間からしっかりと見てるし。

取り敢えずこのままだとお話にならないから

服を着るか。


「どうした!」

「何かあったのか!?」


男が2人やって来たぞ。

ダンディーな感じな男とイケメンな男だ。


「あそこに裸の変態が・・・」


失敬な!

ドスケベではあるが、変態ではないぞ。


「裸の変態?」


男達が此方を見た。

言い訳くらいしておくか?

幸いもう通常サイズに戻っているから

余計な疑いは免れそうだし。


「状況を説明したいのですが。」

「いや、結構だ。

 水浴びをしていただけだろう?」

「状況判断が早くて助かります。」

「まずは服を着てくれ。

 みすぼらしい物を見続ける趣味はない。」


みすぼらしいって酷いな。

サイズは並みだと思うぞ?

・・・取り敢えず服を着るか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ