33話 才能
エリンがヒナと共に一夜を過ごした翌日、5人は昼前にヒナが寝ていた部屋に集合すると、昨日と同じように円になって座り、一応の礼儀としてエリンの家の事を心配する。
心配というよりも、あからさまに帰るなという思いを乗せて「家の方は?」という言葉をかけただけだが……。
ケルヌンノスの分かりやすい態度に苦笑しつつ、彼女はニコッと笑みを向ける。
「今日の夜には帰るけど、それまでなら大丈夫!」
昨日帰らなかった事で騒ぎになっている可能性は……いや、十中八九騒ぎになっているだろうが、まだ十分誤魔化せる範囲だろうし大丈夫と自分に言い聞かせる。
なにより、この人達とまだ一緒にいたいという、生まれて初めてのワガママを、もう少し堪能したかった。
「ん、なら良い」
「けるがそんなに嬉しそうなの珍しいよな~」
「っ! マッハねぇ、うるさい」
ハムスターのようにぷくっと膨れたケルヌンノスがマッハの肩をバシッと叩き、その様子を微笑ましそうに見ていたヒナが思い出したように「あっ」とこぼす。
髪をとかしていた彼女は、ベッドの横に備え付けられているテーブルにポンと置かれたテミスの教本をジッと見つめ、少しだけ迷った上で勇気を振り絞って口に出す。
「ねぇ、もし良かったらさ……皆で冒険に行かない?」
この街にある城は拝めたし、さらに近くでその威容を見てみたい。そんな欲求はあるけれど、どうせ叶わないのだから無い物ねだりしても仕方がない。
なら、もう一つの目的であった例のダンジョンに潜りたいと昨日の夜から考えていた。
ただ、今はエリンという実力未知数……いや、もしかしたらまったく戦えない少女がいる。
この子の内にはここに来る前の自分と同じような闇があるような気がしてならないヒナだが、本人が何も言わないなら突っ込まないと決めていた。
なら、イシュタルがいるおかげで身の安全はほとんど保証されていると言っても過言ではない今、思い出作りをしたいと思ったのだ。
エリンとは仲良くなれたと思っているし、なるべく長い間一緒にいたいという思いもある。
しかし、彼女にも家の事情があるだろうし、どれだけ闇を抱えていようとも「なら自分達が世話を焼きます」なんて言っていいはずもない。
それに、2日前に初めて会ったような少女を自分の家に招こうなんて、それこそ危ない人の思考だ。
なら、エリンとの付き合いは自分達がこの国にいる間のわずかな間という事になる。せっかく仲良くなったのだから、思い出くらい作りたい。
友達が居たことの無かったヒナはもちろん、この世界に来て一番仲良くなったと言っても過言ではない少女との思い出。マッハ達3人も、作りたいと思っているはずなのだから。
「……良いかも。エリンに、私達のカッコいい所を見せられる」
「別にカッコいいとこなんて見せなくても良いと思うけどなぁ~。階層ボス以外じゃ、私出番ないもん~」
「ダンジョンは……確かにあり」
「だ、だんじょん……?」
困惑している様子のエリンに、ヒナが言っている冒険とダンジョンについて軽く説明したイシュタルは、自分が必ず守るから一緒に行こうと力説する。
ヒナ達と一緒にダンジョンに行ってもあまり出番のない彼女は、守るべき存在が居て初めてその役目を十分に果たせる。
だが、別に彼女を口実に使おうとしている訳では無く、純粋に友達と一緒に冒険し、その身を守ってカッコいいところを……というケルヌンノスと同じ思考が働いているだけだ。
マッハの言うようにカッコいい所なんて見せなくともエリンは3人の事が気に入っているし、それなりに好きにもなっている。
ヒナの事は師匠以上とはいわずとも、この世で2番目に好きと言っても過言ではないし、マッハ達3人はヒナの次に好きというくらいには好意的な感情を持っていた。
カッコいい所なんて見せなくても好意を寄せているのは間違いなく、カッコつけたいと思うのは、単純にちょっぴり見栄を張りたいだけだ。
「へぇ……そんなところがあるんだ」
「ん、結構楽しい」
「そうなんだ……。でも、ひとつ言っていい?」
怪訝そうに首を傾げたケルヌンノスに向かい、エリンは渾身のドヤ顔を浮かべてえへんとその薄い胸を張る。
「私、結構戦えるんだ~! 多分、皆より強いから!」
「……」
エリンは130年ほど前に暗殺された初代王の側近だった人を母方の祖母に持ち、父方の祖父は誰あろう初代王その人だった。
この国の武力が他国より勝っているのは、彼女のように初代王やその側近の血を引き継いでいる者達が軒並み強力な力を保有しているからだ。それこそ常人の何倍もの魔力と身体能力をその身に宿している彼らは、この世界の人々より一歩先を行っていた。
そんな破格の肉体に加え、彼女は祖母自身に魔法を指南され、自分しか使う事が出来ない転移魔法を行使できる。
そんじょそこらの人には負けない程、魔法の実力を備えているのだ。
兄や騎士団にはその本来の力を見せずに無能として扱われているが、ヒナ達の前では隠す事も無いだろう。
仮に強大な力を見せても、彼女達なら周りの大人達と違って自分を忌避することなく受け入れてくれる。そんな、確信めいた妙な物があった。
だが、エリンに返って来た反応は、彼女が想定していた物とは全く違う物だった。
「それは無い。私達の方が強い」
「……え?」
ケルヌンノスの自信に満ち溢れたその瞳には確固たる自信が沸々と湧いているのが見て取れる。
兄達のような過剰な自信や慢心からくる余裕ではなく、彼女には正真正銘の『強者の余裕』という物が備わっていた。そう、まるで初めて会ったあの人のような、絶対的な自信が。
それに同調するように、マッハもコクコクと頷いた。
「だなぁ~。もし仮にエリンが私らより強かったら、その時はヒナねぇの隣をもう一日だけ譲っても良いってくらいには自信あるな!」
「……そ、そんなに?」
「そんなに! それに、私はじゃんけんでも、多分負けないぞ?」
昨日1回でまんまと負けてしまった妹2人を煽るようにニマーっと笑みを浮かべると、本当かと訝しげな顔をするエリンに勝負を仕掛ける。
その結果は……
「マッハねぇ、ダサい」
「ださいね。負けたじゃん」
「……な、なんかの間違いだ!」
悔し紛れに「もう一回!」と叫んだマッハが数秒後に惨敗し、ガクッと肩を落とす。
それを見てスッキリしたように笑ったケルヌンノスは、エリンに改めて向き直ると「なら、行く?」と少しだけワクワクしながら問いかける。
まるで宿敵と勝負する事になった少年漫画の主人公のような好戦的な笑みを浮かべられ、マッハから「自分達より強ければヒナの隣をもう一度独占できる」と言われれば、彼女に断る理由は無かった。
「うん! いこ!」
「やる気……。ここまでやる気だと、少しだけ不安……」
「マッハねぇ、ほんとにエリンが私達より強かったら、恨むから」
絶対にそんなことは無いと思いつつも、イシュタルは未だ拳をプルプルと震わせながら負けたことに本気で落ち込んでいる己の姉を見やる。
彼女が余計な事を言わなければ、今夜は自分かケルヌンノスがその隣を独占するはずだったのだ。
絶対に……いや、100%無いとは分かっているが、もし本当に自分達よりエリンが強いとなれば、それが1日遅れてしまう……ばかりか、自分の番が回ってくるまでに家に帰るような事があれば、彼女は数日拗ねる自信があった。
一方のエリンも、イシュタルに悪気は無いと知っているが、そこまで言うなら彼女達もそれなりに強いのだろうと考えを改めていた。
少なくとも、自分と同じように兄くらいならばなんの苦労もなく捻り潰せるだろうくらいには……。
(そんな人、私が知らないだけでこの世界にはまだまだいるのかな……)
少しだけ不安になりつつも、いそいそと準備を終えて部屋から出ていく4人の後を、置いて行かれないようトコトコと着いて行く。
一応ギルドマスターであるペイルに例のダンジョンに行く事を告げ、今日の夜には帰る事も言っておく。万が一にも行方不明扱いなどにはならぬように。
「ここからあの村まで、目算で2時間ちょっとはある。乗っていく?」
「走ろうぜ~? ほら、ヒナねぇがけるとたるおぶって、私がエリンをおぶっていけば、10分もしないで着くだろ?」
霊龍に乗って移動する事がどうしても嫌なマッハは、苦し紛れにそう言う。
この中で音速を軽く超えるような速度で走れるのは、剣士であるマッハと俊敏性を大幅に上げる装備を身に着けているヒナだけだ。
もちろんケルヌンノスもそれなりの速度で走る事は可能だが、2人ほどの速度は出ないし本気で並走しようとすれば2分もしないうちにその背中が見えなくなるだろう。
「私は良いけど……エリン、どう?」
「お、おぶって走るの……? それ、どういう意味?」
街の城門を抜けて平原へと出た彼女は、始めて見る外の世界の景色に少しだけオドオドしつつも、隣で遠慮気味な視線を向けてくるヒナを見つめる。
もちろん話を聞いていなかった訳では無いけれど、マッハやヒナの身体能力を知らない彼女からしてみれば、どんなに遠い場所だろうが走っていくのは無謀。そんな当たり前の結論しか出なかった。
だが、困惑を浮かべる彼女を無視し、霊龍を呼び出されたくないマッハはサッサとエリンをお姫様抱っこして「はっは~! おっさき~!」と調子のいい事を言って駆け出していく。
「きゃぁぁぁ!」
「ほらほら~、早くしないと見失うぞ~!?」
遠ざかっていくそんな2人の声――1人は絶叫を上げているが――にムッとしつつ、ケルヌンノスは地面に向けていた右手をひょいっと引っ込めると、ジッとヒナを見つめる。
その瞳には「早く追いかけよう」という感情がこれでもかと乗っており、イシュタルも同じような視線を向けてきた時には、もう彼女に断るという選択肢は存在していなかった。
「しっかり掴まっててね?」
「ん、行こう」
「道に迷ったら、ちゃんと私に聞いて。勘で突っ走るようなことはしないで」
ケルヌンノスをお姫様抱っこし、背中にイシュタルを背負いながら苦笑を浮かべた彼女は、一度ふぅと息を吐くと音を置き去りにして疾走を始める。
瞬く間に辺りに軽い衝撃波を発生させながら目にもとまらぬ速さで疾走し始めたヒナは、20秒も経たないうちに「道が分からん」と立ち止まっていたマッハを見つけて呆れ果てたのだが、それはまた別の話だ。
始めにダンジョンに行った時周辺の地理を確認し、霊龍に乗ってキャメロットへと向かっている間その道筋をしっかり見ていたイシュタルの活躍によって5人が無事にダンジョンへと到着したのは、街を出て20分後だった。
マッハにだっこされてここまで運ばれたエリンはそのあまりの恐怖と疾走感ではぁはぁと若干涙目になりつつ、ガクガクと膝を震わせていた。恐らく、今ヒナにその手を握られていなければ情けなく泣き出していただろう。
「帰りはヒナが良い……」
「わ、私でもそんなに変わらないと思うよ……?」
ヒナのスピードに合わせ、オマケにイシュタルのガイドが聞こえる範囲にいたのでそれなりに速度を落としていたマッハでこれだ。
彼女が最高速度で走っていた最初の10数秒は、彼女にとって軽いトラウマになっているだろう。と言っても、それをやらかした本人は反省する素振りすら見せず、あははと軽快に笑っているのだが……。
「良い……。ヒナが良い……」
「も~、しょうがないなぁ……」
言葉のわりに笑顔のヒナは、ケルヌンノスやイシュタルから危ない人を見る視線を受けている事に気が付くとごほんと一度咳払いをして無理やり誤魔化す。
別に変な事を考えている訳では無く、誰かに頼られるのが嬉しいだけだ。そう、誰に聞かせるわけでもない言い訳を心の中で並べつつ、以前に来た時と全く同じ様子のダンジョンを前に「行こっか!」と元気よく口に出す。
「ん。でもその前に、エリン……あなたは、何が出来るの? どこに配置するか、ちゃんと決めとかないといけない」
「な、なにがって……なに?」
「前衛なのか中衛なのか、それとも後衛支援なのかってこと! それによって、配置する場所変わるからさ」
エリンが夜になったら帰ると言っている手前、今回の冒険は自動的に以前攻略した階層を再び回るだけになる。
階層ボスの部屋まで行くかどうかはまだ未定としても、一応は適切な配置を決めておかなければ万が一の事態も起こり得る。
ブラックベアはヒナ達4人にとっては大したことの無い相手でも、エリンにとってもそうであるとは限らないのだから。
「い、一応魔法使いだよ? 剣も人並みには使えるけど、魔法の方が得意……かな?」
「ん、なら中衛。でも、最初は実力を見たいから前衛に配置する。もしもの時は私達が助けに入る」
「分かった! ちなみにさ……ヒナは、どこなの?」
その手の教本を見ながらもしかして後方支援なのか……そう残念がった彼女の心中とは裏腹に、ヒナが「中衛だよ~」と答える。
瞬く間にその顔が笑顔で彩られ、その場の全員が分かりやすい子だなと改めて認識する。
相変わらずその瞳には不穏な色が混じっているような気がするけれど、それはそれ、これはこれだ。
「じゃあ行こう~!」
ダンジョンの手前に用意されている松明をイシュタルへ渡しつつ、マッハが右手を突き上げて遠足に行く子供のようにはしゃぐ。
それに続き、いつもの陣形にエリンを加えた5人は暗いダンジョンへと入っていく。
「……あ! またご飯持ってくるの忘れた!」
ダンジョンに入って数分後、またしてもマッハが大声を出して頭を抱える。
今回はアイテムも無数に持ち込んでいるが、食料を持ってくることを忘れるという重大すぎるミスを犯していた。
しかも、彼女達が目を覚ましたのはお昼前。つまり、朝ごはんも昼ごはんも食べていないという事だ。
「……マッハねぇ、そんなこと言わないで。思い出してお腹が空く」
「わ、わざとじゃなかったんだ……」
食べ物を口にしてもすぐに吐き気を催す体質の彼女からすれば、食事は用意されるから食べる物であって目の前に無いのなら数日食べずとも問題なかった。
ヒナ達も似たような物なのかと思っていた彼女は、ここに来るまでなにも言ってこなかったのだが、少しだけ呆れたように苦笑する。
彼女がなにかを口にして吐き出さなかったのは、一昨日ヒナ達と初めて会った時に食べたどら焼きと、昨日4人と一緒に食べたシェイクスピア楽団という商会のレストランで食べた夕食だけだった。
「はぁ~あ! もうこうなったらさぁ、ブラックベアの死体から肉でも取り出さないか?」
「絶対獣臭いしヤダ」
「けるねぇに同意。あんなもの食べるくらいなら我慢する」
「えぇ……。はぁ~……」
がっくりと肩を落とすマッハを、今この時だけは隣を歩くエリンがなんとか慰める。
だが、そんな慰めも長くは続かず、目の前にブラックベアの群れが現れた事で中断される。
「……1人で、倒せる?」
後ろからのそんな声に、エリンはちょっとだけクスっと笑いつつ、魔力を集中させ始める。
本気で魔法を使うのは何十年ぶりだろうと思いつつ、これで彼女達より強いと認められればもう1度あの夢のような時間が待っている。そう思うだけで、自然と力が湧いてくる。
自分が使える最大威力の魔法を使い、あっと言わせてやる。そう思いつつ、目の前の4体の黒いクマへ魔法を放つ。
『炎帝槍』
燃え盛る直径2メートルほどの炎の槍がブラックベアの体を貫き、その体を瞬く間に灼熱の炎で包む。だが、それでは1体しか倒せないので、立て続けに同じ魔法を連発する。
かなり魔力を消費する魔法だが、魔力総量が特別多いのか、それとも自身に備わっている”2つ目”の特殊能力のせいなのかは分からないが、ともかく未だに魔力切れにはなった事は無い。
まだいくらでもこの魔法は放てる気がするという自信と共に、後ろで見ているはずのケルヌンノスを見やる。
「どう!? 私、凄いでしょ!?」
瞳をキラキラさせ自信満々にその反応を伺うエリンは、ケルヌンノスが驚いたように目を見開いていた事で勝ちを確信する。
しかし、その驚愕はエリンの想像以上の強さだけから来たものではなく、彼女がラグナロクに存在した魔法を使った事にある。
「エリン……もしかして、ヒナねぇと同じ……?」
「? 同じって?」
「……この世界の人?」
ケルヌンノスのその言葉の意味が分からず、頭に疑問符を浮かべて首を傾げる。
その姿で彼女がプレイヤーでは無いと悟った彼女は、自身の中に浮かんだ疑問を一旦頭の隅に追いやり、今度は自分の番だとばかりに先頭に立つ。
「あ、お手並み拝見だね!?」
「ん。勝負……」
容易くブラックベア4体を屠ったことから分かるように、彼女はムカつく狐ことムラサキよりも強い。だがしかし、それはケルヌンノスを含めた彼女達4人もそうなのでそこまで重く考える必要はない。
それに、さっきの魔法ならヒナだって使える。
その威力はソロモンの魔導書を持っていない今エリンの方が上のような気がしないでもないが、そこは良いだろう。
数分後、一行の前に再びブラックベアの群れが現れる。その数は先程よりも多い6体だ。
「ぐあぁぁぁ!」
大きな爪をギラリと煌めかせつつ吠えるブラックベアに向け、ケルヌンノスは右手を向けて魔力を集中させる。
生半可な魔法ではエリンよりも実力が上だと証明できないので、先程のものよりも威力の高い魔法を選択する。それでいて、後ろにいる面々に被害が出ない物となると……
『暗黒の地に巣くいし亡者共、彼の者達を地獄の底へ誘うがいい 暗黒の裁き』
魔法が発動した瞬間、ブラックベアの心臓が目に見えないなにかにグシャッと握りつぶされその命を散らす。
即死系の魔法で最大の威力を誇るその魔法は、中途半端な蘇生魔法くらいでは蘇生できなくなるという副次的な効果を持っていた。
これを受けた者は、プレイヤーだろうがNPCだろうが、最上級の蘇生魔法『輪廻転生』以外では蘇生できなくなる。
プレイヤーは数時間待てば近隣の街へ自動的に復活するのだが、戦いの最中は復活魔法を唱えて即座にその場で復活させるのが普通だ。
それができなくなるだけでも、この魔法はモンスターが使ってきたりPK時に使用されると非常に厄介とされていた。
だが、そんな側面がある事を知らないエリンは、純粋にその魔法の威力とケルヌンノスの見た目にそぐわない実力を目にして動揺し、身をブルリと震わせた。
しかしすぐに頭の中を整理すると、冷静に「ねぇ」と口にする。
「魔法使う時に変な事言ってたけど……あれ、なに?」
その瞬間、その場の空気がパリーンと凍り付いたのは言うまでもない。




