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迂闊探偵を殺さないのは難しい  作者: 黄鱗きいろ 赤柴紫織子
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第六話「赤柴紫織子」

 私は馬鹿モキョ先生のポケットからメモ帳を取り出します。

 魚囃子さんが「えっいいの」とか言ってましたがスルーしました。疑問のひとつひとつに答えるのは教師の役割で、探偵助手の役目ではありませんからね。

 イタリア製の高級なメモ帳です。頭にきますね。開くと汚え文字が並んでいました。

 ミミズがのたくって命乞いをした挙げ句に他のミミズを道連れにしたような酷い字です。常人はまず読めません。

 ですが賢い探偵助手たる私は特に苦もなく読み解けます。

 えー……と。なんだこれ? あ、これは鳥の落書きか……。

「5W1Hを意識しましょう。昨晩十一時。ペンションモブ共同冷蔵庫にて。音猫徹さんの首が冷えていました」

 心はさしてウキウキワクワクしませんでしたが。

「それを発見したのが――」

「わたしよ」

 喪符松さんがそっけなく言います。でも協力はしてくれるようですね。

「あの中に入れた夜食を取ろうとしたら、オーナーの首があったの」

 最悪ですね。

 私ならそっ閉じしています。

「5つに分かれていましたね。頭、胴体、両手、両足……。個室にはありませんでしたが、逆に言えば誰でも入れる場所に置かれていました」

「待ってくれ!」

 邪気さんが声を上げました。

「なんですか?」

「じゃあ、この中に犯人がいるのか!?」

「断定はできません」

 なにぶん不確定要素が多すぎます。犯人はいるのか、隠れているのか。

 先生のメモにもそこに触れています。下になにか書き足されている……『台帳』?

 ああ、ペンションモブの宿泊客を確認したいということですね。

「喪符松さん。ペンションモブの副管理人……と言っていましたよね?」

「ええ」

「宿泊客名簿を見せていただいてもよろしいですか?」

 それにしても、『ペンションモブ』なのにオーナーは『音猫』で、副管理人が喪符松なんですね。なんだかいやーな人間関係が潜んでいそうですが、どうか関わらず済みますように……。

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