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第14話 ジュニア・ユース組を見学する話

 中央のジュニア・ユース組では、そんな観客ギャラリーが増えて、一瞬『おおっ』て反応はあったが、平常に持ち直して、むしろボクや小さい子達に見せるために張り切って演舞している感じになった。


 ボク達 観客ギャラリー組も、そんなお姉さん達の演舞を感心して見ている。


「凄いでしょ。アンジェヌマンって言って、色んなパを組み合わせて効果的な練習をするのよ」

 小さな声で教えてくれる。


 色々なテクニックの技が目まぐるしく変わる。

 音楽に合わせ、華麗なポーズを決める。

 あ、ネギお姉ちゃんだ。ひときわ高いというのもあって目立つが、同時に他の子に比べてひときわ上手うまい。表情も良い。とても楽しそうだ。

 あ、目が合っちゃった。見ていたのがバレた。くるっと回ってウィンクされた。

 うわ、ちょっと照れる。他の子の方を見よう。

 あ、キーちゃん。他の子に比べて小さいけど、結構 上手うまい。やっぱ、年期あるっているのは違うんだな。

 多少は上手うまい子、上手うまくない子が入り乱れてはいるけど、こうして一緒に踊るとまた凄い迫力。これが一体感?


 ボクも練習をずっと続ければ、この中に入って踊れるようになるのかな?

 え? ちょっと待って。


 ふと観客席ギャラリーの中のママが見えた。


 ボクは今日ママに、今日だけだよ、絶対だよって啖呵たんか切っちゃった。

 そう、ボクは今日だけの体験コース。

 今日だけなんだ……。


 そう思うと、ちょっと悲しくなった。

 せっかくみんなと仲良くなれたのに。

 お姉ちゃんとか、妹も出来たのに。

 バレエが面白いって思えたのに。

 これまで打ち込んできた体操での嫌な思い出も忘れられそうなのに……。


「あら、どうしたの?」

 ボクの沈んだ表情を見てか、ユイ先生が話しかけてくれた。

「いえ、何でも……凄いな、こんな事ボクも出来る様になるかな? って思って」

「大丈夫よー、貴方ならすぐにでも」

 そう言いながら背中をパンパンと叩かれた。


 違うんだ、とは言えなくて、顔を膝で隠した。

 こんな意地なんか、張るんじゃなかった……。


      ☆


 ジュニア・ユース組の練習も終わり、テディ組も集まって集合した。

 

「さて、」

 終わって、八木先生はぐるっと皆を見回った後、ふとボクの方を向いた。

「今日は磯崎さん、初めての練習でしたが、どうでしたか?」

 いきなり、振られた。


「あ、あの、難しかったです……」

 そう言うのが精いっぱいだった。


「初めてにしては、良く付いてこれました。みんな、拍手~!」

 あ、皆からパチパチと拍手や「頑張ったのだ」とか「良かったよぉ」とかの声援。


「では、今日のレッスンは、これで終わりです!」

「「「ありがとう、ございました!!」」」

 解散になる。 

 終わっちゃう。


「あ、あの!」

 ボクは思わず、その中で声を張り上げてしまった。

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