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真央ちゃんと姫

頭の中では、10数話位で一部完となる予定です

「俺もっと強くならなきゃな。」

狼人のユウショウは、普段はほぼ人のような姿だ。ただ力の解放で狼のような姿になる。世間的には狼男という。ただし狼人には女性もいる為、狼男とは呼ばない。

本来、力の解放により人の数倍もの身体能力や牙や爪を得て強者になる。

しかし真央との出会いの時もそうだが、その能力を活かし切れずに兵士如きに後れをとった。

真央から、名前をつけてもらい目をかけてもらっている。

その期待に応えられてない自分に苛立つユウショウ。

この不甲斐なさに追い打ちをかけることがおきた。

「魔王様・・・それは・・・」

「めめちゃんだよ!」

「フンガ―」

ゴーレムの肩に乗り村に戻ってきた真央。真央は笑顔で足をプラプラを動かしている。

これは、最高の手下が出来たという笑顔か!しかも名前まで与えて・・・

ユウショウは、ガックリと肩を落とした。

「そうだ、ユウショウ!もう何日もお風呂に入ってないんですけど、近くに風呂か温泉でもないの~?」

「風呂?温泉?」

首を傾げていかにも解らないアピールをするユウショウ。

もうこのハロウィンの設定は大変だが、めめちゃんまでしっかり参加してるし、付き合う真央。

「じゃあ、せめて水浴びでも出来る場所がないかなあ。」

「それなら、向こうの方に川があります。そこの水で水浴びが出来ますよ。」

「よ~し、めめちゃん。ちょっと川に行こう。」

「フンガ―」

「私もお供します。」

歩き始めた、めめちゃんを追いかけようとするユウショウ。しかしめめちゃんの足が止まり、肩に乗る真央が振り向く。

「えっち!真央たちの裸、覗くなんて~。」

ペロッと舌を出す真央をみて、はっと気が付く。

「あ、いえ・・・」


「めめちゃんも入らない?」

めめちゃんを誘うが、流石にあのコスプレ。着脱が大変だからかなあ。めめちゃんは首を横に振り断りを入れた。

俺は見守りますよ、魔王様。めめちゃんと呼ばれ続けるゴーレム。否、本来は2代目魔王は、真央に害が及ぶ事が無いように戦闘準備モードで辺りを見渡す。

が、スルスルと着ている服の全てを脱ぎ、裸になる真央を見てしまう。

さらに、水浴びで顔の化粧を落とす

「フ・・・フンガ―!!」

「めめちゃん・・・そんなに、ジロジロ見られると恥ずかしいよ・・・」

真央自身は子供のような体型というのは自覚している。ほぼ無いに等しい胸に、他の部分は何故か肉付きがいい。

出るはずのない、鼻血を出し、ゴーレムの大きな巨体が倒れた。

「あわわわ~、めめちゃん!」


「何者だ!」

ゴーレムの倒れた音に反応し、偵察にきた姫とテンプルナイツの3人が馬を走らせて、川で心配そうな顔をした真央に遭遇する。

「ぎゃ~!」

ほぼ無い胸を隠しながら、膝を曲げ、体を川の水の中に入れ少しでも肌を隠そうとする真央。

「何者だと聞いている!」

立派な鎧を着た、女性騎士が真央を睨むように見る。馬の上から、しかも剣を真央に向けてくる。

「あう~、天野てんのです~。」

女性騎士の威圧的な言動に真央なりに上級生への対応をした。

『なんだ?この子供みたいな顔は・・・』

真央の顔を見て不思議な感じを覚える女性騎士。

「そうか、天の・・・ん??て、て、て・・・天の者!!」

驚く、女性騎士。女性騎士は周りにいるテンプルナイツの顔を見る。

「ひそひそ・・・ひ、姫。たしかにこの子は天の者です」

「ひそひそ・・・ただの子供では?」

「ひそひそ・・・いえ、私が法国に使徒として出向いた時にあのような、子供みたいな大人の像が女神として飾られてました。」

「ひそひそ・・・そうです、姫。人だけでなく、動物や魔物ですら、小さい時は可愛いでしょう。それは、防衛として、そして自然と愛される為と言われています。大きな姿で愛くるしい顔など、天の者としてしかありえません!」

「あの、ありえない鼻の低さ・・・もはや人ではございません!」


・・・うん、ひそひそ話は聞こえないけど、最後の言葉だけは聞こえた。もうあれって悪口だよね、ね。

少し、ムッとした顔をする真央。

姫パーティー一同がハッとして馬上から降りて、片膝をつく。

「失礼しました。しかし、天の者がどうしてここへ。」

「水浴び中です~。ちょっ、(恥ずかしいので)こっちこないで!」

テンプルナイツの1人が倒れているゴーレムを見つける。

「な、ゴーレムが・・・」

あの屈強なゴーレムが倒れいる。まさか、この女神が倒した?

1人のテンプルナイツの言葉に一同が反応してゴーレムを見る。

「うおおおい!、こっち見るな!あっちいってよ~。」


次回「真央ちゃん最強の武器を持つ」

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