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作者: 斉藤竜次郎

詩人でカメラやってるトイ先生(美人)から写真を借りて、

そこで思いついた話を書いてみました。

もう半年以上前になるかな?


これから益々個人の思想が大切になってくると思います。

ダイバシティ?多様性?

あらゆるものに正解が無くなった現在、

自分の中の正解を求めて生きることが

少なからず幸せにつながるのかと思います。


写真を見てたらそんな気持ちと重なって出来ました。


写真が思うように載せることが出来ませんでした。

もし見たい方は外部になりますがこちらから。

http://blog.livedoor.jp/toy_1116-picture/archives/50932441.html

頭にくるくらい才色兼備ってやつです。

 「ねえ、酸素って本当は毒らしくって、とりすぎると良くないんだって。」

 なんでそんな話になったのか覚えてないけれど、直樹の気を引こうと自分でも恥ずかしいくらいの甘えた声であたしは言う。シーツで身体を隠して、彼の胸にはえた薄い毛を指で弄ぶ。

 「でも俺たちってそれで生きているんでしょ?」

 そこまで興味はないと言いたげに直樹はテレビのリモコンを片手に画面をカチャカチャと変えていく。

 確かにそう。あたし達はそれを吸って生きている。そうだけれど、違うの。

「ねえ、もっとあたしを見てよ。」

そんなことあたしは言わないけれど、直樹の気を引こうとあたしはいろいろ考える。


 「ああ、こいつ死刑確定したんだ。」

 綺麗な顔をしたニュースキャスターが、何年も前のテロの実行犯の死刑確定を伝えている。

 「こんなのとっととぶっ殺しちまえばいいのに…。」

 あたしもそう思う。全てを見透かしたかのような薄笑いの犯人。洗脳されているってことだったけれど、結局彼の頭から洗脳はとかれなかったらしい。自分の死を前にして、この犯人は今でも薄笑いのままなのかしら。

 カチリと画面が変わって、最近売れている芸人が映る。ふざけた話のなかで、ようやく直樹がポツリとつぶやく。

 「なあアユ、今月ちょっと厳しいんだよね。」

 少しくぐもった低いトーン。あたしは直樹のこういう声を聞きたくない。直樹は優しいから、いつもギリギリまであたしには相談しないから、もっとはやく頼ってくれればいいのに。あたしは直樹の為ならなんだってするのに。この間ミキに直樹のことを始めて話したら、「アユ、あんた絶対だまされているからやめな。」だって。そんなこと絶対に無いのに。相変わらずミキはわかってない。人を信頼することが出来ないから、あの子はいつも孤独で不幸なんだ。ミキには永遠に直樹の優しさがわかるはずも無い。

 「ごめん。本当ならアユに仕事をあがってもらって、俺が養ってあげるはずなのに。もう少し、もう少しだけ待ってくれないかな。」

 透き通った瞳で直樹はあたしを見つめる。そう、あたしだけをみてよ。

 

最近になってわかったことがある。人の幸せなんて人それぞれ。自分の世界を好きに生きたもの勝ち。たとえ酸素が毒だとしても、それで幸せに生きられるのなら、毒でもなんでもかまわないじゃない?

被害者には気の毒な話だけれど、死刑囚は薄笑いのまま刑を迎えるのだろう。コツコツと足音を立てて潔く。彼にとってはそれが幸せなんだ。

 

「直樹大丈夫だよ、心配しないで。今月はあたしが何とかするから。」

 カーテンから漏れる光がシーツの上の埃をクルクルと輝かす。あたしは直樹の薄い胸に手を置いて、口元に近づきキスをする。あたしだけを見てもらうために。あたしが吐き出す毒で直樹を占めるために。


いろんな方からのご意見頂けたら助かります。


また意見いただいた方がどんな方か知りたいので、

サイトなどある方なら遊びに、

小説等書かれている方なら未熟ながら評価させていただくこともあるかと思います。

その際は自分は口が悪いのであまり気にしないで下さい!

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