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迂闊探偵を殺さないのは難しい  作者: 黄鱗きいろ 赤柴紫織子
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第九話「黄鱗きいろ」

 ぐったりとしたモキョ先生の死体を何事もなかったかのように戻し、私は容疑者の皆様に近づきます。

「どうやらここにはもう何もなかったようですね……」

「それはまあ……私たちが最初に一番探した場所ですし」

 魚囃子さんの真っ当な意見を聞かなかったことにし、私は指を立てました。

「整理しましょう。被害者は五等分に小分けされて発見されました。しかし考えてみてください。普通、頭と両手、両足、胴体。全て数えると六つです」

 そう、単純にこの形にバラバラにしたのなら、六つに分かれていなければおかしいのです。

 しかし見つかったのは五カ所だけ。ならば一カ所だけ妙なことになっている場所があるはずです。

「ペンションの五カ所に置かれていた被害者の死体。それを私たちは慌ててせっせと一カ所に運んでしまいました」

 いや本当にそろいもそろって皆さん何をしているんです?

 現場保存という言葉を知らないのでしょうか。

 私たちは玄関近くに落ちていた胴体を動かさずに観察していたというのに。

 いえ、訂正します。モキョ先生が少しいじっていました。「胴体だけだと僕にも持てそう! んー……持てなかった!」などと言いながら胴体を引きずって遊んでいました。

 めんどくさかったので止めませんでしたが。

 かくして一カ所に集まったバラバラ死体は、繋がることはないまでも本来の位置に戻されたのでした。

「つまり、この中で誰か一人は死体を二つ拾ってきていることになります」

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