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君
君はまるで、一羽の渡り鳥のようだね。
僕の肩に止まって笑っていたと思えば、すぐにどこかへ旅立ってしまう。
今年は何処へ行って、
どんな風景を見てきたんだい?
それは美しかったかい?
『幸せの青い鳥』。
ひょっとしてその鳥が人間に化けた姿が君なのかもしれない。
そんなこと君に言ったら、また僕の肩に止まって、
バカじゃないの?と笑ってくれるかな。
それとも、魔法が解けてしまって、
君はまた何処か遠くへ旅に出てしまうのかな。
その笑顔できっと君はその遠くの僕が知らない場所で、
誰かを幸せにしているのだろう?
でもずっとはそこにもいなくて、
ある時が来れば君はまた旅立ってしまうんだ。
そんな美しい渡り鳥を、
僕は籠に入れようとは思わないよ。
ある日突然帰ってきて、
旅の話を聞かせてくれればいい。
それなら何度だって、
疲れた羽を休めるための枝になろう。
「ずっとここにいてくれ。」
なんて言わないから。
僕はずっとここにいるから。
次の旅までの時間、
僕の肩にいてほしい。
自由に飛べるからこそ、
留まらないからこそ、
君は素敵なんだ。
美しいんだ。
。