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88話 今後の事

 トライソンがその場から消えた数分後、ようやく落ち着きを取り戻したマッハがどっかりとその場に腰を下ろした。

 トライソンの登場で一時的に周囲の花が元通りになるというハプニングが起こっていた物の、それは既に解消されており、今は花粉なんて気にならないようで普通に地べたに座っていた。

 ケルヌンノスやイシュタルもトライソンが再び攻めてこない事を半ば確信したのか、マッハに習ってヨイショと腰を下ろし、未だにどこかビクビクしているヒナを宥める。


 当のヒナ本人はトライソンの事を本当に知らないのか、もう一度自身の記憶に交えて確認するも答えは出てこなかったのか、その範囲を日本史シリーズの剣をメイン武器にしていたプレイヤーにまで広げてみる。


(日本史シリーズって、ほとんど対プレイヤー用で評価はそこまで高くなかったけど、それって逆に言えばディアボロスみたいなとこに入ってる人なら歓迎すべきこと……なのかな? うーん……そうだとしても、私あそこの人とは関わりないからなぁ……)


 仮にも魔王として恐れられていたヒナは、ディアボロスの面々に狙われる可能性はあったもののギルドに勧誘されるという事は終ぞとしてなかった。

 無論誘われたとしてもノータイムで断っていたか無視を決め込んでいただろうが、彼らのギルドマスターに関してはその知識を持っている。なにせ、あのアーサーとイベント等で戦っている所を見た事があったからだ。


 ただ、その人物は自分と同じ魔法使いだったような気がするので、今回の件からは除外して良いだろう。


「ヒナねぇ……? どうかした?」

「……ん? あ、あぁ、ごめんね、ちょっと考えこんじゃった」


 ケルヌンノスが不安げにそう聞いてくるので、心配させないようにニコッと微笑んで自分も彼女達の対面にちょこんと座る。

 さっきあんなことがあって、自分の事を誰よりも大切に想ってくれている彼女達が心配しないはずがない。なので、ヒナは彼女達が本当の意味で安心するまではちょっと無理してでも明るく努めようと心に誓った。


「ん。今はあのムカつく女について考える時。トライソンって名前、ほんとに記憶になかった?」

「うん、そんな名前の人は知らない。ラテン語とかフランス語とか言ってたけど、私にはそこら辺の知識が全然ないから……」


 英語ですらままならなかったし、現代には万能とも思える翻訳アプリ等が数多く存在していたので、外国人と話す機会に恵まれたとしてもそこまで困る事は無かった。

 それに、頻繁に旅行に行っていた頃は両親がその手の面倒ごと……と言って良いのかはともかく、外国人に道を尋ねられるといった事への対処をしてくれていたので、ヒナ自身があまりその手の勉強をしなかったことも関係していた。


 いくら最新のAIがその頭脳を支配していたマッハ達3人も、今ではその限りではないのでラテン語やフランス語でトライソンが何を示すのか。そう問われてパッと出てくるほど万能ではない。


 仮にこの世界でその手の話題について答えられる人物が誰かと言えば、まず間違いなくマーリン以外にいないだろう。

 仮にトライソンがディアボロスのメンバーだったとすれば、ディアボロスと縁遠かったヒナよりも有用な情報を持っているだろう。


「それより問題は、私はマッハねぇに向けられた魔法の存在を予期できなかったところ。事前動作も詠唱も無しに、アイツが魔法を使った事にある。あれじゃ、また会った時に対応出来るか分かんない」

「あ~、それ分かる! 私も、あいつと刀合わせた時に感じたけど妙な違和感感じたんだよ! なんか銅像斬ってるみたいな、物言わない物体と相対してる感じ! 山を斬ってるっていうか!」

「……マッハねぇ、そんなに色々言っても余計に分からなくなるだけ。例えるなら一つに絞って」

「え~……じゃあ山!」


 なんでそんなに適当なのかと思わずため息を吐いてしまったケルヌンノスだったが、実際のところイシュタルやマッハを責められるかと言われるとそうでは無い。なにせ、自信も秘密裏に『死霊の目』というスキルを発動させ、女の動向についてはヒナやマッハと同様気にかけていたからだ。

 ヒュプノスの早すぎる行動すら目に見えたというのに、トライソンの時はその動きを察する前にヒナが防御魔法を発動させた。一瞬困惑し、その直後に爆発が生じた事で混乱したのは彼女も同じだったのだ。


 一方のマッハは、相対していたからこそ分かる不信感という物に服や顔に花粉が付着した時以上の不快感を覚えていた。

 仮にあのまま首を斬っていたとしても絶命していたかどうか……いや、そもそも刃が通ったかどうか、怪しい物だ。


 こればっかりは剣士の勘というしかないが、あの女にはヒナの持つ奥の手でなければ目に見えるダメージを与えられないのではないかという妙に確信めいたものがあった。


「ヒナねぇ、なにかそういう類のアイテムとか魔法、スキルってある?」

「そういう類……? 存在感を増したり、事前動作なしで魔法を発動するって感じの奴?」


 イシュタルの問いかけにヒナがそう答えると、彼女はコクリと頷いて肯定する。

 自分では分からずとも、ヒナなら何か分かるのではないか。その希望を込めた視線に、ヒナは少しだけ居心地悪そうに首を横に振った。


「ラグナロクでは元々、呪文を唱えなきゃ魔法を使用できないなんて設定は無かったから、その手の魔法やスキルは存在しないよ。アイテムとかでクールタイムを無効にする手段はあるけど、それはあくまで魔法やスキルの発動に対するボーナスっていうか、強力なそれらを何度も発動出来るようにするための処置だから。それより――」


 そこで一度言葉を区切ったヒナは、どう言えば皆に分かりやすく伝わるかを考えるかのように、一度口にしようと思った言葉を頭の中で反復させる。

 そんな事が本当に起こり得るのか、もう一度よく考え、可能性だけならあるかという同じ結論に至り、すぐさま言葉にした。その間、わずか1秒。


「それより、あれはあの人個人のプレイヤースキル……とはちょっと違うか。技術なんじゃないかな? ほら、ま~ちゃんの刀捌きみたいな感じの」

「……無詠唱で魔法を発動出来るのは、修行とかで身に着ければ誰でもできるってこと?」

「そうなんじゃない? ラグナロクにはそんなシステムなかったけど、この世界にはそんな設定無いでしょ? ほら、魔法も重ね掛け出来るし」


 こういうのを『システム外スキルって言うんだよ!』と楽しそうに言ったヒナは、まだゲームを始めたばかりの頃にやっていた事を思い出していた。


 システム外スキルとは、例えばプレイヤーの持っている知識や判断力の事を言う。

 原則的には違うかもしれないが、少なくともヒナのそれは常人よりはるかに優れていた。


 ヒナはゲームを始めてすぐに現時点で存在している魔法やら何やらを全て暗記する事から始め、どの魔法を取れば序盤に効率よく進められるか、それだけを考えてプレイしていた。

 それから中盤はどんな魔法を、終盤は……という具合に、その都度必要な魔法やスキルを効率よく入手していきながら、膨大なプレイ時間と潤沢な資金のおかげで瞬く間に上位プレイヤーの仲間入りをしたのだ。


 それから彼女が“ただの”上位プレイヤーからトッププレイヤーとなる為にやった事。それは、モンスターやプレイヤーを相手に戦う時に必要な判断力をひたすらに上昇させる事だった。

 その方法は、当時最難関とされていたボスモンスターをひたすら狩り続けるというなんとも脳筋らしい答えだったが、それを1か月近く永遠と繰り返しているうちに、彼女はいつの間にかトッププレイヤーと呼ばれるまでに成長していたのだ。


 話が逸れたので本筋に戻すが、彼女がシステム外スキル云々と言ったのはあくまでも分かりやすいから言葉そのままの意味で捉えられる事を言っただけだ。

 魔法を無詠唱で発動できるというのがどんな意味を持つのか、存在感を上げただけで何が変わるのかなんてのは分からないが、少なくともマッハ達相手には効果があったという事だ。


「魔法を発動する時って、使うって思うだけで使えるでしょ? それを、私達ってまだ意識的に何を使うかわざわざ言葉に出してる……とかじゃないの? いや、知らないけど……」

「……一応筋は通るけど、それだとちょっと面倒。事前動作が無い分、あいつと対峙する時は基本的に未来視の奴使ってないとダメって事になる。疲れない?」


 この中で例の未来視を使えるのはヒナだけだ。それを危惧してケルヌンノスが心配そうに尋ねるが、ヒナとしてはそれくらいで皆の安全が買えるなら安い買い物だった。

 それに、いくら未来視と言っても見ようと思わないと見られないし、辛くなればそういう設定――未来を見る事が出来る――を持っている召喚獣を呼び出して警護して貰えば良い。

 幸いにも、その手のモンスターには心当たりがあるので、限界が近くなればその子に頼ればいい。


「じゃあ次。マッハねぇ、あいつに勝てる? というか、それが一番大事なとこ」

「んぁ~? わかんない~」

「……わかんないってなに」


 姉のその責任感の欠片も無い返事にちょっとだけムッとしつつ、ケルヌンノスはヒナへと視線を向けた。言葉では言わない物の、彼女にも勝てるかどうか聞きたいのだろう。

 それを正しく理解したヒナは、力強くコクリと頷いた。


「この子がなくとも、相手が魔法使いなら多分負けないんじゃないかな? 暗殺者っぽいけど、ま~ちゃんみたいな純粋な剣士とかじゃないならそこまで攻撃力は高くないだろうし。少なくとも、たるちゃんが傍に居てくれたら絶対負けないかな」

「流石ヒナねぇ、頼りになる。で……マッハねぇはなんでそんなに自信なさそうなの?」


 ソロモンの魔導書を大事そうに撫でながらそう言ったヒナに満足そうに頷いたケルヌンノスは、未だに天を見上げながらうーんと唸っている姉を見やる。

 その瞳には若干侮蔑の色が浮かんでおり、自分でも勝てると即答できる相手に対して自信が無いというのは少しだけ情けなかった。


 しかし、ケルヌンノスのその視線と内心を見透かしながらも、マッハは素直にうんと頷くことが出来なかった。


 あれは、相対してから初めて分かる異様さと言った方が良いだろう。

 直前までまったく敵意を見せなかった事と言い、自分ですら彼女の攻撃に気付けなかった点と言い、捉えどころのないそのあやふやな存在感と言い……その全てが不気味だった。

 もちろんヒナが彼女に勝てるという話をマッハ自身は疑ってもいない。むしろ、ヒナが誰かに負けるなんてことは想像すらできないのでそれは良い。


 問題は自分やケルヌンノスなどの、ヒナほど圧倒的な力を持っていない存在だ。

 この際ヒナがおかしいだけという大前提は置いておき、もしも今回、相手が神の名を冠する武器を持っていて、ヒナが攻撃に気付けていなければHPの大部分を削られていたかもしれないのだ。その初めて経験する恐怖に、マッハの心はシェイクのようにかき混ぜられていた。


「なんかさぁ、まともに攻撃が入らないような気がするんだよなぁ……。仮に私の奥の手使ったとしてさ、それであいつが殺し切れるかって言われると分かんない。もちろん深手くらいは負うだろうけど、なんでか絶対に殺し切れるっていう自信が無い」

「……それは、マッハねぇ1人で戦った場合ってこと?」

「そう。ほら、私らって基本的にヒナねぇが情報集めてくれたから、相手の事をほとんど知った状態で対人戦に挑むことが多かっただろ? 今回、それが無いせいで自信が無いのかもしれない」


 対人戦において情報というのは重要だ。

 事前に相手にどれだけ情報を掴まれるか、また掴むかで勝敗が決まると言っても過言ではなく、相手の装備などについての情報が揃っていればそれを対策した作戦が取れるし、わざと偽の情報を掴ませてミスリードする等の戦略も取る事が出来る。


 モンスター戦においてはまた別として、たまに起きていた対人戦については事前にヒナがその兆候を感じ取り、全てを調べてマッハ達に事細かに指示を出していたので難なく切り抜ける事が出来ていた。

 しかし、今回に限ってはその圧倒的なアドバンテージが無い事がマッハの不安を煽っているのではないか。そう説明したのだ。


 もちろんマッハ本人としてはそんなことを欠片も思っちゃいないし、誰であろうと勝てるだろうという慢心めいたものがあるのは事実だ。

 しかし、ことトライソンに至ってはその絶対の自信をなぜか抱けないでいた。

 その理由は、未だにマッハにも分からない。なので、とりあえず妹に分かってもらうためにそれっぽい理由を述べたのだ。


「まぁ確かに、ま~ちゃんの言う事には一理あるよね。カスタムされた装備は私でも何か分かんないし、こっちの世界にはブログとかSNSとかが無いから情報を集める事も難しい。そういう意味じゃ、相手は私達の装備の事とか色々知ってるだろうし……」


 有名だと言うのは、それだけで情報的なアドバンテージを捨てているという事でもある。

 もちろん相手の事を同じだけ調べつくせばイーブンには持ち込めるし、両者に圧倒的な力の差があれば難なくねじ伏せる事が出来る。


 しかし、事今回に至っては魔王という自身のネームバリューが大きく足を引っ張っていた。


 魔王が愛用している武器のイカれた性能はプレイヤー間でもかなり有名な話だし、魔王が愛用している装備等についてもその効果の程から大体の予想は付けられている。

 それは当然、魔王が常時引き連れてる3体のNPC達についても同様で、フィールド上の目撃情報やらイベントでの戦闘シーンからの推測で大体の予想を付けられていたりもする。

 その効果の程が不明瞭なのはマッハの着用している神の名を冠する武器以外からダメージを受けないという物だけだろう。


「本気で装備替え考える? 一応、カスタムしてある装備はまだあるよ?」


 彼女達は鎧なんて厳つい物は絶対に着用したくないだろうし、ヒナ自身も可愛くないのでそんなものは着せたくなかった。

 しかし、全ての装備をカスタムするのは単純にお金の無駄なので、以前までメイン装備として使っていた装備の数々や、性能がかなり高い予備の装備や武器などは、念のため好みの物にカスタムしていた。


「いや、多分それはしなくて良い。私達の装備の組み合わせはヒナねぇが考えて最善だと決めた物。それを安易に変えると、情報的な面ではイーブンに立てるだろうけど、性能が落ちるのは避けられない。なら、単純に力でねじ伏せる方が良いと思う」

「けるに賛成~。下手に装備変えて足元掬われるより、今のままの方が良いと思う~。それに、この服気に入ってるし」

「私も、今のままでいい」


 3人がそう言うので、ヒナとしては分かったと頷く他なかった。

 純粋に3人を着せ替え人形にしてはしゃぎたかったので、その大義名分になるかもしれないと若干期待していたのだが、その夢は叶いそうもない。


「じゃあ、冒険再開する? 休憩は終わりにしてさっ」

「賛成~! まだ終わってないし、下の階層があるかもだし!」

「ん、私も。まだ戦い足りない」


 その後に続くと思われたイシュタルだったが、1人深刻そうな顔をしてマッハに泣きそうな顔を向けた。

 そして、おもむろに立ち上がるとぺこりと頭を下げる。


「マッハねぇ、ごめん……。後衛の私がしっかりしてたら、マッハねぇが危険に陥る事は無かった……」


 ダメージは無かった。結局無事だった。そんな言葉では済まされない失態だった。

 イシュタルがヒナに任されている役目は、この場にいる全員のサポートだ。

 ダンジョンではほとんどその役目が無いと言っても、神との戦いではそうでは無かったように、彼女の存在は4人の中でもっとも重要、心臓部と言っても良かった。

 それをしっかり理解していたはずなのに、イシュタルはあの瞬間油断した。


『私がお姉ちゃんのことを、世界の誰よりも愛していて、大好きで、狂おしいほど好きってことだよっ!』


 そう言われ、この人は敵じゃないと一瞬でも考えてしまったことが原因かもしれない。


 いや、マッハも含め、ヒナも直感的にあの攻撃を察知しただけで、自分の実力不足という事では無い。ただ、イシュタルはあの瞬間、間違いなく油断したのだ。

 これでもしもマッハが重傷を負ってヒナが悲しむような事態に陥っていれば、彼女は自死を選んだかもしれない。それくらい、責任を感じていた。


 4人の心臓たる自分が、一時でも気を緩めて良いなんてことは絶対にない。

 ただでさえ、最近ヒナを連行されるという大失態を演じていたのだ。今回彼女に襲い掛かっている罪悪感や後悔、その他の負の感情は通常の何倍も強烈な物だ。


 しかし、マッハはそんなことなどまるで気にするなと言いたげに、それでいて若干責めるような絶妙な調子で言った。


「次からは頼むぞ~?」


 安易に慰めの言葉をかけられるよりも叱られた方が良い。その方が気持ちが楽になる事はある。

 でも、この場にいる誰も怒られたいとは思っていないし、それを極端に嫌う傾向にある。

 もちろんヒナもそうだし、彼女をベースに作られたマッハだってそうだ。


 ただ、同情される事だって人並み以上に嫌いなので、マッハはあえてそれだけを言う事にした。

 この問題はイシュタル本人が自分で解決しなければならない問題であって、外野がどうこう言っても解決する問題では無いから。


「……ありがと、マッハねぇ」


 その、同情でもなんでもない、純粋な気遣いと思いやりに感謝を述べたイシュタルは、心配そうに見つめていたヒナにニコッと笑うと、冒険の再開に賛成を示した。

 次は絶対に失敗を犯さぬよう、常に気を張っていよう。そう決意――


「じゃあ暇だしさ、またしりとりしない?」


 能天気にそう言ったヒナに、思わずクスっと笑ってしまったのは仕方が無いだろう。

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