カードマスター武器を買う
冒険者ギルドを出て今後の事について考えた。
しばらくは暮らしていけるだけの金はある。ただ、いつ元の世界に帰れるか分からないし、そもそも帰る方法があるのかどうか?
それならば、冒険者ギルドへ登録出来れば稼ぐ方法と身分証明、一挙に解決する。
ギルドの受付のお姉さんから話しの後に貰った簡単なパンフを見るとギルドのある西側の森には割と強い魔物が出るようだが反対の東側は荒野と森と呼ぶには小さな林に毛が生えたような場所で、出て来る魔物も弱く比較安全なようだ。
ただ、もちろん絶対に命の危険がないわけでわ無いのたが…。まずは魔物を倒せるかやってみないと分からないかな。そこで、魔物を倒すための方法が無い事に気付き武器屋に行く事にした。
武器屋はギルドの近くに沢山あるようだった。キラキラと派手な物が並んでいる店や一見して中古と思われる物が並んでいる店、武器だけの店、防具だけの店など色々だ。その中の一軒の店【武器と防具の店 スイング】に入ってみた。入ったというより俺がキョロキョロしていたからか「今日のお探しは武器ですが、それとも防具?」「色々ありますから是非見ていってください」と10代前半位の赤毛の元気な女の子エリスに半ば強引に連れてこられたのだった。
「冒険者ギルドに登録しようとしたら魔石が必要と言われたので、今から東でも見て見ようと思ってね」と答えると「初クエストですね」と嬉しいそうに聞いてきた。ギルド登録の為の魔石集めをそう言うそうだ。
初クエストでは武器、防具一式売れる可能性があるので期待しているのかもしれない。
エリスは剣や槍など色々な武器を持ってきてくれた。すると奥から低い男の声で「そんな素人に色々見せても迷うだけだろう」「まずは防具だな、とりあえず攻撃を受けても死なない事だそうすりゃ逃げる事は出来る」と髭面の40代位のおっさんがのっそり出てきた。
「初心者用の肩当て、胸当て、脛当て、靴一式でこの辺の奴なら十分だろう。値段は24,000ガルと言いたいところだが、まとめて買うなら20,000ガルに負けとこう」「いやいや店長、初心には20,000ガルは厳しく無いですか?初心者冒険者の2〜3ヶ月分の稼ぎですよ。後、武器もいりますし」とエリスが店長と呼ばれた男に言っている。
「決めるのはこいつだ、どうする」と話しを振られた。
確かにまずは死なない事、怪我をしない事そう考えると防具これは必須だ。品も素人目に良さそうと思えた。「買います」というと「即決だな、よし気に入った。これもつけてやる」と良く切れそうな短剣を出してくれた。俺は店長の気が変わらない内にとブックからお金を出して店長に渡した。
カードから出した事には気づかれなかったようだ。「良かったですね、普通ならこれだけでも4,000ガルはしますよとエリスは短剣を渡してくれた。
「俺はここ、スイングの店長のワイドだ、首尾よく登録出来たらまたこい。俺は元冒険者だ、色々アドバイスしてやるよ」言われたので「優斗です、今後もよろしくお願いします」と改めて自己紹介をして、店を後にした。




