コフィア、オレオレ詐欺に立ち向かう
前回は手袋を女子中学生から奪おうとしたチンピラを、スペシャルシルバーブレンドキック(?)で打ち倒したコフィア。
まだまだ寒い冬は続く。
ホットコーヒーはブラックがやはり美味い。個人の感想である。
地球温暖化の影響により、夏が異常な暑さになったり、暑い日が例年よりも長くなっている。そして、冬の寒さも、時期がずれてしまったり、暖冬かと思ったら急に寒くなったりと、日々過ごすのも中々大変だ。
でも、そんなことは特に気にしないで、困っている人を見たらほっておけないやつがいる。
彼の名は……あ、男性でいいんだっけ。まぁいいか、彼の名はコフィア。珈琲ライダーコフィアと言う。
なぜバイクにも乗ってないのにライダーと名乗っているか。それは本人いわく「なんとなくカッコいい」からだそうだ。
ん? またどこかで助けを呼ぶ声が聞こえるぞ。
「誰か……お願いします、助けて……ください……」
ん? 何か弱々しい声ですね。よく見ると80歳前後くらいのお婆ちゃんが、道端で周りの人に助けを求めている。でも、みんな足早に過ぎ去っていって、お婆ちゃんの声には耳もかたむけません。
「孫が……孫が大変なことになっていて……誰か……」
「ドリップ! オン!」
出た。このかけ声は変身する時の声なのか、それともただ気合いを入れてるだけなのか。すでに姿を現した時は仮面をかぶっているのでわからない。珈琲ライダーコフィアの登場だ。
「誰かが私の助けを呼んでいる。この微かな声はまるで、せっかく淹れた熱々のコーヒーが、時間が経ってしまい、冷めるばかりかちょっと渋くなってしまった時のように切ない」
例えがわかりにくい。そのうえ長い。コフィアは少々めんどくさい性格のようだ。コフィアの不思議な…というかちょっと普通ではない格好に、お婆ちゃんも少しビビっている。コフィアの姿は前回のエピソードを参考にしてほしい。
「あ、あの……私の孫が困っているんです。急に50万円を用立ててくれって、私の携帯に電話がかかってきて」
「むっ! それは……」
もしかしてオレオレ詐欺なのか?どうするコフィア?
「お孫さんとはどこかで待ち合わせているのかな?」
「あ……その広場の噴水前で、知り合いにお金を取りに行かせるからって言ってました。ただ、すぐにはそんなお金用意できなくて。あぁどうしよう……」
完全に怪しいよね。でも、電話の相手をお孫さんだと信じて、焦っているおばあちゃん。
「とにかく私も一緒に待ち合わせ場所で待ってみよう。ちなみに私も現金は持ち合わせていない」
偉そうに言うことじゃないね。と、噴水前で珈琲を飲みながらお婆ちゃんと待っていると、20歳前後のサングラスをかけた男性が真っ直ぐお婆ちゃんのところへ歩いてきた。
「あ、ひとみ婆ちゃんですか? お孫さんの親友のヒロシです」
「あ、聞いてた友達だね。ごめんね、せっかく来てくれたんだけど、すぐに持ち合わせがなくて。一週間後には年金が入るから少しは持たせてあげられるんだけど」
「えっ! 今ないの? 一円も? そりゃ困るんだけどな……え〜」
お婆ちゃんと男の会話にコフィアが割り込む。
「ちょっといいか。まず珈琲を飲んで落ち着け。今日は少し苦味とコクがある、サングラスの君にぴったりの一杯だ」
どこから出してきたのか、今日はコンビニで買うような紙コップにフタをした容器を差し出した。
「え、誰あんた……ま、まぁ寒いから珈琲いただくよ……あつ〜っ!! これ熱々なんだけど……」
「珈琲の一番美味しい時はな、淹れたての熱々な時なんだよ。いいから飲め」
「あつっ! うん……おっ……。うんうん……美味い……」
素直に珈琲を飲むサングラスの兄ちゃん。
「どうだ美味いだろう。珈琲も恋愛も熱々な時が一番なのだ。知っていたか?」
そんなことは誰も聞いていない。
「あぁ……そうだな……あのさ、婆ちゃん。ちょっと聞いてくれるか?」
「え、どうしたんだい?」
「俺……実はあんたの孫の友達でもなんでもなくて……オレオレ詐欺のグループの、お金を受け取る役をしてるだけなんだ……ごめん、騙して……」
「えっ! オレオレ詐欺!!」
サングラスの兄ちゃんは詐欺グループの末端の人間だったらしい。まぁ確かに怪しいよね。
「この珈琲飲んで。あったまったら……なんか心がじわじわって温かくなってきて。俺こんなことしてちゃダメだって……気づいたんだ」
「おい、いいかお前」
「え、どうしたの? 変なカッコの人」
「珈琲をドリップしたあとのカスは、よく乾燥させると消臭剤にもなるぞ! では、さらばだ!」
「えっ、消臭剤?」
なんだか今日は急いでいたようだ。もしかすると、文字数が多くなり過ぎるのを気にしたのかもしれない。
「結局あの人誰だったんだろう……」
そう、今回は全く名乗っていなかったのだ。それに誰も聞きもしなかった。
今日は秘密の珈琲ライダー、明日はちゃんと珈琲ライダー。ん? バトルはあるのかって?
そんなことは知らない。いつか成り行きで戦うこともあるかもしれない。
つづく。
しぶとくつづく……。
今回文字数が1000文字を大幅に超えてしまった。申し訳ない。
そのぶん次回のコフィアは300字くらいになるかもしれない。
その時はよろしく頼む(何を)。
ちなみに、毎回ラストにコフィアが披露しているのは珈琲豆知識だ。那内さん、使わせていただきましたーw




