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回想
第一章
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私は彼氏にメールを打ちながら考える。
あの人は今どこにいるだろうか。
あの人は今何をしているだろうか。
不意に誰かの視線を感じて振り向いた。
(誰もいないよね…)
「何ボーッとしてるの?」
隣で友達の琴奈が言った。
「え、いや、別に」
「だって全然書けてないじゃん、メール」
確かに、メールはおはよう、その一言だけ。
(だって気になるんだもん…)
好きになったのは中学1年の秋。入学して6カ月くらい経った頃だった。それまではそんなに絡んだりすることはなかったけど、あの時を境に私の恋は動き始めた…。