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迂闊探偵を殺さないのは難しい  作者: 黄鱗きいろ 赤柴紫織子
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第四話「赤柴紫織子」

 さて……。私は死んでいる先生を横目で見てから前へ向き直ります。

 まずは情報の整理を行いましょう。聞き込みは探偵の基本ですからね。

「互いの名前が分からないのは不便ですね。申し訳ありませんが、お名前をお聞きしてよろしいですか? 私は、三橋みつばし蜂蜜はちみつ。探偵助手です」

 ここまではっきりくっきり名前を言ったのですからハニーさんなんて金輪際呼ばないでほしいです。

 私の前に並んだ皆さんは、ちらちらと次は誰が名乗るか伺っています。

「そちらの方からお願いします」

 次第に煩わしくなり、一番右端の人に声をかけました。なーに遠慮しているんですかね。時は金なりですよ全く。

「わたしは邪気智三じゃきともぞう……会社員だ」

「等々等期大和らららきやまとです。作家をしています」

「……喪符松もぶまついる子。このペンションモブの副管理人よ」

魚囃子七男さかなばやしななおです。ええと、今は仕事してないです……」

 ふむ。私は優秀なのでもう覚えられましたけど、モキョなんて名前が霞むぐらい濃いメンバーですね。

「まずは、昨日から今日にかけて何が起きたかについて共通の認識をしたいと思います。ここ、ペンションモブには皆さんどのような理由でお集まりに?」

「私は副管理人だからずっとここにいるわね」

「僕はここをよく利用しています。執筆が捗るんですよ」

「仕事をやめたので、最近できていなかったツーリングをしようと思い……飛び込みで、ここに宿泊しました」

「わたしは……出張で泊まりに来た」

「なるほど。ちなみに私達は――」

 こっそり息を吐きます。

 まさか、この先生のご実家で過ごしていたなんて言えるわけがありません。

 先生、というより先生のご家族たちはあまり目立ってはならない存在です。この近くに実家があるなんて言ったら怒られてしまいます。

「別の事件を解決して、その帰りにここへ寄りました」

 理由は単純に、『え! ペンションだって! 行きたい!』というわがままに付き合わされただけなのですが。

 挙句の果てに死ぬなんて……バカっ!

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