育成期間0年2ヵ月4週間
今日もコッコは盛大に転がる。
最近ではホームグラウンド化してきている平原で、俺と魔獣は訓練に励む。
コッコには、早く能力「疾走」の扱いに慣れてもらいたいのだが、
まだまだ先は長そうだ。
直線を走るなら兎も角、方向転換しようとするとすぐに明後日の方角へ転がっていく。
それに能力の使用継続時間も問題有だ。
1分も持たないのは、さすがに無い。
こればかりは指示してどうなるものではない。
発動時間を引き延ばす方法はあるが、扱いきれないのは論外だ。
最悪、トーナメントで使用できない可能性もある。
どうしたもんかな・・・。
斧を振り下ろしながら、思案に耽る。
コッコも鳥系モンスターの端くれである故に、速さに対して少しは適性があると
踏んでいたが、やはり甘い見通しだったか。
自然とため息が出る。
そもそも、今悩んでいることはコッコの移動手段に過ぎない。
試合は、動き回っていれば勝てるわけでは無い。
当然、相手を打ち倒す必要がある。
そして、今のコッコに攻撃手段は皆無である。
元々、戦闘向きでは(こいつの場合そういう問題ではない気もするが)ないコッコは
素の攻撃手段が精々、嘴でつつく程度である。
当然、魔物としてのコッコが覚える能力も、戦闘に使えるのはごく一部だけ。
魔獣である以上、何かしらの戦闘系能力を取得するだろうが・・・。
・・・・・・
また、頭が痛くなってきた。