投稿テスト
少女は一人だった。
古いアパートの一室で一人、家族の帰りを待っていた。
いつからそうしてるかは覚えていない。
ただ、家族の帰りを待っていた。
ある日、アパートのドアが開いて、見知らぬ人が入ってきた。
その人は少女を見つけると驚いて逃げてしまった。
その数日後、再びアパートのドアが開いて、和装のおじいさんが入ってきた。
おじいさんは少女を見つけると、帰ろう。と言ってきた。
私の帰る場所はここだ。と少女が主張すると、おじいさんは少女を無理やり追い出そうとした。
少女が全力で抵抗すると、おじいさんはいつの間にかいなくなっていた。
それからまた数日後、三度開いたアパートのドアから今度はおばあさんが入ってきた。
おばあさんは少女を見つけると、自分はいた子だと自己紹介した。
少女がおばあさんを見ていると、おばあさんは少女のおかあさんになった。
私と一緒にいきましょう。おかあさんになったおばあさんはそう言った。
少女はおかあさんと一緒にアパートを出て行った。
結局、悪い風評が消えず入居者のない古いアパートが取り壊されたのは、少女が出て3年後のことだった。