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妄想世界~女神の過ち~  作者: 耕一
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第13話~ワンデー~

「おい、神速の逃走者!歩くのが早すぎるぞ!!」

「そうよ。

 急いで体力が無くなったらどうするの!!」

「これだから初心者は・・・。」


そんなに早く歩いている覚えは無いんだけどな。

そういえば冒険者のスキル・移動術Ⅰが

「歩行走行速度上昇(小)」だったね。

冒険者は洞窟等から帰還すると覚える職業だけど、

覚えるスキルが便利なものが多くて良いんだよね。

他にも遠くへ一瞬にして移動出来るワープや

洞窟等から脱出出来るエスケープ等の

冒険術を覚える事が出来る。

フォーメーションでも冒険者はなっておくと便利と

言っていたから1人で行動する人は、

冒険者を上げる人も多いそうだ。

こいつらはパーティーだからか1人しか

冒険者のLvを上げてないみたいだから

歩くスピードは俺より遅いんだろう。

最もこいつらは辿り着くのを先伸ばしにしたいし、

出来れば辿り着きたく無いだけだろうけど。


「随分とひ弱な体力何ですね。

 その程度でエールライオンの所に行っても

 死ぬだけだから帰ったらどうです?」

「俺達はお前の事を心配して・・・。」

「そうよ、そうよ。」

「初心者は上級者の言う事を聞くべきだ。」

「必要ありません。

 まだまだ余裕なので走りますよ。」

「えっ、ちょっと!」


話すだけ時間の無駄だね。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


ジェリーの森に着いたぞ。

特に変わった様子は・・・魔物の気配だ。

何だジェリーか。


「おい、あれを見ろ。」

「えっ、こんな所に?」

「ゴブリン・・・。」


離れた所にゴブリンがいる。

ジェリーの森にいる訳が無いのに。


「強い魔物がいると引かれる様に

 魔物が集まると言うが・・・。」

「本当だったのね。」

「という事はエールライオンはかなり強い魔物。」


へぇ~、性格が凄く悪いと言っても、

一応は冒険者なんだね。

顔付きが変わったよ。


「エールライオンがいた場所はもう近いのか?」

「もう少し先ですよ。」


さっきまでの逃げ腰は完全に無くなり、

辺りを警戒しているみたいだ。

ようやく覚悟を決めたのかな?


「その先辺りがエールライオンがいた現場です。」

「あっち側の森が焦げているな。」

「フレイムブレスで燃えましたからね。

 この前はこの焦げ跡の先に・・・いました。」


前と全く同じ所で寝ているな。

Lvも変わらず20だ。


「じゃあ後はよろしくお願いします。」

「お、おう。任せとけ。」

「初心者は下がってて良いわよ。」


おや。

てっきり俺を囮にするかと思ってたけど、

自分達で戦うつもりなんだね。

少し見直したよ。


「じいちゃん。氷の魔法を放って。」


いきなり突っ込まずに、冷静に対処する方法を

判断出来る頭もある様だ。


「飯かぇ?」

「違う!氷の魔法だよ!!」

「氷の魔法かい?

 どれどれ・・・我が冷なる魔力を用い

 天に数多に散らばる・・・」


詠唱系の魔法もあるんだね。

詠唱中は隙だらけだから、

使う場面間違えると大変な事になりそうだけど。


「・・・今ここに発現せん。氷龍波!!」


氷の形をした龍が飛び出したぞ。

当たれば一撃で倒せそうだ。

・・・当たればだけど。


「こ・腰が・・・。」

「じいちゃん!」

「グルルルルル・・・」


エールライオンの上空を飛んで行ったからね。

そりゃ起きるよな。

エールライオンが攻撃体制に入ったぞ。

ここまでかな?

・・・斧技士の男が前に出たぞ。


「ヒルディは援護、

 ヨルンはじいさんを回復するんだ。」


そういえばそんな名前だったな。

興味がないから記憶にすらなかったよ。

しかし仲間を守るために前に立つとはね。

意外と仲間思いな所があるんだね。


「回転斬り!!」


エールライオンの爪攻撃に合わせて

キアーサがスキルを放ったぞ。

でも簡単に弾き飛ばされて、

後ろにいるヒルディも巻き込んで吹き飛ばされた。


「キア兄、ヒルディ!!」


どうやら2人とも気を失ったみたいだ。

そのままエールライオンが2人に

飛び掛かろうとしているぞ。

俺が止めるしかないか。


「絶対防御!!」


キアーサとヒルディにバリア見たいのが

張られたぞ。

エールライオンの攻撃を軽く弾く位頑丈だ。

じいさんもやる時はやるんだね。


「もう腰が・・・。」


今度はじいさんが気を失ったぞ。

流石にここまでか。

出来ればヨルンも気絶して欲しいけど。

そこまで都合良くは行かないか。

エールライオンがヨルンに狙いを定め始めたしね。


「あっ・・・。」


エールライオンの爪がヨルンに降り下ろされた。


「あ、あんた・・・。」


何とか受け止められたぞ。

性格が悪いとは言え、

女性を見捨てるのは気が引けるからね。

それに根は悪くないみたいだし、

仲間思いでもあるしな。

そんなのを見たら尚更見捨てられないね。

一旦エールライオンの爪を弾いて

後ろに下がらせて・・・。


「ヨルン。

 ここは俺が何とかするから少し下がってて。」

「え?あんた初心者のはずじゃあ・・・?

 一体何が起きてるの?」


当然の疑問だろうけど

今はエールライオンの相手が先だ。

さて、まずは・・・


「兜割り!!」


爪で受け止められたぞ。


「回転斬り!!」


体にヒット!!

前回とは違って戦えるぞ。

とは言え実力はそう大差ないようだ。

フレイムブレスが来る!!


「トゥルビヨンネージュ!!」


出し惜しみしていたらこっちがやばいな。

だったら・・・


「筋力上昇付与!!知力上昇付与!!

 体力上昇付与!!速度上昇付与!!」


よし!これならこっちが少し優勢のはず。

行くぞ!!

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