初めてのレベルアップ
俺は叡智にここがどこでどういう世界なのかを聞いてみた。
ここはどこなんだ?
『解。この世界の名前はガイア。あなた様で言うところの異世界となります。
ところであなた様』
なんだ?
『質問なのですが、あなた様のことを今後はマスターと読んでもいいですか?』
あぁ。そんなことなら好きにしてくれていいぞ。
『感謝します。マスター。ところで、マスターはご自分のステータスは確認しないのですか?』
叡智が興味深いことをさらっと行ってきた。
ステータスだと!? あるのか!? この世界にはステータスがあるのか!?
『解。はいあります。ご自分のステータスを見たい場合は、心の中でステータスオープンと唱えると見ることが可能です』
俺はその言葉を聞いてとても喜んだ。なぜなら今までずっと夢に見ていた事が遂に実現するのだから。そして俺は直ぐに心の中でステータスオープンと唱えた。
すると俺の目の前に半透明の薄い板が空中に表れた。
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種族 スケルトン Fランク
状態 正常(一部記憶破損)
名前 名無し
Level 1/5
HP 10
MP 5
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視
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……あれ?おかしいぞ?名前が無い?なぜ?そして俺の記憶の一部が破損?……いやちょっとまて、状況を整理しよう。
まず、俺の前世の名前は……思い出せない。幼馴染みの名前は、武藤綾。よしこれはあってる。他のことも思い出せる。じゃあ一体どこの記憶が破損してるんだ?
『解。それはマスターの前の名前と前の顔などのマスターの容姿などに関係するものです。また、今現在のマスターの名前が無いのはマスターが転生したからになります』
……全部叡智が教えてくれた。しかも声―カタカタしかならない―に出してなく、心の中で自問自答をしているのに。
『解。それはマスターと私が繋がっているからです』
またしても簡潔に答えてくれた。いやー優秀だなー。そしてプライバシーもクソもない。
『質問。ところでマスター。近くに魔物が来てますよ』
それは早くいえや! お前が何も言わなかったら俺もう死んでたかもしれないんだぞ! しかも俺が死んだらお前も消えるんだぞ!
『解。その場合は仕方がなかったと割り切るつもりでしたので大丈夫です』
お前が大丈夫だとしても俺は大丈夫じゃないの! っと、現れたか。あいつはなんていう魔物なんだ?
『解。あの魔物はゴブリンです。ゴブリンというのは小さな鬼で、目の前にある食べれるものはなんでも食べるという習性を持った魔物です。また、ゴブリンの弱点は胸の中央にある心臓か、ヘソの裏にある魔石です』
おぉ。弱点まで教えてくれるのか。ありがたいな。まぁ今は骨だからあまり速く動くことは出来ないから相手が馬鹿じゃない限り弱点は狙わしてくれないだろうけどな。
ゴブリンが俺を視界に入れると奇声をあげながら素手で襲ってきた。そう。素手でだ。
襲ってきたゴブリンは俺の頭を殴った。勿論ダメージは受けた。だがゴブリンと比べるとダメージ量は少ない。殴ってきたゴブリンの腕はぐしゃぐしゃになっていた。
そこで俺は確信した。こいつらはアホだということを。しかもゴブリンはまだ諦めておらず、俺の頭に頭突きをしてきた。俺の耳―ないけど―にぐしゃりという少し生々しい音が聞こて、ゴブリンは絶命した。
ゴブリンが死んだのを確認して直ぐに体が青白く光だした。一秒もしないうちに光は収まった。
『おめでとうございます。マスターはレベルが2になりました』
なに!? 本当か!? だとするとさっきの青白く光ったのがレベルアップのためのプロセスなのか? とりあえずはステータスオープン。
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種族 スケルトン Fランク
状態 正常
名前 名無し
Level 2/5
HP 12
MP 7
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視
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本当だ。ちゃんとレベルが1から2に上がっている。しかもHPもMPもそれぞれ2上昇している。よし。この調子でどんどんレベルを上げていこう。
種族 スケルトン Fランク
状態 正常
名前 名無し
Level 2/5
HP 12
MP 7
ユニークスキル
叡智
スキル
暗視