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迂闊探偵を殺さないのは難しい  作者: 黄鱗きいろ 赤柴紫織子
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第七話「黄鱗きいろ」

 名簿には客全員の名前が書いてありました。

 邪気智三。

 等々等期大和。

 魚囃子七男。

 この順にペンションを訪れたようです。

 なるほど。この順番も重要ですかね……?

「……ん?」

 ふと違和感を覚えた私は、名前の文字を指でなぞりました。

 並大抵の探偵助手ならば気付きませんが、私は諜報員としての訓練も受けたスーパー探偵助手なのでわかります。

 明らかに違う筆跡の三名。

 しかし、ペン先への力の入れ方が全て酷似しています。

 これは、全て同じ人間の手による筆跡です。

 つまり――この台帳はあとから誰かが全員分を書いたもの?

 一体何のために?

 訪れた順番を隠したいとかでしょうか。それとも、ここに書かれていてはまずいことでもあったのでしょうか?

「喪符松さん。この台帳は皆さんそれぞれの手で書かれたものですね?」

「え、はいそのはずですが……」

 副オーナーは知らないと。もしくは偽造した張本人でしょうか。

 少なくともこれでこの筆跡の一致が誰かの思惑によって故意に起こされたものだとわかりました。

 さてどうしたものか。手がかりはここで途絶えました。

 ……となるとやはりオーナーの死体を見聞するしかないのでしょう。

 忘れていましたがペンションの外は真夜中。ついでに嵐が直撃していて現在外界との通信は取れません。

 まあそれはいいのです。私たちにとっても好都合なのですから。

 六梨モキョの死体が公に見つかるのはあまりよろしくありません。

 なぜなら――死んでからきっかり六時間後にモキョは生き返るからです。

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