8:受験勉強
少し短めです。
とりあえずの目標だった10話が見えてきました!!
読んでくださっている皆様、誠にありがとうございます。
そして始まった入試対策。
しゃ、しゃ、しゃ。
現在は、非番だというレースさんに丸付けをしてもらっている。
「はい、できたよ」
「ありがとうございます。合計280点ですか。合格ラインはどのくらいなんでしょう?」
「たしか、筆記は半分、250点を取れれば合格だったと思う。だから、藍衣ちゃんは大丈夫だね」
250点か。けっこう低いなと思いつつ、確かにどの教科も後半が悪魔級に難しかったと納得した。
「筆記以外には何があるのですか?」
そういえばと聞いてみると、
「えっとね、まず一日目が筆記。二日目が実技。三日目が能力測定と面接。だよ」
「実技はまあわかるとして、能力測定とは?」
「能力判定はLevelと魔法の発動スピードを専用の機械を使って計測するのよ」
・・・・・・・・
「「あ゛あ゛あああああああああっ」」
数秒の沈黙の後、私たちは絶叫した。淑女とか人前だとかそんなことは関係なかった。
「どうしましたっ!!」
絶叫を聞いたからか、あわてた凜子さんが駆けつけてきた。
「ああ、凜子。ごめん。ちょっと驚いただけだから。うん」
レースさんは、自分に言い聞かせるように言った。いや、実際そうなのだろう。
凜子さんは、私のテストをちらっと見て
もしかして、と言った。
「もしかして、能力測定があることをお忘れだったのですか?」
「はい。その通りでございます」
さすが凜子さん。ちゃんと分かっていました。しゅんとした様子のレースさん。これではどちらが主人だかわかったものじゃない。
「あの、メイド長?点数の配分はどうなっているのですか?」
「筆記が500点。実技が500点。面接が300点。能力測定が700点。合計2000点です」
「合格ラインは?」
「合計、1200くらいが目安と言われていますね」
ん?
待てよ・・・。
能力測定の配分が700点。能力測定はLevelと魔法発動スピード。つまり魔法の使えない私は0点が確定している。
つまり・・・
「2000 マイナス 700 イコール 1300」
「合格ラインが1200」
「「「あああああああああああああああああああああああああっっ!!!」」」
三人の絶叫は太陽のきらめく夏の空に吸い込まれていった。
つづいて、この日の午後の様子をお届けしたいと思います!!
9話へどうぞ。