扉
ヒスイとアリッサの父は2人で協力して、扉を完成させる。ヒスイが国王に許しを経て魔法で作られた扉を大木に設置した。
「よし! 完成だ!」
「わぁ! パパ、ヒスイさん、ありがとう!」
「ありがとうございます、お父さんにヒスイさん!」
ヒスイとアリッサの父は笑顔で頷く。何だか2人は似ているのかもしれない。
「扉の先は真帆の神社の森林の大木に繋がっている。これでいつでも行き来出来る」
「これで寂しくないね?」
「そうだね」
真帆とアリッサは手を握りあって笑っている。
「さて。真帆……名残惜しいとは思うが、そろそろ出発しよう」
ドクンと真帆の心臓が飛び跳ねた。
――行き来出来るようにはなったけど、やっぱりいざとなると、離れがたいな。でも、あっちでお父さんとお母さん達も心配してるはず……。
真帆はヒスイと視線を交わし頷いた。
「そうですね」
「お世話になりました。また来ます」
「ええ、いつでも待ってるわ」
「そうだね。いつでもおいで」
「あたしもそっちへ行くから、その時は案内してね?」
「もちろん! それじゃあ、また」
真帆は皆へ笑顔で手を振る。ヒスイと真帆は扉を開き中へと入って行った。
パタンと扉が閉まる軽い音が響く。まだお昼位だ。
2人で森林に入ると小鳥が飛び立って行く。神社の境内へ出ると父親がいた。参拝客は今はいない。
「真帆?」
「お父さん!」
真帆は父の元へ駆け寄る。父はそんな真帆を受け止めた。
「真帆! 今までどこにいたんだ!?」
その声は今にも泣きそうな声だった。
「ごめんなさい。私、異世界にいたの」
「異世界?」
「うん。それで……お父さんが……本当はお父さんじゃないことも知って……本当のお父さんにも会ったの」
真帆を抱きしめる腕に力が入る。
「そうか……ごめんな。真帆。そのことはあの日、話すはずだったんだ」
「うん……確かにショックだったけど、でも、私のお父さんはアリッサちゃんのお父さんじゃなくて、お父さんだと思ってるよ」
「真帆……」
「真帆!」
「お母さん!」
母は真帆を見ると真帆の元へ駆け寄って来た。父から離し今度は母が抱きしめる。
「ごめんなさい、心配かけて」
「一体どこにいたの?」
「異世界に……」
「え?」
明らかに母の声が変わった。
「本当のお父さんに会ったの」
母から小さく息を呑む音が聞こえた。




