第11話~はじめての洞窟探索~
少々道に迷ったけど無事に洞窟にやってこれたぞ。
途中魔物を何体か倒したから
狩人のレベルが上がって
『気配感知Ⅰ』のスキルも覚えたしね。
洞窟の入口は結構狭いな。
2人並んでは入れない位だ。
奥の方は・・・暗くて見えないね。
ランタンが必要な理由が分かるよ。
近くに気配は・・・なさそうだ。
早速洞窟探索と行くかね。
ランタンがあっても洞窟の中は結構暗い。
人為的な物が何もない、正に洞窟といった感じだ。
この中に魔物がいるって事は
暗闇でも平気で動けるって事だから
外灯もないこの世界じゃ驚異以外何者でもないな。
なるべく早めにランタン的な魔法を
覚えた方が・・・向こうに気配があるな。
何の気配かまでは分からないのが不便だね。
慎重に・・・ってランタンでバレバレか。
案の定、気配が動き出したし。
全部で3体。
ここで待って攻撃するとしよう。
・・・今だ!!
「フレイムアロー!!」
ゴブリン2体を仕留めたぞ。
もう1体もゴブリンだ。
「スラッシュ!!」
≪木こりがLv6になりました
狩人がLv6になりました
スキル・魔物感知Ⅰを覚えました≫
魔物感知は・・・
『感知した気配が魔物なのか分かる様になる』
ね。
魔物と分かればいきなり斬りかかっても安心だね。
ん?何か落ちているな。
『こん棒の欠片』ね。
外にいるゴブリンは皆持っていなかったけど、
この洞窟では持っているゴブリンもいるんだね。
攻撃力も上がるだろうし、
当ると痛そうだから注意しないと。
でも欠片しか残らないってのも悲しいな。
こん棒がそのまま残っても
持って帰れないけどね。
さて、近くには・・・居ないみたいだから
先に進むか。
少し洞窟内が広くなってきたぞ。
複数体を相手にする事も考慮しないとね。
ん?二又に別れているな。
左に魔物とそうでない気配があるから、
違う冒険者が交戦中だね。
譲り合いましょうって言われてるし、
俺は逆を行くとするか。
ちなみに割り込んで倒しても経験値は
先に戦っていた冒険者にも入る。
分割されるので少なくなってしまうけどね。
質が悪い人だと一撃だけ当てて避難し
経験値だけ貰う何て事をするらしい。
おまけに落とすアイテムを
奪って逃げるヤツもいるとの事だ。
おっ、前から魔物が来ているな。
一気に近付いてきて!?
「スラッシュ!!」
≪剣士がLv10になりました
スキル・剣術Ⅱ:バッシュを覚えました
職業:重剣士に転職出来る様になりました
拳闘士がLv10になりました
スキル・拳術Ⅱ:二連撃を覚えました
火魔道士がLv10になりました
魔法・火魔法Ⅲ:フレイムミュールを覚えました
職業:風魔道士に転職出来る様になりました
治癒魔道士がLv10になりました
魔法・治療Ⅱ:ヤケンを覚えました
職業:付与魔道士に転職出来る様になりました≫
危ない所だった。
これは狼みたいな魔物か?
あの距離を一足飛びで近づけるなんてね。
とは言え一撃で倒せたし、まだまだ大丈夫そうだ。
さて、Lvも上がってまた職業が増えたぞ。
重剣士は防御に重きを置いた剣士だ。
今は攻撃の方が欲しいから、今はまだ良いかな。
風魔道士は水魔道士に繋がるから
火魔道士から転職しておくか。
付与魔道士はステータス上昇する事が出来るけど
まだ良いかな。
治癒系の魔法は全部覚えておきたいしね。
いや、待てよ。
今回は時間が無いんだよな。
1つの職業のLvを上げても、
この先上がり辛くなるのは目に見えてるし。
一旦色んな職業をLv10まで上げて
職業ボーナスを稼いだ方が良いかも。
となると剣士を重剣士に変えて、
拳闘士は次の職業が当分得られないから
付与魔道士に変えて・・・これでよし。
この洞窟なら1日でLv10も行けるかも
知れないな。
最奥にはボスもいるって話だし。
今日は頑張ってボスまで行くとするか。
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ランタンが消えたな。
これで3回消えたから3時間経過したのか。
流石にそろそろ戻らないと
夜遅くになってしまうな。
帰りは魔物がいないという訳ではなく、
しっかりと出現しているしね。
最後にあそこの角を曲がって様子を見て
帰るとするか。
ん?気配があるぞ。
魔物ではないから冒険者かな?
ここまで1度も見なかったから、
ここに来る冒険者は少ないんだね。
魔物の気配もしてきたぞ。
どうやら交戦中の様だ。
よし、そこの様子を見て帰るとしよう。
広そうな部屋があるな。
そこで交戦中だね
位置が入れ替わって魔物の方が近いから
注意しないと。
念のため、剣は構えて。
このまま行けば挟み撃ちな感じになるね。
おっ、見えた。
4人パーティーとゴブリン1人ね。
何体かゴブリンが転がっているから優勢みたいだ。
「グギャ!?」
ゴブリンが俺に気付いたぞ。
冒険者パーティーも気付いたみたいだ。
「ギャーー!!」
ゴブリンが俺に向かって飛んだぞ。
でも
「スラッシュ!!」
一撃で終了だね。
「あっ・・・。」
「ん?」
冒険者が唖然としているぞ。
そういえばこのゴブリン、頭に王冠を乗せてるな。
・・・まさかボス?
「え~と、これってまさかボスですか?」
「・・・はい。」
という事は俺が横取りをしたって事だね。
「大変申し訳ございません・・・。」
≪重剣士がLv9になりました
斧技士がLv7になりました
付与魔道士がLv9になりました
風魔道士がLv9になりました
弓技士がLv7になりました≫
全く空気を読まないLvアップが頭に響いた。
土下座しながら聞く事になるとは思わなかったよ。
「いや、その悪気はないみたいだし・・・ねぇ?」
「あっ、うんそうだね。」
「でも一撃って・・・。」
あっ、それも不味い。
「きっと倒す寸前で私が余計な事を
してしまったんですよ。」
「そうなのかな?」
「これからが本番だった気も・・・」
色々と不味いな。
話を変えないと。
何か・・・あっ。
「王冠が落ちてますよ!!」
「あっ、本当だ。」
「レアアイテムが出るなんて。」
「君の運が良いのかな?」
更に不味いな。
「邪魔をした私はこれを受け取る事は出来ません。
これはあなた方の物です。」
「えっ?でもこれかなりのレア物だよ?」
「気にしないで下さい。」
「じゃあ・・・遠慮なく。」
「何か微妙だけど次の町に進む資金になったね。」
それはラッキーだ。
町で会わなくて済む。
「僕達はもう行くね。」
「はい。本当に申し訳ございませんでした。」
「エスケープ」
外に脱出する魔法を唱えて冒険者がいなくなった。
他に人がいる時は攻撃しない様にしないと。




