4:ギルド
ギルドでの、ちょっとした事件です。
手をひかれるまま、下り階段を下りた先にあったのは巨大な体育館。バドミントンコート24面分はありそうだ。天井も高く、天井の梁がとても小さく見える。
「ここは?なんで、階段はそんなに長くなかったのに・・・」
ふと、漏れたつぶやきにリィーノは
「良くきづいたね。ここは天然の拡張空間で、その中に巨大な施設を作ったのがこの場所。ここがメインホールで他にもいくつかの施設があるんだよ」
リィーノ説明によると、こういうところはたまにはあるらしい。この拡張空間はギルドが買い取っていて、ギルド員の訓練場になっているそうだ。
「藍衣ちゃん、とりあえず武器選びよ」
そんな話をしているうちに、レースさんに手をひかれた私はメインホールの一角に着いていた。そこには扉があり、「武器庫」と刻まれたプレートが下がっていた。
武器庫の中には大量の武器が置いてあった。まあ、武器庫なのだから当然ではあるが・・・。
手前には大きさのちがう大量の木刀。ただの木の棒なんかもある。多分普段やりなんかを使う人向けなんじゃないかな?と思う。
奥には、ナイフや剣。大剣、槍なんかが置いてある。みんな刃に袋がかぶせてあるので練習用で無い本物の武器なのだろう。
「木刀のサイズよね。初心者でも扱いやすいのは槍だけど、藍衣ちゃんは剣のほうがあいそうだわ。藍衣ちゃん、とりあえずこれを持ってみて」
そう言うレースさんから渡されたのは、一番右端に置かれた木刀。レースさんがひょいっと渡すので、軽いのかと思った。
「うわっ!?」
受け取った瞬間、手にかかる重みでちょっと前に傾く体。あわてて、両手で支える。きちんと両手で握れば何とか持ち上げることができた。
「あらら、それでも少し重そうね。むしろ、ナイフとかのほうがいいかしら?」
ナイフの木刀とか聞いたことが無いけど・・・
「はいっ、これはどうかな?かなり軽いし、柄も細身だから握りやすいと思うよ」
おお~。確かにこれは軽い。孤児院で使っていた一番大きい高級な包丁と似たような感触だ。
次話は、ルノーク・レースさんのキャラ崩壊の話です。