星の文学少女
すみません、これは純文学ではないです!
「星の文学少女」
二人きりの教室に、茜色の光が差す。
「ねえ、東。」
窓の外で、帰る生徒を眺めていた僕に、後ろで席に座り本を読んでいた少女に声をかけられた。
「なに?」
僕は振り返らずに、外を眺めたまま答える。
「私、文芸部、作るの。」
「そうなんだ。」
思わず、下校する生徒からは目は外したものの、どこを見ればいいか分からないまま、ぼんやり答えてみれば、実に興味のなさそうな返事を返してしまっていた。
しばらくの沈黙が続き、自分が返答を誤ったことを察したときには、次の問いが投げかけられていた。
「東は、本好き?」
「俺は、本は読まないよ。」
必ず間違う問題だった。
また、沈黙が訪れ、その時間の分だけ夕日が傾いてゆく。僕は彼女の方は見ないで、黒板と床の境い目あたりを見ていた。
「本、好き?」
必ず正解しない問題だった。
でも、ついに僕は不正解しない方法を思いついた。
「嫌いじゃないよ。」
そう言いながらついに振り向き、少しの照れと、罪悪感からか少女の顔を覗き込むと、彼女と目が合って、そして少し笑った気がした。
二人きりの教室に、茜色の光が差す。
目を逸らして外を見つめる僕の顔に光が当たって、僕の顔が赤く照らされた。
これでひとまず、テルルの文芸部、星シリーズはおしまいです、、、