進化先の提示
初めてレベルが上がってからはや5日。この5日俺は何をしていたかというと、レベル上げと俺自身をこの骨の体に馴染ませるためのトレーニング、そしてこの世界の常識についてなどだ。その結果俺のステータスはこのようになった。
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種族 スケルトン Fランク
状態 正常
名前 名無し
Level 4/5
HP 16
MP 11
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術1・身体操作
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そう。俺のレベルはあと一つで最大になりるのだ。しかも、叡智に常識を聞いている時に魔物はレベルが最大になると進化することが出来るという俺の中で最も重要なことをさらっと言ってきやがった。そのことに対して叡智は
『解。それは対して重要なことではないと判断しました。更に言うとマスターのレベルが最大になった時なにか聞かれるのでは? と思ったので。』
と言った。全くもって腹ただしい。お前は俺のことをちゃんと理解しているんだろ? なら、俺の中での重要なことは分かるんじゃないのか?
『解。確かに分かることには分かりますが、そうするとマスターがプライバシーがなんだのと言うではないですか』
ぐっ。痛いところをついてくるな。確かにそのような事になる可能性は否定出来ないがもっと他にあるんじゃないのか? 例えば、俺との会話の中でこれは俺が好きそうだなとか、これは俺が知りたがってそうだなとか、いろいろあるだろ?
『解。私はただのスキルでしかないのでそのような思考回路は持ち合わせておりません。』
確かにその通りだ。その通りなのだが、何故だろう。今俺の中でそんなはずがないと言っている自分がいる。
『ところでマスター。また近くにゴブリンがいますよ』
数はどのくらいだ?
『解。3体程です』
3体か。思ってたより多いな。叡智、この辺りにゴブリンの集落らしきものはあるか? あったら潰しておきたいんだが。
『解。捜索中です。しばらくお待ちください。……見つけました。ここから約500m付近に集落らしきものがあります。』
なぜ俺がこんな物騒なことを言っているのかというと、ゴブリンというのはこの世界では害獣であると同時に厄介なのだ。しかもゴブリン系の魔物は総じて得られるは少ないので自分から狩るような奴は早々いないのだ。
でだ、ゴブリンの集落を潰すのは単純に進化したあとに一気にレベルを上げるためだ。多分だがこの3体を倒した頃くらいに進化できるだろう。
おっ、やっと見つけた。ふーん。素手のやつが一匹と棍棒持ちが一匹、革鎧を着て錆びた短剣を持ってるのが一匹か。今の俺で少し手こずりそうなのが革鎧を着てる奴だけかな。
おっと。素手のやつ、俺に気づいたな。更に芋づる式に他のやつらも俺に気がついた。まず始めに俺の元まで来るのは……素手のやつか。まぁ当然だよな先に気づいたんだし。
まず始めに身体操作で俺の思う通りに体を動かし、闘術スキルで相手の頭に俺の最大の力を込めたパンチをいれる。するとあら不思議なんとゴブリンの頭がグロテスクなことになってしまいました。ゴブリンの頭ってもろーい。
一匹が死ぬ様を見ていた仲間が今度は二匹同時にかかってきた。それを見た俺は焦ることなくまず棍棒持ちに攻撃をした。だが革鎧の方が俺の後ろから攻撃をしようとしていた。
俺はその攻撃をあえて受けて倒れたふりをした。俺の予想通りゴブリン達は俺が死んだと本気思ったのか両手を上げて二匹とも喜んでいた。
その隙に俺は棍棒持ちの方の心臓に手刀をいれて心臓を貫いた。心臓を貫かれたゴブリンは頭をガックリと垂れ地面に伏した。
革鎧のゴブリンがなぜお前が生きている!? といった表情で俺を見つめていたのでニヤリと笑ってやった。(骨の顔なので実際には笑っていないのだが)俺のその表情を見てゴブリンは自分が馬鹿にされたと分かったのか憤慨しながら錆びた短剣を振り回してこっちに向かってきた。
だが革鎧のゴブリンも他のゴブリン同様俺の闘術スキルによって頭を潰されて終わった。
3体のゴブリンを倒し終わったと同時に青白い光が俺を包んだ。一秒もしないうちに光は収まったが叡智の喜んだ?声が聞こえた。
『おめでとうございますマスター。レベルが最大になり、進化が可能になりました。進化先はハイスケルトンかスケルトンファイターかスケルトンメイジですが、どれになさりますか?』
おぉようやく進化出来るのか。さてと、じゃあ早速進化先を選ぶとするか。
種族 スケルトン Fランク
状態 正常
名前 名無し
Level 5/5
HP 18
MP 13
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視・闘術1・身体操作
闘術スキルは簡単にいうと格闘術が上手くなるというスキルです。そして身体操作は自分の思う通りに体を動かす事が出来るというスキルです。(無理じゃ無い程度)