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最終話 お姉ちゃんに、ちゃんと報告する話

「だーからー、この時の振りは大きくね。そして後ろ足上げて、もっと高くまっすぐ。でもって、心持ちキープ」

 皆が集まったところで、そう言いながらユイは手本を見せる。

 さっきネギが踊った、金平糖の精だ。


 やはり年上で経験も長い。しかもこのバリエーションでコンテスト踊った事もあるからか、どうしても細かい所のアラが目に付く様だ。

 今後、このバリエーションをマスターする必要あるかどうかは別として、悪い部分を指摘して直すとしたら、良い機会だ。


「えと、こうかな?」

 それを見ながら、ネギも踊ってみる。

 微妙に経験の差か、技のキレがちょっと足りない気がする……。


 花江はその両方のパを見て首を傾げる。

 正直、どっちがどう? って微妙に分からない。

 でもそれを言ったら他ののリアクションも似たようなものだ。


「でも金平糖はキーも一度、やってみたくなったのだ」

 そう言いながらキーちゃんも、その金平糖をマネして踊ってみる。トウシューズはまだ履けないから、ドゥミ・ポアント……つまりは足の指立ちだ。


「あたしぃ、金平糖よりオーロラしたいわぁ」

 花江は、うっとりとした目でつぶやく。

 眠りの森の美女のオーロラ姫のバリエーションも、1・2を争う位に人気が高い。 


 そんな時。

「ネギお姉ちゃーん」

 向こうで先生としゃべっていたアユミがこっちに走ってくる。


「え?」

 ネギは練習を中断。

 そこへアユミは滑り込んできて、ネギの両手を掴んで握る。


「どうしたの? アユミちゃん」

 アユミも来たのは良いけど、あわてて来た為か息を切らしていて、少し息を整えた後、

「あのね。ボク、来週からも続けて良いって」


 そう言われたところで、ネギ以外はアユミが来週からも来る事を確定事項と思っていたから『何で?』っていう表情。


「え? そうなんだ。良かった!」

 でも、ネギにはあの体操・平均台する時の思い詰めた表情があったから、そしてその事も一旦は受け入れていたから、そのアユミの言葉は正直嬉しい。


「じゃ、これからも私、お姉ちゃんだね」

 思わずアユミをハグした。

「ひぃやぁっ!」

 歓喜なのか、当惑なのか、びっくりしたアユミだったが、落ち着いてネギのハグを受け入れていた。


「あ、そーだー。アユミちゃんもぉ中学に上がるしぃ、もしクラブ活動とかしないんだったらぁ、平日の私達の自主練に誘ってもいいんじゃない?」

「でも多分、アユミちゃん校区違うでしょ。場所とか時間とか、色々調整が必要ね」

「でも多分ー、大丈夫な気がするぅ」


 アユミのバレエは、今、始まったばかりだ。 


  ―― 終わり ――

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