午後
その後、神志名琴果という少女に何かの書類を渡され、どうやって帰ってきたのかが記憶に残っていないが連絡先をいつの間に交換していたのであろう、ケータイには日を改めてまた連絡させていただきます、という絵文字もないシンプルなメールが届いていた。
正直、あの少女の話は信用出来なかった。
証拠もなく自分がウイルスを削除しなければならないこともそうだが、何よりコンピュータが世界を襲うのか?しかも、コンピュータが発達しているならそれなりにウイルスを対策するソフトも作ることができるはずだ。何故自分が…?あり得ない。
考えつつもやることがなくなった俺はベッドに横たわり天井をぼーっと見つめていた。
あの少女は一体何がしたいのだろう。それに—見た目は自分より幼いように見えたのだが…。相手は自分のことをよく知っていたのに俺は相手のことを全くと言っていいほど知らない。
何処がで会ったことがあったのだろうか?
▲▽△▼
「うー、ん…」
いつの間にか寝ていたようだ。時間を確認しようと体を起こす。
1時間ほど過ぎていた。
特に用事もないので神志名から渡された書類を見ようと内容に目を通す。
名前、性別、誕生日、身長…自分自身のことを書けばいいらしい。
名前と性別には恐らく神志名が記入したであろう如何にも女の子が書くような丸い字で書かれている。
書類って本人以外に書いていいものなのか…と内心思いつつもまだ記入していない欄に自分のことを書く。
「ふわぁ、あ…」
先程寝ていたせいか、今も欠伸が止めどもなく出てくる。ダルい。
全て記入をした後、ふといつ連絡が来るのだろうかと思い出す。
それに…最近はコンピュータで必要なことを済ませてしまっているのに手書きは殆どないはずだ。
詳しい話は今度なのだろう。