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星の軌跡
毎回似たような題材ですみません!
「星の軌跡」
人は、地球の周りを回って。
地球は、太陽の周りを回って。
太陽は、銀河の周りを廻って。
銀河は、宇宙の中を巡って。
宇宙は…
宇宙はこんなに広いのに。埋まることのない空間だけが広がり、満たされている。
何もない空っぽな宇宙の中を走り回る私たち。空虚を切り裂き、飛んでいく私たち。
でも、そんな宇宙の事情なんて、今の私たちに関係がなかった。いくら空虚な暗闇を割ったところで、私たちの空は青かった。
その吸い込まれそうな青が、これが果てだと、暗に伝えていた。もう何も考えなくていいと、伝えていた。
世界が美しいなら、ちっぽけな悩みは些細なことで、あの空の片隅にそれを置けば、見えなくなるとでも言いたげだった。
幾つもの歯車が重なったらそれはすごい速さで回って。だから私たちは、こんなにも周りに振り回されながら生きているんだろうか。
空を見上げた時、真っ青な空。時刻は正午。その空の青に、空っぽな哀に。
それ以上の意味なんてないこと、知っている。