多種多様な魔物達1
朝? に目が覚めると目の前が薄暗く光る瘴気に包まれていた。空なんてものは瘴気のせいで全く見えない。でも今の俺にはそんな事はどうでも良く思えた。なぜなら自分の身体を見てみるとそこにはまるで人間の身体があったからだ。
『マスター。起きて早々つまらないギャグを言わないでください。気分が悪くなりますから』
は? ギャグ? 俺はギャグなんか……言ったな。なるほど身体と~からだ。がかかってたんだな。
『そうですね。あっ、マスター。心で返事をしなくても今回は声帯が形成されているので声に出してくださっても私は返事は出来ますよ』
「分かったっておお! これが俺の声か!」
俺の声は前世では男らしい声だった気がするが今はまるで少年の声みたいだった。もっと詳しく説明すると某錬金アニメの主人公のような声といえばいいだろう。
『マスター。ご自分の声で興奮なさらないでください。これから魔物を探して、ご自身の力をしっかりとご自分で制御できるようになってもらう予定なんですから』
なんか叡智がスパルタになった気がするんだが、これから俺大丈夫かな?
俺はそんなことを考えながら魔物を探すために歩を進めた。
数時間ほど辺りをウロウロとしていたら水辺を発見した。ただその水の色は清水ではなく少し濁ったような色をしていた。だが、今の自分の姿を確認するには大した問題ではないのだが。
「おお! なんか女みたいだな」
俺は思わずそんなことを言ってしまった。俺の顔は少年というよりは少女のような容姿をしており、目は大きく、まつ毛も長がく、鼻も小柄で頬は少し赤く染まっているが、肌はまるで死んで少し経った頃のような青白い色をしていた。髪はまるで光を反射するような淡い水色といえばいいのだろうか。目の色は右側が紅で左側が蒼という対色だったが不思議と変には思わなかった。とにかく、俺は誰もを魅了するような美貌を持っていた。
『マスター。休憩とともにご自身のステータスを確認してはいかがですか?』
「あぁ。分かったよ。ステータスオープン」
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種族 半吸血鬼亜種 Bランク
状態 正常
名前 スフェア・ブラッドレイ
Level 1/90
HP 573
MP 774
ユニークスキル
叡智・血を求めし者
スキル
暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇
魔力感知・魔力操作
種族スキル
飛行・下位アンデッド作成・魅了
耐性スキル
混乱耐性・光魔法耐性・冷気耐性
魔法スキル
水魔法4・闇魔法3・氷魔法1
加護
氷河の神の加護
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「は? 亜種って何? っていうか加護? もう何がなにやら」
『マスター。亜種とはその種族の中でも特殊な個体の事で、亜種個体は通常個体と比べてとても強く、各種族のボスになりやすいという傾向があります。また、亜種になるためには神の加護が必要になっていて、加護とは神が認めた者に与える恩恵みたいなものです。マスターの場合は、氷河の神ですので氷魔法や冷気に対する耐性が上がったり、氷魔法という上位魔法が使えるようになったりという効果があります。ですが、亜種はレベルの上限が通常個体と比べて高くなっています』
なるほど。つまりは強くなる代わりにレベル上限が高いから進化がしにくいということか。
『はい。その通りです、マスター』
なるほどなるほど。っとどうやらお客さんのようだな。しかも団体さんときた。
俺はそう思ってマッピングした地図を確認した。地図上には約50個もの赤い点が俺の周囲を囲んでいた。だが、周りは濃い霧があり、敵を目視することが出来ない。どうやら奇襲のようだが俺はどこに敵がいるのかがしっかりと地図で確認できるから奇襲などは意味がないのだが。
敵が霧の中からまるで忍者のように、音も立てずに俺の背後から襲いかかってきた。しかし、敵は俺が気づいていないふりをしているとは夢にも思っていなかったようで俺が攻撃を躱していると驚いたような顔をしてこちらを見ていた。
だが、そのお陰で敵の種族を確認することが出来た。50体の敵のうち大半は身体が2mもある二足歩行をする狼だった。残りは屍喰鬼や女の身体をした顔がマネキンのような魔物だったり、大きな赤い身体の鬼や、腐食した鬼など種類はさまざまだった。
俺はそんな多種多様な魔物達とまだ霧が濃い中対峙している。
種族 半吸血鬼亜種 Bランク
状態 正常
名前 スフェア・ブラッドレイ
Level 1/90
HP 573
MP 774
ユニークスキル
叡智・血を求めし者
スキル
暗視・闘術5・身体操作・保有魔力上昇
魔力感知・魔力操作
種族スキル
飛行・下位アンデッド作成・魅了
耐性スキル
混乱耐性・光魔法耐性・冷気耐性
魔法スキル
水魔法4・闇魔法3・氷魔法1
加護
氷河の神の加護
飛行はその名の通りである。
下位アンデッド作成とはランクD以下のアンデッド系統の魔物を魔力で作り出すことができるスキルである。
魅了とは自分の思考回路を持った生物を魅了する事ができるスキルである。
光魔法耐性は光魔法の攻撃を軽減するスキルである。
冷気耐性は冷気に対する耐性力を上げるスキルである。
氷魔法とは水魔法のレベルが10になった時に適正があった場合のみ現れる上位魔法である。