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主人公はとてつもない才能を持っていた!?

俺は今、ダンジョンの中をさ迷っている。なぜならダンジョンの第一階層から第二階層に繋がっているという階段―叡智(メティウス)からの情報―がどこににもないからだ。


この一ヶ月間俺は自分のレベルをあげるという目標のために第一階層で敵を倒して、倒して、倒し続けた。だが、いくらレベルを上げても第二階層への階段は全く見つからなかった。


『マスター。マスターがその愚かな頭をフルに使って考えているところ悪いのですがどうやらお客様のようですよ』


愚かなは余計だよ! で、敵の数と種族は?


『解。種族は低ランクからそれぞれ、ゴブリン・スケルトン・ホブゴブリン・スケルトンメイジ・グールです。ちなみにそれぞれ数は二体ずつのようですよ』


はあー。グールが二体もいるとかマジでだるいんだけどー。っていうかさー、ここってまだ一層だよね? 何でそんなにほいほいとCランクの魔物がいるの?


『解。それはこのダンジョンは縦に長い普通のタイプではなく横に広く、大きい異常なタイプなので階層があまりありません。なのでその分それぞれの階層の魔物の種類を増やしたり、ランクの高い魔物も入れたりとしたのではないかと思われます。っと来たようですよ』


あぁ。そうみたいだな。……ったく、めんどくさいがお前等全員、俺の経験値になってくれや!!


◆◆◆◆

Sideダンジョンマスター

私は理解した。この世界に私が生まれた真の理由が。


私は生まれてからずっと魔物を作り、ダンジョンを強化し続けた。だが、ふと私は思ってしまった。私は神にも等しい力を持っているのに何故このダンジョンにこもり続けているのだろうか?っと。


私は選ばれしものなのだ。その選ばれしものが何故このようなくだらないことをしているのだろうか。何故? 何故? 何故?


私はその事を何度も何度も考えた。だが、私は分からなかった。しかし、今ならわかる。私はそう思って目の前にある水晶から写る映像を見る。そこには一体のグールが私の生み出した魔物達を蹂躙している場面だった。


私はこのグールが進化する瞬間を見た。それと同時に私はこのグールが進化をする時に聞いた。その声と場面を見聞きして私は確信した。このグールは神が所持しているといわれる()()()()()()を所持していると。


私は理解した。この世界で本当に選ばれしものなのはあのグールだという事が。

私は理解した。私は、あのグールをより強くするために生まれてきたのだと。

私は理解した。私は、選ばれてなどいない、ということを。

◆◆◆◆

今の俺はとてつもない疲労感に襲われていた。何故かと言うと叡智(メティウス)の能力の中にはマッピングがあったということが判明し、そしてそのマッピング能力で俺が今まで歩いてきた道のりを見てみるとただひたすら同じ場所をグルグルと回っていたからである。


マッピング能力の判明の詳細はこうだ。


俺は敵のグールたちをなんとか無傷で倒して経験値を獲得して歩き始めたが周りにふと違和感を感じ、叡智(メティウス)に相談してみた。すると、


『解。それなら私の能力の一つにマッピングがありますがそれを使用しますか?

YES or NO』


と、答えた。もちろん、俺はYESと応えた。

そして現在に至る。


いやいやいや、おかしいだろ!! 方向音痴にも程があるだろうが!!


『解。マスター、これはただの方向音痴で済む話ではありませんよ? 提案。今すぐに私の能力であるマッピングをマスターの魔石に接続するべきだと進言します。』


うるさい、うるさい、うるさーい! っていうかそこは魔石じゃなくて脳だろ!


『解。マスターは現在魔物の屍喰鬼(グール)であるため、脳は爛れて、ドロドロで、とても腐っている状態ですので接続は出来ません』


どんなグロ画像!?


『解。それを知るためには次に現れてきたグールの頭を砕いてみれば分かりますよ?』


誰がやるか!


『ッチ』


あれ? 今何で舌打ちしたの?


『解。舌打ちというのは出来ません。なぜなら私はただのスキルですので』


なんかこの話前もしたことがある気がするけど……まぁいいや。とりあえず接続はしてくれ。なんかこれからも迷いそうだから。


『了。ではこれよりマスターの魔石に接続します……接続しました』


よし。これでもう迷うことはないだろう。じゃあ、改めて第二階層に向けて出発だ!

種族 屍喰鬼 Cランク

状態 正常

名前 名無し

Level 40/45

HP 87

MP 115

ユニークスキル

叡智

スキル

暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇

魔力感知・魔力操作

魔法スキル

水魔法3・闇魔法2

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