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2章 54
何も言わない代わりに鈴城さんは目隠しを外した。
それはこの質疑応答の終わりに他ならなくて焦る。きっと、今を逃したらずっと言わないままな気がするから。
「鈴城さんっ」
焦る私を他所に鈴城さんは自らの手で私の目を隠して唇に何かが触れる。その感触は最近になって知ったもので、私のキャパなんて余裕で超えるような行為で。
「会わないって、撤回するから。それはまた今度にして」
熱い掌が離れて、朱に染まる鈴城さんの頬から目が離せない。
鈴城さんが赤くなってるなら私はその倍は赤いと思う。
小さく自信なさげな声。そんな事をそんなふうに言われたら私は引き下がるしかないじゃないか。
「鈴城さん」
「なに」
「狡いよね」
「うるさい」




