叡智からマスターへの贈り物
あ。これ、俺、死んだ。二体のスケルトンファイターの剣が目の前まで迫ってもうすぐ俺の頭に直撃しかけたその時
『特殊条件 生命の危機 を感知しました。これよりスキル 叡智 の保有者のリミッターを解除し、強制行動を開始します。第一に叡智保有者の命の安全の確保を。第二に敵対者の殲滅を。その後叡智保有者の肉体の進化を開始します』
叡智がそう言うと俺の頭の上位まで迫ってきていた二本の剣が頭上から消えた。
いや、正確にはスケルトンファイター達が俺の闘術スキルの効果により打撃攻撃の威力が上がった状態の拳がスケルトンファイター達の頭にあたり頭を砕いたのだが。
スケルトンファイター達は頭が砕かれたことで青白い光を放って消えていった。スケルトンメイジ達は突然スケルトンファイター達がたった一体のハイスケルトンにやられたのを見て唖然としていた。(スケルトンメイジには表情を動かすための筋肉が無いので決して唖然としているわけではない。)
スケルトンメイジ達は仲間がやられたのだと理解すると俺に向かって魔法の詠唱を始めた。だが、魔法詠唱をやり終える前に俺の体はスケルトンメイジ達の目の前まで移動していてスケルトンメイジ達の頭めがけて拳を振るっていた。
スケルトンメイジ達も先程のスケルトンファイター達と同じように頭を砕かれて青白い光を放って消えていった。いやーあっけなかったなー。
『敵対者の殲滅を確認しました。これによりスキル保有者の進化の開始準備を始めます』
はあ?! ちょっと待て進化ってなんだよ! ちょっとは心の整理をさせてくれよ! 『これよりスキル保有者の進化を開始します』だから…ちょっと……待って………くれ…………よ…………
『スキル保有者の進化先をスケルトン種から、スケルトン種の上位種である血肉喰種に進化先を固定します。……固定しました。尚、進化先は屍喰鬼からのスタートです。また、スキル保有者はこれから目を覚ますまでの時間は約1時間程。半径10m内に敵対反応無し。敵対反応があるものが範囲内に現れた時は神界にアクセスし、概念操作により自動的に消滅してもらいます』
目が覚めるとそこには見知らぬ天井があった……なんてね。天井っていうかダンジョンだから天井には岩と土しかないんだけど。さて気を取り直して、ステータスオープンっと
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種族 屍喰鬼 Cランク
状態 正常
名前 名無し
Level -6/45
HP 48
MP 57
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術3・身体操作・保有魔力上昇
魔法スキル
水魔法1・闇魔法1
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はあ?! ちょっちょっと待て! って誰に向かって言ってんだよ俺!! って何で一人でツッコンでんだよ!
ふぅー。落ち着け、落ち着くんだ俺。……よし。落ち着いた。まずは何でEランクからCランクに一気に上がってるのかだな。あと、何でレベルがマイナスなのかと、魔法ってどうやって使えばいいのかだな。叡智。お前にこれらの事を質問する。
『解。その理由はマスターをこのダンジョンに適応させるためです。また、レベルがマイナスなのはまだあまり高くないレベルを無視して進化したからです。それに、マスターがいつまでも人の心を持ち続けていたので改めて自分は魔物なのだというのを理解してもらうためにやりました。後悔はありません』
お前に後悔は無くても俺には少しだけだけどあったんだよ! っていうか話をそらそうとするな!
『っち。魔法は魔力感知と魔力操作というスキルがないとたとえ魔法スキルを持っていたとしても使うことはできません』
えっ何で舌打ちしたの? 今の俺は魔法なんかよりもお前が舌打ちしたのがめっちゃ気になるんだけど。
『まぁそのようなくだらないことは置いておいて、これからマスターがしなければならないことはマスター自身のレベルを上げることです。なので頑張ってレベルを上げてくださいね』
くだらないことって。……まぁ、確かに俺のレベルを上げないといけないのは認めるが……まあいいや。よし。これからレベルがある程度上がるまでは休憩なしだ。よーし、頑張ってやりますか。
『解。頑張ってくださいマイマスター』
おう。
それから一月もの間俺はダンジョンで敵を倒し続け、レベルをマイナス6から40まで上げ、スキルのレベルも上げたり新しいスキルを手に入れたりしたのだった。
種族 屍喰鬼 Cランク
状態 正常
名前 名無し
Level 40/45
HP 87
MP 115
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇
魔力感知・魔力操作
魔法スキル
水魔法3・闇魔法2
魔力感知は魔力がどこにあるのかを見つけ出すことが出来るスキルである。
魔力操作はその名の通り魔力を操作するというスキルである。
水魔法は水に関するものを魔力で創り、敵に攻撃するスキルである。また、闇魔法も同様であり、最大スキルレベルは10である。