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第7話 柔軟・ストレッチする話 2

 そのカエルさんの後にも、カメさんとかアザラシとかシーソーとか、演目の名前だけならまるで幼稚園のお遊戯みたいだが、身体的には結構キツそう。柔軟は得意の筈だが、やった事のない演目だから、慣れない筋が悲鳴をあげている。


 「次はブリッジやりましょう。ブリッジ」


 これまでの演目は言われても動作は全然見当つかなかったけど、これは分かる。仰向けのまま、手足を床に付けて腰を上げる。

 うわ、凄く曲がって高いブリッジしている子がいる。とても腰の位置が高い。ボクの知っているブリッジを超えている。なら、とりあえず真似しよう。


「はいそのまま、いーち、にーい……」

 動きを止める。ギュッと腰をそらして


「きゅーう、じゅーう。ハイよく出来た。そのまま起き上がる」

 何人か、そのままの状態から立ち上がる。大半は崩れる。

 でも、ボクはこれ得意だ。体操で、よくする。

 よっ! 出来た。立ち上がれた。


 まわりを見ても、出来た子、出来てない子、出来なくて勝手に再チャレンジする子達もいて、けっこう騒がしくなった。


「やっぱ凄いわ。あなた」

 お姉さんがこっち帰ってきて、ボクの動きを見て、褒めてくれた。

 その言葉聞いて、皆がこっちを見る。

 うわ、注目されるのは苦手だ。

 でも敵意的な視線ではない。好奇心だ。助かる。


「はい。この動作は好きで」

 一応、その言葉で返しておく。念の為の謙遜。


「はーい。じゃ最後にスピリッツ行きまーす」

 八木先生は手をパンパンと叩く。騒がしかったのが、すっと止んで皆、一斉に立ち上がる。


 やっと最後か。でもってみんな立ち上がっているから、立ったところからするストレッチなんだと、自分も立ちあがったまま、中央の八木先生を注目する。


「まずは右足前の5番でポーズ」

 皆、ちょっと変わった立ち方をしている。足を揃えてまっすぐだけど、交差している様な、右足は前に出しているけど。

 そうしたらお姉さんが、足の位置を教えてくれる。


「まず右足を前に出して、そのかかとに左足のつま先をくっつけて、そのかかとは内側にするの。そう」

 うわ、何かバランス取りづらい。フラフラする。


「その状態で、手をお腹に持ってきて、両手で何か持っている様な。アンナヴァンね。形はアンオーと同じ。そう、格好良いわよ」

 フラフラしてボク自身は格好悪いけど、来ているみんなは、本当にバレエの立ち方をしていて格好良い。ボクも練習したら、あんな格好良い立ち方出来るかな?


「そうしたら、手を上にして、アンオー通って、ゆっくり下ろしながら、つま先を前にー。はい出来ましたか?」

 右足を前、左足を後ろにした股割りかな。お相撲さんとか一塁手ファーストの選手がする様な。

 下に降ろした手を床に持って行き、両足を前後に開いて1の字を描く。さすがに180度のまま完全にお尻がペタンと付くのは無理だ。膝を横向けたり曲げたりはダメなんだよね。そのまま両手を床に着いて身体を支える。

 ああ、いっそ体操みたいに、両足を浮かせるように身体を持ち上げたい。


「背筋を伸ばしてつま先も伸ばして、前にー」

 身体を前に、倒していくが、これも両手を床で支えながらじゃないとフラフラする。


「そして後ろ。天井から後ろを見てー、後ろ見えるかな?」

 うわ、ちょっとキツイ。さすがに身体が痛いし、バランスも取りづらい。


「起きたら今度は前~。諦めないでもうちょっとー。後ろ~。ハイ、じゃあ立って。今度は反対の足で」

 一回、立ち上がる。痛かった股関節の筋を少し休ませて、また立ってポーズ。あ、足が逆になるんだ。左足が前に。


「両手を上から下ろして、つま先を前に」

 さっきとは逆の足を前にして、前後に。両手で床を持って支えながら、前に、後ろに。

 コレ、かなりキツイ。回りを見たら、やっぱり皆、フラフラ。

 それでも掛け声に合わせて、身体を前に、後ろに。


「ハイ、よく出来ました。それでは最後にご挨拶します。5番で立って」

 さっき教えてもらった立ち方で、腕を前に。アンナヴァンだっけ?


「では、これでストレッチ終了です」

 そうしたら皆、その5番のポーズから足を一つ分前に出してつま先までピンと伸ばし、手を上からくるっと横に降ろしながら両手を広げて一礼。

 最初に八木先生がしてくれたお辞儀だ。やっぱり皆、するんだ。

 スカートはないけど、カーテシーの様な優雅な一礼だった。そして、

「「「ありがとうございました!!」」」皆で、声を揃えて挨拶。


 え? え? と思いながら、遅れて同じポーズを取って礼をした。

 ボクも、優雅に決める事、出来たかな?

「良く出来たね。とても素敵よ。最後はキツかった?」

 お姉さんに言われて「はい」と頭を下げた。

 褒められて、嬉しかった。


「身体柔らかいね。ポーズはぎこちないけど、すぐ覚えるわよ」

 そう言いながら、また皆を見て回って行った。


 ここにいる子達は、皆、小さいのにしっかりと良く出来ている。

 ボクより年上の中学生くらいのお姉さんも何人かいるが、多分ボクは年上の方だろう。身長だけなら、かなり高い方だと思う。

 柔軟だけなら、かなり良いところまで行っていると思ったけど、それだけで、各種の決めのポーズがダメダメだ。

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