名前は大切だ
少し投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
また、次回からは早めに投稿しようと思います。
俺は先程、叡智の能力の一つであるマッピングを自分の魔石に接続したことにより道に迷うことはなくなった。それと同時に第一階層を突破し、第二階層にまでたどり着くことができた。
だが、先程までいた一階層は洞窟だったのに対して二階層は草原だった。木々が点々生えていて、その木々から少し離れた場所に小川が流れている。しかし、ただの草原ではない。
木々は点々と生えてはいるが全て葉が散っていて、木の幹も細く、今にも倒れてしまいそうな程だ。小川も綺麗な清水ではなく、毒々しい色合いをしている。草原の彼方には薄暗く光る瘴気がそこらかしこに漂っている。
上を向けば雲が見える。だが、その雲も普通では見ることも不可能なくらい薄く、暗視を持っている俺でも瞬きをすれば一瞬で見失ってしまいそうなくらいだ。
『マスター。敵対者が3体こちらに向かってきています』
分かった。で、敵の種族は分かるか?
『解。種族はそれぞれ憑動鎧とスケルトンナイトとスケルトンウィザードです。尚、敵のランクはスケルトン系がEで、リビングアーマーはDです』
意外とランクは低いんだな。……まぁ、まだ二階層の初めだから仕方が無いんだろうけど。
そんなことを考えていると、スケルトンウィザード(以後ウィザードと呼ぶ)はカタカタと詠唱を始めた。それと同時にリビングアーマーとスケルトンナイト(以後ナイトと呼ぶ)は俺に向かって走って来た。
俺は初めて見る相手の行動を観察していた。まずウィザードの完成した火魔法が俺に向かって飛んでくる。その魔法を左右でナイトとリビングアーマーが挟んでいるこちらに向かって来る。だが、それは俺からすれば意味がなかった。
俺は冷静に考え、火魔法に向かって闇魔法の反射を使った。詠唱は叡智が代わりにやってくれるので俺は魔法の名前を唱えるだけでいいのだ。
ミラーによって跳ね返された火魔法はウィザードの頭に向かっていき、着弾した。ナイトたちは突然火魔法がウィザードの元に向かっていったのを見て混乱していた。
俺がその隙を逃す訳もなく、ランクが一番高いリビングアーマーに向けて水魔法の水刃を放った。ウォーターカッターによりリビングアーマーは上下に真っ二つになって青白い光を放って消えていった。
ナイトは訳が分からなくなったのか剣を振り回しながらこちらに向かって走ってきた。剣筋もめちゃくちゃだったので闘術スキルで顎を殴ってやったら綺麗にぶっ飛んでいった。数秒で地面に落下したが、打ちどころが悪かったのかそのままリビングアーマー同様青白い光を放って消えていってしまった。
ナイトとリビングアーマーを倒せたので次はウィザードだ。と、思いウィザードの方を見るといつの間にか姿をくらましていた。経験値を逃してしまい少し残念に思ったが仕方が無いと割り切った。
ナイトとリビングアーマーを倒して少したった頃ふと、俺が今しなければならないことはただ一つだけだ! と気づき、ステータスを開いた。
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種族 屍喰鬼 Cランク
状態 正常
名前 名無し
Level 41/45
HP 104
MP 129/136
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇
魔力感知・魔力操作
魔法スキル
水魔法3・闇魔法2
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MPが若干減ってるがまだ大丈夫だな。他は……レベルとHP意外は変わらずか。
『マスター。そろそろ御自分の名前を決めてみてはどうかと進言します』
名前? ……そうだな。いつまでも名無しっていうのも味気ないし、誰かに会ったときに名乗れないしな。じゃあスフェアっていうのはどうだ?
『解。マスターがそれでいいと思われるのならそれで良いと思います』
そういうのを聞きたいんじゃないんだけどな。叡智はなんか案ある?
『マスターに合うと思われる名前で一番の名前はブラッドではないかと進言します』
ブラッド……血か。じゃあ俺の考えたスフェアと合わせて スフェア・ブラッド って言うのはどうだ?
『ではすこし捻って スフェア・ブラッドレイ というのはいかがでしょうか?』
スフェア・ブラッドレイか。……うん。それがいい。よっしゃ! これからの俺の名前は、スフェア・ブラッドレイだ。
種族 屍喰鬼 Cランク
状態 正常
名前 スフェア・ブラッドレイ
Level 41/45
HP 104
MP 136
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇
魔力感知・魔力操作
魔法スキル
水魔法3・闇魔法2