第2話~キャラクター作成~
「こ・これは・・・?」
≪説明書です≫
「ちょっと厚くないですか?」
≪そんな事はありません
ですが読まなくても『スタート』と言えば
女神の世界に行く事は出来ますよ≫
「えっ、そうなの?」
≪・・・貴方には申し訳ない事をしたので、
最後のアドバイスをします
全て読んだ方が良いですよ≫
・・・読むと何かがあると言う事かな?
元々読むつもりではいたけど。
「分かりました。」
≪それでは、女神の世界を楽しんで下さい≫
女神・ビュー様が消えた。
急いでいた感じだったから、
他にも何かやらかしたんだろう。
間抜けな女神様もいるんだね。
顔は美女というのに相応しいけど、貧・・・
「ガハッ!?」
≪聞こえてますよ?≫
もう女神様の事を考えるのは止めにしよう。
しかし本当に死んだんだな俺。
余り実感は沸かないけど
元の世界に戻るのは無理なのは確かみたいだしね。
・・・あれ?
涙が・・・。
・・・。
・・・・・・そうか。
俺にも未練なんて感情が芽生えたんだね。
はるかと龍姫。
地球で何十年と過ごした日々よりも
出会ってからほんの数ヶ月過ごしただけで
こんなにも心を占めるとはね。
もう会えないのは本当に悲しいよ。
さて、いつまでもここにいる訳には行かないし、
説明書でも読むか。
ビュー様にアドバイスされたけど、
元々俺は説明書をきっちり読む主義だ。
ちょっと・・・所ではなく分厚いのが難点だが、
時間はたっぷりあるし読んで行く事にしよう。
--------20日経過----------
≪まさか2度も見るとは思いませんでしたよ≫
「ビュー様。説明書の2度見は基本ですよ。」
≪しかしあれから20日経ちましたよ?≫
「え?そんなに!?
飲まず食わずで良く生きてられるな・・・。」
≪この空間の時は止まっているので
飲まず食わずでも問題ありません≫
「なるほどね。
さて、説明書も読んだし、
そろそろ女神様の世界に行きますよ。」
≪説明書を読破した事でボーナスが入りますので
有効活用して下さい≫
「ボーナス?
説明書に書いてあったポイントの事ですね。
だから読んだ方が良いと言っていたのか。」
≪でもまさか本当に読破するとは
思いませんでしたが。
他の転生者の方は半分すら読まずに
転生したというのに・・・≫
「これだけ分厚いと読むのが大変ですしね。
でも全部読んだおかげで
良い情報を得られましたよ。」
≪良い情報が盛り沢山にも関わらず、
何故誰も見てくれないのでしょうか・・・≫
「前半部分は女神様の世界の歴史が
羅列してあるだけだからかな・・・」
≪それも重要だと思うのですが・・・
まあ、良いでしょう。≫
「じゃあ女神様の世界に行くとしますかね。
え~と・・・。」
≪『スタート』です≫
「・・・スタート」
おっ、目の前にキャラクターが出てきたぞ。
あれ?ビュー様がいなくなった。
俺が移動したのかな?
まあ、良いか。
取り敢えずまずはキャラクター作成だね。
最初は性別からだ。
空中にリストが出る形式で、
触れると選ぶ事が出来る。
男性・女性
説明書のワンポイントアドバイスによると、
男性を押しながら女性を押すとオカマ、逆はオナベ
更に同時に押すと中性を選択出来る様だ。
オカマの人がオカマを選択するとは思えないけど。
多分女性を選択するよね?
この選択肢は必要なんだろうか・・・。
俺は勿論、男性を選択。
お次は種族の選択。
人族・魔族・龍族・獣族・森族・小人族・巨人族・
魚族・鳥族・鬼族等々
バラエティー豊富だ。
選ぶのは勿論、人族だけどね。
このまま進めても良いのだけれど、
折角だから説明書に載っていた
ワンポイントアドバイスをやってみるとしよう。
種族を選んだ後に『人族□』□の空白部分を
指でダブルクリックすると
『100%』と出てくる。
ここを『50%』に変えると
他の種族が選ぶ事が出来るわけだ。
最大5種族選べるので、『魔族20%』
『龍族20%』『獣族5%』『森族5%』
にしてみた。
ちなみに獣族と森族は更に細かく分かれているので
獣族は狼、森族はダークエルフにしてみた。
他には犬や猫、ドワーフやハイエルフ等が
選択出来る。
種族が混血するとステータスが良くなったり、
特殊な能力や職業になれるみたいだから
先が楽しみだね。
お次は見た目だ。
イケメンにする事も出来るけど、
俺のままで良いか。
外見をどんなに変えても中身が変わらないと
意味がないしね。
龍族や魔族の要素・・・例えば角だったり
爪だったりを変える事も出来るけど、
見た目は変えないでおこう。
普段は人間でいざという時に変身
なんて展開もあるかも知れないし。
そっちの方が格好良いしね。
最後は職業。
職業は大きく分けて
一般職・戦闘職・魔法職・犯罪職・ユニーク職
の5つから成り立っている。
ちなみに1つだけカタカナ表記なのは、
俺が一番理解しやすい言葉に自動変換していて
いちいち突っ込むなと説明書に書いてあった。
さすがは女神様。
突っ込みされる事も想定済なんですね。
それぞれの職業の内容は
一般職:商人等々戦いと関係のない職業
戦闘職:剣士等々戦いに関する職業
魔法職:火炎魔道士等々、魔法に関する職業
犯罪職:盗賊等々、犯罪を犯し強制的になる職業
ユニーク職:特殊な条件でなれる職業
だそうだ。
この内、初期に選べる職業は一般職・戦闘職・
魔法職で、商人・道具職人・剣士・拳闘士・
火魔道士・治癒魔道士から選択する事になる。
女神様の世界では無職というのは無く、
13歳までに何も決まっていなければ
自動的に剣士になるとの事。
職があるからと言ってもなにもしなければ
無職と一緒だけどね。
この中から俺が選んだのは剣士。
説明書を読破した俺は色々な事を知っていて、
次のポイント割り振りで職業を増やす事が
可能なのだ。
おまけに説明書を読破した事で
ボーナスポイントも付いてるし。
これで火魔道士と治癒魔道士を付ければ、
死に難くなること間違いなしだ。
商人を付けてお金を稼いで
安定した暮らしを目指すのも悪くない。
4つ付けれれば一番良いかも?
さて、どのくらいボーナスが付いているのかな?