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育成期間0年6ヵ月2週間

日は真上に上り、影はどの向きにも伸びない頃。

早めの昼食を腹に詰め込み、育成所に向かう。


数日前に手に入れた食石虫は、仕込みが済んでいないため

もうしばらく待つ必要がある。


いつものように平原でコッコのステータス強化に励むのもいいが、

今回は趣向を変えて、仮想敵ドローンを使った戦闘訓練をやってみることにした。


・・・まあ、趣向を変え、などと言ってはいるが、

この時期に戦闘に関する事柄を何もしていないのは、正直言ってそろそろまずい。

というのが本音だったりする。


試験期間も半分が過ぎた。

手遅れになる前に、少しはコッコの戦い方を考えておく必要がある。


幸い、育成所に邪魔者はいない。

ほとんどの候補生にとって、基礎的な訓練はすでに必要とされていないからだ。


おかげで、どの機材も使いたい放題。


今更、こんなことで喜んでいいのかは分からないが、

使える物が有効に使える。ということに越したことはない。

そういうことで納得しておく。


仮想敵ドローンの近くに落ちている石板を手に取る。

仮想敵は、腹部の球体コアを中心に数十点の部品で構成された人形だ。

人型を基本とし、四肢を組み替えることで獣を模倣した姿にもできる。


そして、こいつはただの人形ではない。

石板に文字を書き込むことで、ある程度の自立行動を与えることも可能だ。

戦闘経験の無い従魔士と魔獣は、この人形を使って戦うことの初歩を学ぶ。


今回は、仮想敵には防御をさせておく。


コッコには、初めて戦うための指示を出す。


戦闘に関しての指示は、声ではなく指示笛を使うことにした。

指示笛の音色は、奏でる本人と魔獣以外には聞こえない。

予め、音色のパターンを魔獣に覚えさせておけば、

相手の魔獣がそれを理解することもない。

情報の秘匿にはもってこいだ。


・・・まあ、普通に大声を張り上げる奴もいるが。

そういうのは、小細工が必要ない類の連中だ。

俺のように、小細工するしか道の無い者とは根本的なものが違う。


俺の指示を受け、コッコが戦闘態勢に入った。

指示の内容は、仮想敵に対して自身の持ち得る限りの攻撃を行うこと。


しかし、なんと言うか・・・・・うん。


翼や羽毛を目一杯広げ威嚇する魔獣コッコ。

仮想敵のすね目掛け体当たりするコッコ。

とどめに、能力アビリティ「疾走」での加速を足した体当たりをかますコッコ。



・・・・・・・。



石板に浮かび上がった想定ダメージ量を確認。

ゴブリンすら倒せるかどうか怪しい数値が見えました・・・。


少しだけ期待してはいたんだが、やはり以前のクエストから大した変化はないらしい。

いくらステータスが強化されたといっても所詮その程度ということか。


・・・どうしたものかな。


コッコが人の形をしていない以上、体術などを使うことは当然できない。

となると、自身の体を使った攻撃手段は限られてくる。

コッコがしきりに体当たりを行っていたのは、

実のところ理に適った行動なのだろう。


というか、俺にもそのくらいしか攻撃方法が思い浮かばない。


だが、有用な攻撃手段が体当たりだけというのも考えものだ。

それが効かないと分かれば、詰みになってしまう。

何か都合のいい能力を修得できればいいのだが・・・。


・・・・取り敢えず、あそこで気絶しているニワトリモドキを介抱するか・・・・。



はあ・・・・・。



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