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恋よりさきのその先で  作者: 坂水 雨木
幕間 DJCD vol.4 石川観光、金沢・加賀山中編
51/123

42. 近江町市場でお昼

「久々に美味しい雲丹うにを食べたわ」

「ほんとに…でも知宵、ああいうの食べたことあったの?」

「ええ。北海道でも石川でも、何度か食べたことがあるわよ」

「ふーん、石川っていうと実家近くで?」

「いえ、能登のとよ」

「あー、知宵そっちは行ったことあったんだ」

「一応ね。車で連れられて何度か行ったわ」


 美味しいものを食べてちょっと回復。そこそこに会話をしながら歩き、途中で"どじょうのかば焼き"という珍しいものを発見した。


「どじょうって珍しくない?」

「私も初めて見たわ…美味しいのかしら?」

「うーん…どうなんだろ。土臭さがあるとは聞くけど」


 泥臭いとかね。淡水の魚だし地面に潜ってるからそんな感じなのかも。


「食べてみる?」

「いただくわ」


 あ、食べるんだ。ならあたしも食べようかな。せっかくだし。食べる機会なんてこの先ないでしょ。


「…1本で100円って安いの?」

「…わからないわ。この大きさなら妥当だとは思うけれど」


 お店の前でどじょう談義を交わす。味がどうやら値段がどうやら見た目がどうやらと話したあと、お店の人らしき柔和なおばさんに声をかけた。


「あ、じゃあ、このどじょうの蒲焼5本ください」

「はーい、どじょうの蒲焼5本ですねー。500円になります。ここで食べていきます?それとも持ち帰りますか?」

「あー…どうします?」

「食べていきましょう」

「はーい、ここで食べていきます。あと史藤さんお金」

「はいはい」


 ぱっぱとお金を払って店内の椅子に座る。

 待つこと1分ほど、お店の人がどじょうを温めて紙の袋に入れて持ってきてくれた。


「ありがとうございますー」


 お礼だけ言って早速とばかりに紙袋を持つ。手にたれが付かないよう気をつけながら、とりあえず一口。


「…うん」


 まあ、普通かな。

 美味しいは美味しいんだけど…さっきのが美味しすぎて、ね。それと比べたらって感じ。


「…あんまり苦くないのね」

「うん。全然泥臭くもないし」


 むしろさっぱりしてる。思ったより味が淡白。


「これはあれね。ほら…そう、さば」

「…さば?」


 何に似てるってさばに似てるのよ。苦味も薄くて濃そうなたれなのに案外甘さ控えめで、やっぱこれさばよ。


「そそ。さば」

「どうしてさばになるのよ」

「え、だってさばみたいな味するじゃない?」

「しないわ」


 するから。さばの蒲焼の味とそっくりだもの。…あ、もしかしてこの子さばの蒲焼知らないとか?


「知宵、もしかしてさばの蒲焼食べたことなかったりする?」

「食べたことないわ。というか今初めて聞いたわよ」

「それじゃわからなくて当然かも」


 でも珍しい。どこかしらで食べたことあってもおかしくないと思うのよ。さばの蒲焼だし。


「お二人とも、ここで質問です」

「はい」

「はーい」


 ここで質問コーナーかぁ…車の中とかにしてほしかったわ。今はあんまりやる気出ない。


「今お二人…というより僕らが食べているどじょうの蒲焼ですが、蒲焼で有名なのは」

「うなぎよ」

「というのはご存知ですよね」


 …うん。知宵、先取りし過ぎ。


「久々に先読みして答える人見たわ」

「私のポイント先取かしら?」

「いやいやないから」


 なんで堂々としてるのよ。少しは謙虚さを見せてほしいところなんだけど…知宵じゃ無理か。


「はいはい続き言いますよ。それで、うなぎの蒲焼が有名ですし、そちらについてはお二人も食べたことがあると思います」

「うん。あります」

「私もあるわ」

「そんなうなぎの蒲焼とどじょうの蒲焼の違いをお答えください。違いは色々ありますが、食材としての違いでお願いします」


 違いって…味?でも食材としての違いになると…なんだろ。


「ええと…食材?食材って調理するからお料理としてってことよね」

「料理、ね…日結花は料理する?」

「え、いきなりすぎない?いやちょっとはするけど」


 なんの脈絡もなさすぎ…ううん。知宵も真面目な顔してるし考えてるのよね。じゃあこの質問も意味ないものじゃない、のかも。


「知宵はするの?」

「するわ。一人暮らしなのよ?当然でしょう」

「ふーん…お料理するとき食材の違いって考える?」

「いえ。ただ栄養バランスは…あぁ」

「あー…」


 さらっと答えがわかった。もっと複雑なことかと思ったらすっごく単純なこと。考えてみれば当然よね。どじょうとうなぎの違いなんて簡単なことじゃない。


「どっちが言う?」

「いいわよ。あなたが言って」

「えー」


 うーん…二人で話してたらたまたまわかっちゃったもんだし、気づいたのも同時っぽかったわよね。


「一緒に言いましょ?」

「…それ、クイズが成立していない気がするわよ?」


 知宵の言葉を聞いて高凪さんに目を移すと、諦めの表情を作っている人がいた。あたしの視線に気づいたのか、苦笑いを浮かべて口を開く。


「はい…お二人同時にどうぞ」


 許可をもらったところで知宵に目配せ。向こうもちょうどあたしの方を見たようで、一つ頷いて口パクで合図を送った。


「「栄養」」

「正解です…ですが、これだとゲームになりませんよ」

「…次からはあたしたち話し合わない方がいいですよね」

「はい…というか即興で解答作ってもらいます。10秒くらいで」

「えー…」


 10秒って…無理でしょ。せめて30秒は欲しい。


「10秒は無理です。15秒はください」

「15秒って…知宵、それできるの?」

「余裕ね」


 ふ、っと笑って自信満々な笑みを見せる。いったいどこからそんな自信が湧きだしてくるのか。10秒は無理で15秒で余裕というのも意味がわからない。


「それでは15秒にしましょう。何度答えてもいいので、次からは相談なしにぱっぱと言っていきましょう」

「わかりましたー」

「はい」


 特に意見もなく15秒に決定。高凪さんが今言ったように、答える回数に制限はない。

 だからばんばん答えを出していけばいいのよ。数撃ちゃ当たるって言うものね。


「さて、先ほどのどじょうとうなぎの違いですが、栄養価の違いがあると、お二人は答えましたね。これをどうぞ」

「はい」

「ん、なになに?」


 兼六園で渡されたときと同じで、白い紙がきた。知宵が受けとって、横からそれを見る。そこにはうなぎとどじょうの基本的な違いから栄養価の違いについて、ざっと文章が書かれていた。


「"うなぎとどじょうの違いは、まず生まれです。うなぎは海。どじょうは池や沼ですね。また、うなぎが高栄養だということはご存知だと思います。比べてどじょうはカロリーが低く、しかしカルシウムや鉄分が豊富です。他にも色々違いはありますが、どじょうを一言で表すと、低カロリーなうなぎ、です"…だそうよ」

「低カロリーなうなぎって…ほんとにそんなのでいいの?」

「私に言わないで。気になるなら後で調べればいいでしょう?」

「え、めんどくさ」

「そう言うと思ったわ」

「知宵は調べる?」

「私が調べると思うの?」

「ううん、まったく」

「当然よね。調べないわ」


 なんだか微妙な解説だった。結局、カロリーは低い割にいろんな栄養があるから身体に良いってことなんだろうとは思う。どうせ調べないから、なんとも言えないけど。


「じゃあこの後は…どこ行く?」

「食事よ。高凪さん次」

「あ、はい。すみません」


 席を立って通りに戻りつつ話す。知宵がさっきよりは元気になって口調強くなっていた。食べ物入れて回復したからか、余計にお腹が空いた様子。先導する高凪さんについていき、流れのままにお店へ入る。収録についても事前連絡が行っていたのか、特に支障なく入店できた。


「…どれにすればいいのよ」

「そんなに迷う?」


 メニューを見てうなる知宵に声をかける。

 種類がそこそこあるとはいえ、種類豊富にお刺身を食べられるやつを選ぶのが無難だと思う。あたしもそれだし。


「海鮮丼が三種類もあるとは思っていなかったわ」

「あー」


 そういえば、このお店海鮮丼にも種類あったんだ。単純に特上、上、中の値段違いはともかく、お刺身のネタ違いで三種類。

 あたしの場合、おすすめって書かれてた特選を選んだから全然悩まなかった。


「知宵は何か食べたいお刺身ある?」

「そう、ね…サーモンかしら」

「じゃあ、これとこれに絞れたわね」

「ええ、この二つで迷っていたのよ」

「んー…」


 片方はあたしと同じ。もう片方は地魚多めの海鮮丼。地魚の方はのどぐろが入っているらしく、メニューでも強調されていた。

 たぶんこののどぐろを食べたいんだと思うけど…。


「なんなら知宵がそっち頼んで、お刺身交換でもする?」

「…いいの?」


 顔をあげて申し訳なさそうな表情を見せる。

 そんな気にしなくても…。全部一切れずつってわけじゃないんだから、それくらい気にしないわ。


「いいわよ」

「ありがとう、お願いするわ」


 知宵が注文を決めたところで、史藤さんから声がかかる。あたしたちの話を聞きながらタイミングを見計らっていたらしい。あたしたちの注文含め、全員ぶんを店員に伝えてもらった。

 お料理が来るまでこれからの予定について軽く話を進めていれば、あまり時間経たずに運ばれてきた。メインの丼とお漬物と、あとお味噌汁。


「美味しい…」

「あ、ほんと。さすが良い出汁だし取れるだけある。すっごく美味しい」


 食べたことない!というほどのものはないため、感想はそこそこに。もちろん味は最高。お刺身も新鮮かつ種類も豊富で、悪いところはない。

 "市場"って銘打ってるだけあってやっぱりお魚が美味しい。金沢来たらここは寄らないともったいないわ。


「ごちそうさまでしたっ」


 箸が止まることなく最後まで食べきれた。お腹いっぱい。

 ちょうど食べ終えて他の人の様子を見ると、史藤さんと高凪さんは完食済み。篠原さんはもう少しかかりそうで、知宵は今食べ終わったのか箸をお椀に置いた。ちなみに、あたしと篠原さんが同じ特選。他はみんな地魚を選んだ。

 どうして地魚にするのか謎。知宵と交換したのも確かに美味しかったわ。でも、地魚だと苦手な魚もあるかもしれないじゃない?


「ごちそうさま」

「どう?美味しかった?」

「ええ。すごく…お刺身ありがとう。おかげで食べたいものをすべて食べられたわ」

「ふふ、どういたしまして」


 柔らかく微笑む知宵に笑い返して、小休止を取る。お腹を休ませた後、お店を出て近江町市場近くの駐車場に向かう。入ってきたところにあるアーチ状の看板が写るようパシャパシャ写真を撮り――個人的なものとDJCD用のもの両方――ちょろっと収録して近江町市場編は終わった。

 次の目的地は加賀温泉郷。ついに温泉地プラス知宵の家に行く時間がやってきた。


「はー美味しかったー」

「ええ。私もお腹いっぱい」

「もうやる気戻った?」

「…まるで私にやる気がないかのような言い方はやめてもらえないかしら」

「ご飯食べるまでの自分を振り返ったら?」

「…やる気はあったと思うわ」

「ふーん、まあいいわよ。DJCDだといっつもあんな感じだし」

「え、嘘でしょう?私、あんなにひどくないわよ」


 車に戻って一息。知宵の抗議を適当に受け流しながら話をする。この様子だと本当にやる気は戻っているらしい。


「みなさんが満足されたようでよかったです」

「高凪さんが選んだお店は正解でしたね」

「はは、史藤さんも満腹ですか?」

「もちろんですよ。いやぁ、久々に美味しい刺身を食べましたね」

「それはよかったです。篠原さんもご満足いただけました?」

「はい。美味しかったです。ごちそうさまです」

「あ、高凪さんごちそうさまー」

「高凪さん、ごちそうさまでした」

「え、いやどちらかというと史藤さんが払ってくださったんですけど…」


 高凪さんは、ばつが悪そうに史藤さんへ目を向ける。


「高凪さんが払ってくださるんですか。ありがとうございます」

「し、史藤さんまで!」

「はは、冗談ですよ。経費ですから大丈夫です。それじゃ皆さん出発しますよ」


 さらっと話を流して出発の合図を受ける。軽く返事だけして車が移動を開始した。次はちょっと時間がかかる。だいたい1時間くらい。時刻は13時半。

 思ったより時間経ってないのね。まだ昼過ぎって…もう眠りたいくらいなんだけど。


「ふぁ…」

「日結花、眠いの?」

「うん…知宵は眠くないの?」

「ええ。どうしてかしら?全然眠くないのよ」

「…あたしは寝るから…あとよろしく」


 知宵に肩を預けて、そのまま目を閉じると耳に声が届かなくなる。まだ起きていられそうな気がしたのに、あっさりと意識が落ちてしまった。



 ◇◇



「…本当に寝ちゃいましたね」

「はい。日結花らしいです」

「ふふ、とても可愛らしい寝顔ですね。咲澄ちゃんは」


 すぅすぅと寝息をたてる日結花を横に、篠原さんと小声で話をする。


「ええ。本当に…」


 いつもの元気さや明るさは鳴りを潜めて、年相応にしか見えない。

 …この子、まだ17歳なのよね。


「……」


 私が17の頃はどうだっただろう。ナレーションをやってみたいと思って応募し始めていた…ような気がする。もう6年も前のことだと思うと、少し懐かしい。

 6年か……色々あったわね。


「ふふ」

「知宵ちゃん。楽しそうですけど、どうかしましたか?」

「いえ…少しこの6年を思い返していたんです」


 仕事を始めて、上手くいかないこともたくさんあった。単純にナレーションそのものが難しかったというのもそうだし、一人暮らしの大変さも思い知らされた。

 私が…私自身が一人でいるのをあまり好きじゃなかったなんて、こっちにいる頃は思いもしなかったわ。


「6年というと、仕事を始めてからのことですか」

「はい。私も…よく頑張ってきたと思うんです」


 本当に。よく頑張ってきたと思う。ラジオに声当てに歌…特に拡歌はよくやった。もちろんナレーションだって。色々なことをやってきた。どれも楽しかったけれど、どれにしたって難しいことは多かった。上京して、ひとりぼっちで、わからないことだらけで、それでもなんとか全部こなしてここまで来ることができた。余裕がある今だからこそ言えるだと思う。

 振り返りが終わってからしかできないなんて、難儀なものだわ。


「そうですねぇ。知宵ちゃんは頑張ってきましたよ。ずっと見てきた私が保証します」


 柔らかい笑みを浮かべて、篠原さんが褒めてくれた。

 …やっぱり人に褒められるのは嬉しい。あまり言われることがないぶんすごく嬉しい。お父さんとお母さんも、褒めてくれるのかな……早く帰りたい。


「…ありがとうございます。篠原さんから見て、どうでしたか?私は」

「知宵ちゃんは…昔から可愛かったですよ?」

「か、可愛いって」


 私はべつにそんなんじゃない。見た目だって日結花みたいに可愛くないし、声だって可愛いより綺麗な方だし…。


「ほら、そうやって照れるところも可愛いです。よく人を見ているところとか、結構寂しがりやなところとか、可愛いところ多いんですよね。ふふ、昔から変わりませんねぇ。本当に」


 優しく笑って話すことは、私が可愛いとかなんとか。長く一緒に仕事しているだけあって、篠原さんの方こそよく見ている。恥ずかしいことを簡単に言ってくれた。


「そ、そうじゃなくて…仕事の話です!」

「あはは、そっちでしたか」


 まったく…わかってて言ったわね。性格のことはいいのよ。人に言われるとすごく恥ずかしいんだから、やめてほしいわ。


「仕事といっても、知宵ちゃんは昔からなんでもできましたから」

「そんなことないです」


 昔は本当に未熟だった。私自身ですらそう思うのだから、周りの人にとってはもっとわかりやすかったはず。


「本当にできていたんですよ。確かに今の方が上手なのは事実ですが、もともと仕事では通用していましたから」

「…ありがとうございます」


 私が思っていても、篠原さんから見てそうならそうなんだろう。

 人の意見をスッと受け入れられるようになったのも仕事を始めてからで、こうした私自身の変化も仕事で学んできたことと言えるかもしれない。


「懐かしいですね。私が知宵ちゃんと初めて会ったのは5年前ですか」

「はい。もう5年なんですね」

「ふふ、そうですね。昔は知宵ちゃんも私に心開いていなくて、どう接すればいいかわかりませんでしたよ」

「…あの頃はまだ都会にも仕事にも慣れていなかったので、警戒ばかりしていた気がします」


 仕事が大変で、新しい環境で、やることなすこと新鮮だったわ。大変だったけれど、そのぶん学ぶことも楽しいことも多かった。本当に…篠原さんだけじゃなくて、他の力になってくれた人にも感謝しかないわね。


「私もこの仕事を始めて1年経ったばかりでしたから…あの頃は知宵ちゃんのおかげで学べたことも多いです。ありがとうございました」

「私の方こそですよ。ふふ、お互い成長して今になるんですね」

「あはは、そうみたいですね。まだまだ一緒に頑張りましょうっ」


 篠原さんと二人で和やかに話をして、そのまま時間は過ぎていった。

 こんな風に、昔を懐かしみながら話をするのもいいものね。うちに帰ったら…篠原さんだけじゃなくて日結花や史藤さん、高凪さん、それにお父さんお母さんを入れた全員で話してみるのもいいかもしれないわ。



 ◇◇




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