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おとぎの国の娘  作者: 宮守 美妃
13/30

魔物

 真帆とヒスイは妖の国へ入った。周りは優しい笑顔を向けてくれる。


「ヒスイ様! 真帆様!」

 真帆もヒスイと一緒に笑顔を向ける。


「ヒスイ様?」


「ん? 様はいらない」


「え? でも……じゃあ、ヒスイさん?」


「それで良い」


「今日、これからどうしますか?」


「ひとまず、近くの宿へ泊まろう。城は少し遠いからな」


「分かりました」

 ヒスイの手の甲と真帆の手の甲がぶつかる。ヒスイは優しく真帆の指に自分の指を絡めた。


「え?」


「嫌……か?」


「いいえ」


「そうか」

 安心したような瞳が真帆の瞳と重なる。


――何かドキドキする!


 最近はヒスイの顔を見るのも大変だ。意識して心臓がもたない。



 2人でお食事処で食事をして、木造造りの宿を見つけ1部屋借りた。くつろいでいると、ドアをノックする音が聞こえる。


「はい」

 真帆が出ようとするとヒスイが止める。


「待て。何か怪しい。何者だ!」


「……流石だな。王子」

 という言葉と共にドアが開いた。魔法使いの男性が立っていた。ヒスイは真帆を守るように力強く抱きしめる。


「あの街はもう、終わりだ」

 それだけ告げて男性は去って行く。


「あの街って……」


「魔法使いの国だ!」


「え?」


「伝説の真帆を追い出し、人間に濡れ衣をきせ、すべてを真帆のせいにしようとしたんだろう」


「そんな……」


「戻ろう!」


「はい!」


「ああ……いや、真帆はここにいてくれ」


「嫌です!」


「しかし……」


「自分のこと位自分で守ります!」


「分かった……行こう」




✧ ✧ ✧




 魔法の国へ戻ると街は魔物で溢れかえっていた。魔物は以前会った魔物と同じ魔物で、魔法使いの人々を襲っている。それぞれが魔法を使って立ち向かっているが、なかなか手強いようだ。

 アリッサの家へ向かうと、魔物が暴れていた。

「アリッサ!」


 母親が叫んでいる。魔物はアリッサの後ろにいた。


「危ない!」


 真帆が神力を使うと、アリッサの後ろの魔物が跳ね飛ばされた。


「真帆さん!」


「大丈夫?」


「ありがとう!」


「2人共、よそ見しないで!」

 母親が声をかけてくる。魔物が真帆とアリッサめがけて突進してくる。


「えい!」


 アリッサが魔法を使い魔物を倒し、真帆も神力で戦う。ヒスイも一緒に魔物をやっつけた。魔物が減ってきたその時。ヒスイが後ろから襲われてしまった。


「ドサッ」


 音がして振り向くとヒスイが倒れていた。


「え? ヒスイさん!? ヒスイさん! しっかりしてください! ヒスイさん!」


 真帆の声が辺りに響いていく。真帆はヒスイに駆け寄る。真帆の体から白い光が溢れる。魔物は消滅した。ヒスイの意識はない。

 

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