アルの一日 午前
5時 起床
軽く身支度を整えれば、日課の早朝の鍛錬。
たまに、同じく早朝鍛錬をしている者と手合わせをしたりする。
鍛錬を終えて魔法で体を綺麗にしたあと、出勤用の制服に着替える。
6時半 朝食
朝は2つのメニューから選べる。
Aセット:サンドイッチ(中身は3種。蒸し鶏、魚のフライ、卵)とスープ
Bセット:トースト、スクランブルエッグ、ソーセージ、サラダ、スープ
今日はAセットのサンドイッチにした。
スープは共通で、今日はカボチャの冷製ポタージュ。
受け取るときに否応にも目に入るレイの昼食を作っているらしいファラルの姿を、最近は当たり前の光景だと受け止められるようになった。
7時 出勤
城へは愛馬で向かう。
蓮華館から城の手前までは馬を駆けさせる許可が出ているので、普通なら30分もかからない道をしばらく自由に走らせる。
城下の警備担当が回って来たので外回りも無く、愛馬には走りたい思いを我慢させてしまっている。
8時 登城
実際の仕事始めは9時からだが、昨日の退勤後に城下で取り締まった軽犯罪者に関する書類はすでに届いているので判を押していく。
判を押していくのは軽犯罪のため調書の必要もなく、本人が十分に反省し、被害者とも和解しているゆえにそのまま放免とした者たちの書類である。
罰を与えたりはしないが、罪状は確定している。よって、こういった罪状がいくつか積み重なれば、それなりの手段を講じることになっている。
判を押し終わる。
今日はそれほど書類の枚数が多くなかった。
残りの時間は長期的に追っている重大犯罪集団の調査報告書をじっくり読み込む。
9時 始業
8時半を過ぎたころから文官が来始める。
彼らに声を掛けてから、訓練場に向かう。
早朝訓練を終え、教官に続いて兵たちが訓戒を唱和している間に次に行われる魔法の訓練が周囲に被害を出さないよう結界を張っていく。
唱和を終えたら、それまで訓練を指示していた教官と交代し魔法の訓練に移る。
個人個人の適性に合わせた練習に助言や課題、到達目標を与えつつ、訓練に身が入ってない兵士を手本を見せる一環として魔法の餌食にする。
そこできちんと守護の魔法でも使えたら言葉だけで見逃す。
守護を張れなかったり、間に合わなかったり、弱かったりすることが多いが、年に両手で収まる回数だけ免れるやつもいる。
いや、居た、と言うべきか。
今では毎回のように防ぎきるファラルが居るから。
10時半 事務作業
自分の訓練も兼ねた指導を終え、執務室に戻る。
消耗品の補充、新しい武具の申請、軍医からの怪我人状況の報告。
確認のサインを入れてから、朝、すでに処理したのとは別の取り締まりに関する書類を読んでいく。
こちらの書類は朝のそれよりも重大か複雑な案件を扱っており、犯人がまだ見つかっていない事件の途中報告も含まれている。
すんなりと判を押せるものもあれば、判断し難いものもある。
いくつかの事件にさらなる調査を指示して、他を裁判に回す。
12時 昼休憩
仕事に区切りをつけて、お昼に向かう。