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なんて事ない普通の一軒家。
道中で喋る事なんて一つもない。
並んで歩くこともない。
どうやって飽きさせるかだけを考えていた。
「はい」
自分の部屋に通して、少し待ってもらう。直ぐにコップ2杯の麦茶を持って1つをテーブルに置いた。
「ありがとう」
そう言って岐阜さんは一気に半分ほど飲みほした。
薄ら笑いもなく、感情が読めない岐阜さんに主導権を渡したくないと思って自ら話しかける。
「結論から言って欲しいんだけど、何がしたいの」
「だから……」
なんども聞いた事。同じ答えを言おうとした岐阜さんは途中で口を閉じて少し悩む。
「私は弱味を持ってるね」
「……そうだね。あんな事するんじゃなかったと後悔してるよ」
見せ付けるようにスマホの画面をチラつかせて、私を苛立たせる。
すぐに奪って壊してやりたいけど、あの写真を持ってるヤツが、そういう事になることを想定してないはずが無いと思ったから我慢するしかない。
「私は弱みに漬け込んで命令する」
「はぁ、なにそれ。アイツらと一緒じゃん」
「待って。私は貴女に恩があるから命令を聞く」
本当に意味が分からない。
コイツの道楽に付き合えって事だとしたら馬鹿馬鹿しい。
面倒臭いし、付き合ってられない。




