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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
39/74

第39話~耕一vsスルマ~

舞台の上で優勝者であるスルマが称えられている。

規格外の強さを見た観客達も絶え間ない拍手と

歓声を上げている。

武闘会は大成功だね。

ん?

女性が舞台に上がったぞ。

どうやらインタビューの時間の様だ。

色々な質問にスルマが答えている。


「コウイチ、こっちに来てくれ。」


ん?

あぁ、一応俺はスルマのサポート役として

居たんだっけ。

全く役に立ってないけど。

まっ、良いか。


「こいつがわしのサポートのコウイチだ。

 予選を無傷で突破出来たのも

 コウイチが1人で全滅させてくれたからだ。」


そう言えばそうだったな。

本当に全滅させたつもりだったんだけどね。


「それは凄いですね。

 武闘会に出たら優勝争いに

 加わったかも知れませんね。」

「優勝争い処か、わしでも勝てんかも知れん。」


スルマに勝てる自信はないよ。


「そんなに強いんですか!?

 お二人のバトルも見応えがありそうですね!」


・・・何か不味い流れになっている様な。


「確かに見応えはあるかも知れんが、

 時間が押して観客や関係者に迷惑が

 掛からんかな?」

「時間なら大丈夫ですよ。

 皆さんも見たいですよね?」


観客は今日一の盛り上がりだ。


「・・・スルマ。

 最初からこれが狙いだったのか?」

「いや、コウイチが予選で圧倒した辺りから

 だな。

 しかしここまで盛り上がったら

 断り難いだろう?」


赤の他人がどれだけ盛り上がろうが、

俺には関係ないからね。

すっぱり断って場を白けさせるのが俺だ。


「断るよ。」

「なっ」

「と、普段なら言っているけど、

 良い戦いを特等席で見せて貰ったしな。

 今回だけは特別だぞ?」

「・・・騙し討ちみたいな真似して悪かった。」

「いや、俺が弱くてもガッカリするなよ」

「その心配はないな。

 期待しているよ。」

「そうかい。

 キズン、エイン、イエン。」

「回復してくれたのか。」

「一応サポートだからな。

 それに怪我人相手に戦うのも嫌だしね。」

「後悔する事になるぞ?」

「もう、しているよ。」

「そろそろ戦うか。」

「そうだね。」


さて、まずは


「ダブルスラッシュ!!」

「フン!!」


拳で防がれたけど、続いて


「バッシュ!!」


ガッキィーンと云う音が響き受け止められた。

腕で防がれたとは思えない音だね。


「さすがコウイチだな。

 腕が痺れたぞ。」


普通は斬り落とせるんだけどね。

やっぱり普通の攻撃じゃあ、

ダメージを与えるのは難しいね。

魔法も交えて色々やってみるか。

炎は効かなかったけど、氷魔法ならどうだ?


「トゥルビヨンネージュ!!」


凍える吹雪だ。

寒さで動きが鈍り、視界も防げて一石二鳥。

この追撃は交わせな・・・


「凄いな、コウイチは!

 一体どれだけの種類の魔法を使えるんだ?」


そういえば竜巻を作れたんですね。

吹雪が全て吹き飛ばされたよ。


「ソルポワ!蔓縛り!」


二重の縛りだ。

これなら少しは


「フン!」


簡単に破られると。

本当にどうすれば良いんだ?


「コウイチと戦っていると、

 複数人を相手に戦っているみたいだ。

 だけどその程度の攻撃だと

 致命傷にはならんぞ。」


だよね。

防御に徹しられると俺の攻撃だと歯が立たないな。

となるとあれを試してみるか。


「今度は無差別に攻撃してくるだけか?

 そんな事では傷1つ付けられんぞ。」


確かに、何処を攻撃しても斬れないな。


「しかも攻撃が雑過ぎる。

 こうやって反撃が簡単に出来るぞ!」


今だ!!


「カウンター!!」

「なっ!?」


残念、かすっただけか。

だけど、


「攻撃と防御を同時には無理みたいだね。」


かすった頬から血が流れているからね。


「カウンターは拳闘士の技だぞ。

 付与魔法に回復魔法に多種の攻撃魔法。

 そして剣に拳。

 おまけに1つ1つの攻撃が

 尋常じゃない程強い。」

「スルマ程ではないさ。」

「剣でのカウンターはわしでも厳しそうだからな。

 ここからはわしの番と行こう。」


スルマが槍聖戦で見せた上下左右に加えて

空中まで使った不規則な動きをし始めた。

目で追うのは無理だが、俺には気配察知がある。

だから


「ここだ!」


またかすったぞ。

次は捉えて・・・止まった?


「コウイチは力も速さもかなりのものだな。」

「そいつはどうも。」

「だが技術がない。

 動きに無駄が多すぎる。

 その剣術は我流だな。」


図星だ。

どんなにLvが上がっても技術は天性の才能か

日々の積み重ね以外に習得方法はない。

どちらもない俺はステータスに頼らざる

得ないからね。


「つまり正攻法で攻めれば良い訳だ。」


スルマが真っ直ぐ突っ込んで来た。

それに合わせて剣を振り下ろすも、

最小限の動きで交わされ、

腹に一撃をくらい飛ばされた。


「やはりな。」


今の一撃で全てが分かった。

このままだと確実に負ける。

職業を入れ替え、付与魔法を付けても無理だね。

技術か・・・。

そういえばカールの剣技は美しかったな。

俺もあれくらい出来ればスルマとの勝負も

有利になりそうだけど・・・。

無い物ねだりをしても仕方がない。

他の方法で有効なのは・・・。

魔法は効かないし・・・チャールヂュならどうだ?

あれなら定期的に一瞬動きが止まるから・・・

駄目だな。

もう触らせて貰えないから使えないな。

スキルはカウンターなら・・・これも駄目そうだ。

今のスルマなら俺のカウンターに

自分のカウンターを合わせそうだ。

排泄消去は意味がないし、

妄想世界も妄想するだけだしね。

いや、待てよ。

確かLvが上がって内容が

『妄想が自分に影響する様になる』

になったよな。

影響・・・。

俺に影響を与える?

カール・・・剣技・・・妄想・・・


「これで終わりにするぞ!筋肉集約!!」

「妄想世界」


先程と同じ様にスルマが真っ直ぐ突っ込んで来た。

俺の妄想が俺の体を必要な分だけ動かした。


「うぉ!?

 今のは危なか!?」


喋り終わる前に俺の攻撃が発生。

スルマは後方へと避難した。


「今までと全然動きが違うじゃないか!

 遊んでいたのか?」

「スルマのお陰さ。

 これで俺も更に強くなれたよ。」

「そうかい。

 まだまだ楽しめそうだな。」

「いや、そろそろ決着と行くよ。

 筋力・知力・体力・速度上昇付与!!」

「付与魔法か。」


勿論それだけじゃない。

職業も中級職へと変更済みだ。

そうだ、もう1つ試してみるか。


「何故剣をしまう?」

「もう1つ面白いものを見せたくなってね。」

「それは楽しみだな。」


妄想世界でスルマを妄想して・・・


「筋肉集約!!」

「なに!?」

「これで終わりだ!」

「やらせん!筋肉集約!!」


お互いの拳が交差する。

そして互いの顔面に当たり吹き飛んだ。

両者リングアウト。

引き分けだ。


「まさか筋肉集約を使えるとはな。」

「それもスルマのお陰だね。

 でも場外負けがなく、あのまま続けていたら

 俺の負けだったよ。

 今覚えたばかりだしね。」

「じゃあ使いこなせる頃に、もう一度再戦だな。」

「遠慮しておきます。」

「残念だ。」


今度はもう付き合いませんよ。

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