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第10話 バーレッスンする話 2

「じゃ、またプリエで、1番! その後、ポール・ド・ブラ入れるから。まず手本を見てちょうだい」

 八木先生が、先程と同じ1番のドゥミ・プリエする。

 その後、またプリエを繰り返すのではなく、お辞儀をする様に身体を前に曲げ、それから後ろに反り返る。

 すべてこの優雅な音楽に合わせて。


「手の動き入るから、動く方の手は外して。バー正面に向かったままでいいから」

 と、お姉ちゃんに言われて右手をバーから離された。


「多少、ふらつくのはいいわ。慣れるようにやってみて」

 プリエそのものは、ちょっと慣れたかな、と思うけど


「それじゃ、いくよ」

 音楽に合わせて、まずは1番のプリエ。もう皆と同じ様に上半身の動きも入れながらで。

 そして前屈。上げた腕をゆっくり下す様に。


「曲げるとき、息を吐いてね。でもって視線は右手を見ていて」

 お姉ちゃんから指摘。大丈夫、その動き、分かる。

 プリエの時と同様に、斜めに上げた腕を身体と一緒に倒していく。前屈だ。


「お尻出ているよ。突き出さない様に」

「あ……♡」

 ポンポンと、お尻を撫でられた。

 足は真っ直ぐ延ばしていたが、少し斜めになっていた様だ。横にお尻が突き出ている様にも見える。

 足を垂直方向に修正。姿勢を正す。

 そして音楽に合わせて上半身起こす。


「右腕アンオーね」

 手を直される。同時に言われていた様に、その手に合わせて顔が上に向く。


「うしろー」

 身体を反らす。手が上にあるから、自然に顔も合わせてそちらを向く。


「第2は、横に倒すからね」

 八木先生の手本。

 まず2番でプリエした後、さっきは前に倒す動きだったのが、今度は右腕を左の方に曲げて倒す。そういや、こんなラジオ体操の動きあったっけ。

 流石に視線はずっと右手ではなく、自然に曲げる方向にという感じか。

 足のポジションが変わると、曲げ運動の内容もも変わるんだ。


「じゃ行くよ。2番プリエー」

 音楽に合わせて、さっき八木先生の手本通りに動かしてみる。

 ちょっとずつ、慣れてきたかな。動きがサマになってきた様な気がする。


 右へ曲げる運動では、バーを持つ手を左手に変えて右に身体を曲げる運動を。

 みんなは右にバーが無いから、この運動だけはバーの支えなしになる。

 ……でも、みんなフラつかないな。何故?


「4番・5番は、一緒ね」

 と八木先生は言いながら、足を4番の互い違いにそろえてプリエする。

 プリエの後は1番の時と同様に前屈だ。

 でもその後、後ろには倒さず2番と同様の左に倒す運動をして、真正面を向いて終了。腕はアラスゴンド。


 何か、凄い。

 立った状態での柔軟なんだけど、本当に身体が柔らかくなった気がする。


 体操なら、都度筋トレ的な動きが入るんだけど、バレエは優しい。

 ……って言っても、身体が固い人から見たら優しくもなんともないのかもしれないけど、ボクには凄く優しく感じた。

 身体に優しいというより、動作が傍から見て優雅。時にキツイ動きもあるのかもしれないけど、あくまでも表情を含めて優しくって感じなのかな?


 本当なら、もうちょっと高度な事する筈なのを、多分私の為に分かりやすくしてくれているのかな?。頭は若干混乱しているけど、動きには何とかついて行っている。動作も表情も、多分、優雅からは程遠いだろうけど。


 5番プリエ&ポール・ド・ブラが終わったら、またもう一回1番から繰り返した。

 一回やった動きだ。ちょっとはマシな動きをしないと。


 サポートは無くても大丈夫みたい。

 ネギお姉ちゃんは腕を組んで、しっかり見ていてくれる。


「次はダンデュね。1番から」

 プログラムがプリエから別の動きになった。


 1番ポジションで右足を軸にして、左足を移動させている。

 屈むのではなく、片足を移動させる動きなんだ。

 ピンと伸ばして前につま先は床に付ける。で戻す。ピンと横。戻す。ピンと後ろ、戻す。

 なるほど、足の捌き方か。


「もう一回」

 同じく1番から前・横・後ろと来るんだけど、横の終わりで

「次、4番の前」と声がかかった。

 1番の後ろの後、1番に戻すのではなく4番での右足の前に左足を戻した。


「そのまま4番ー」

 4番に戻す形で、また一周ダンデュをする。そしてまた横の終わりで


「次、4番後ろに」と声がかかった。

 じゃ、足は前じゃなくて、後ろのポジションに戻すんだな。

 それでやってみる。

 周りを見ると、普通にダンデュだけでなく、腕をぐっと上げてポーズ取る様にダンデュする子もいた。見せつけているのか?


「あ~、勝手な動きして!」

 それ見て先生が苦笑いしているけど、怒って注意している訳ではない。

 バレエは群舞だから、本来全員が同じ動きをしないといけない。

 でも、おそらくボクに見せる為、というのもあって特別なのだろう。


「次、ダンデュ&ジュテ」

 これは4番から始まった。2回前にダンデュして3回目は宙に浮かせて伸ばした。4回目も。そして、それを横に、後ろに。

 その後、フォンデュしたり、フラッペしたり、ジュテしたり、デヴェロッペしたり。名前言われても、何がどうなのか分からない。ひたすら皆の真似をしている。


 これらはおそらく基本。

 本当に、基本中の基本かもしれない。

 でもその基本が大切なのだろう事は分かる。そして、それを繰り返す練習が重要なのだと思う。基本ばっかりだけど、さしあたって周りから不満は出てい無い。


 最初はずっと横で付いていてくれたお姉ちゃんも、もう他の子とか見る為に回って行った。その代わりに動きが悪い時、回ってきたそのユイ先生が小さく注意してくれた。流石にネギお姉ちゃんより年上だけあって、しっかりした感じ。


 改めて回りを見ていると、 実際にその基本がしっかり出来ていなくて、ユイ先生やネギお姉ちゃんから修正入っている子も、そこそこいる。

 デヴェロッペなんかはかなりオーバーアクションだから、見様みよう見真似みまねでも全然決まらない。何回か繰り返した


 ふとそのデヴェロッペ、横に対して止めが入るとY字バランスみたいになるけど、何となく『こうかな』って決まったと思ったら、周りから拍手が来た。

 いや、Y字バランスは体操で経験済みだし、出来も皆に比べたら全然凄くなんかないんだけど。


 そうやって一通り回ったら、色々と組み合わせたり、前屈おじぎみたいなの入れたり、もう必死で付いて行った。

 何か怪しい動きを必死でマネしていると、先生じゃない周りからも、励ましの声が来る。でも改めて、そういう事に先生も注意しない。多分、今回だけの特別なのか、この教室がユルいのか。

 そんなに励ましの声に応える様に、しっかり付いて行く。それほどハードな動きした訳でない筈なんだけど、もうヘトヘトだ。


 でも何だろう。凄く楽しい! 本当に楽しい!!

 体操と同じようで、何か全然違う。

 あ、そうだ。音楽だ。音楽に合わせて身体を動かしているからだ。

 体操でも床運動で音楽かけるけど、普段の練習にまで音楽はかけない。


 その後また、プリエとか基本をぐるっと一周した。何回かした動きだから、少しはマシになったかな?。

 難しいポーズが出来たら嬉しい。しかも、それが上達できていたら、もうそれで皆の仲間になった気がする。


 何度目かのデヴェロッペ・Y字バランスで、先生は手をパンパンと鳴らした。

「はーい、そこで終了~」

 そう言って、CDの音楽を止めた。


 結構長かった。ちょっと息が切れている。


「それじゃ、センターレッスンに入るから、またバーをもとの位置に戻してね。終わったら、ユースとジュニアは一緒で中央にね。ユイちゃんは、そっちでテディクラスの面倒見て。今日はまた基本の立ち位置から」

 そう言って先生は、端の方を指さした。

 ユイさんは、バーが低い子たちの方に移動している。


「それと」

 八木先生は、なぜかこっちの方を向いた。


「アユミちゃんは、初めてだからテディクラスに交じってね」

「え゛!?」

 やっぱボク、そっちの仲間入り?

 ちょっと恥ずかしい。


「大丈夫よ。何回かやって基本覚えたら、ジュニアに交じれるから」

 ネギお姉ちゃんが、慰めの言葉をかけてくれる。


「じゃ、さっさと片付けるわよぉ」

 花江さんがバーを持ち上げようとする。さっと、その後ろに入る。

 少し重いけど、2人でも何とか運べる。


「じゃ、後でね」

 そう言いながらネギお姉ちゃんは、別の子と一緒に低い方のバーの片づけをする。

 2往復したら何とかバーは片付いて、広くなった真ん中に小学校高学年と中学生ぐらいの子たちが集まっていく。やっぱりキーちゃんもそっち組だ。 

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