第十四話 解除
投稿できてなくてすみません!!
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----6日後
まだ日が上がりきっていない早朝。そんな時間に一足先に平原に向かう。
王様たちや皇帝たちは来ていない様だ。
別に準備とかそんなの必要ないから、王様たちに合流して王様を守りながら一緒に来ても良かったんだけど、王様を守るのは近衛兵だから、俺が入ったところで無駄だし、統率が取れないだろうからかえって足手まといになる。
だから敢えて俺はここまで自由行動をしていた訳だ。
上空でヘルクレットが見てくれてるから王様たちもしくは、皇帝たちがピンチに陥ったら助けに行ってくれるはずだから安心だ。ピンチに陥るなんてまず、有り得ないだろうけど。
ちなみに確認したのは一部だが、氷漬けにした兵士さんたちは、それぞれ人間の姿に戻っていた。
戻っていたのが一部だけだったら、打首じゃ済まないほど大変なことになるけど……
今ふと思ったけど、兵士さんたち服着てたっけな……
来てなかったらどっちがどっちの兵だか分からなくないか?
……おっ、お願いしてたし、事情を説明すれば、兵士さんたちがそれぞれのとこに行ってくれるだろう。
責任?そっそんなもの知らないね!!
……記憶喪失とかに陥ってる人居たら、王様に頼んで保護してもらう様にしておこう……
たかだか、王様と繋がってる冒険者如きに出来るのは、王様に縋る事だけだからな……
これ以上考えると自分の無力さで、打ちひしがれてしまう。
俺には俺の良いところがあるんだから、そこを活かしていかないとな。
自分の良いところなんてまだ分かってないから、活かすもなにもないけどな。みんなを守れるなら死んでも構わないと言うのは嘘で、今となっては死ぬのが怖いさ。
だから、もう、死なないようにしつつみんなを守れればそれで良いな。
どうせ、後は人類滅亡組織の残党さえいなくなれば、ほとんど危険はなくなる。
死んで欲しいわけではないけど。
報いさえ受けてくれればそれで良い。
っと話が大きく逸れた。
時間帯は……日は完全に姿を表しているけど、まだまだ朝は始まったばかり。
王様たちもまだ着いていない。
ちょっと早く来すぎたな。と若干後悔する。
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----数時間後
今更思ったけど王様たちも来るのは転移で良かったんじゃ……?
受け入れ態勢とか、色々面倒ごとがあるんだろうけど……
両方とも半刻前くらいに平原に入ってたのを、確認したってヘルクレットに教えてもらったからもうそろそろだと思うけど……
お、きたきた……?
「一週間ぶりだなリルグレイシア殿。此度は期待しておる。頼むぞ」
「はっはい。お任せ下さい」
皇帝が着くなり俺の肩を叩きながら、激励してきたので返事をする。
王様はそっけなく「任せた」とだけ言った。
普段から会ってるから、今更言う事はないってことかな。
双方の準備が終わるまで待ち、終わったくらいを見計らって喋りだす。
「それでは始めます」
ここまで大々的にやってるけど、やること自体は単純かつすぐさま終わる。
小声で『癒神』と呟くとシステムがそれに反応する
【NAME:RILGLAYSIAはスキル『癒神』を発動】
戦闘補助スキルと支援スキルがあり、支援スキルはバトルフィールド外でも減衰等がない。
つまり、支援スキルである『癒神』は減衰することなく、そのままで回復力や広域化ができるという訳だ。
ま、恐らく溶けたばっかりだから魔物化してた勢いで他者とぶつかり、傷つけてしまうって可能性を考慮してのことだ。
死んですぐの状態で保存していたら、恐らくだが、そのまま消えてしまう為、再生は出来ないだろうけどね……。
これは予定にないことだから、俺からの贈り物ってことだ。
炎魔法を平原全体に行き渡るように発動し、気温が若干あがり、広域化した回復魔法も合間って心地よくなる。
今は氷魔法を使えるが、コールドスリープをしたときは、水魔法による氷属性でやったので、解除もそちらでやる。
炎魔法は氷から解除されたばっかだし、恐らく服がね……破けてしまっているだろうからね……。
じゃ、解凍しよう。
景気づけるために、指パッチンでやっとくか。
俺こういうのやりたかったんだよね……。
攻撃するためじゃなく、助けるためだけど。
パチンッ
キレイな音を立てて指が鳴ると同時に、パリパリッと氷が割れる。
割れてちょっと経つと、ドスッという音が聞こえてきたり、「えっ?えっ?」と言う声が聞こえてくる。
さて、ここからは王様たちの仕事だ。
とは言え、遠く離れたところにいる人たちには、何がなんだか分からないだろうから、方向を指示しよう。
一緒に向かいたいところだけど、他にも遠い人が沢山いたときにそうすると、どんどん離れていってしまってたどり着けずに死。という可能性がある。
それだけはできる限り避けたい。
もしかしたら、向かってる最中に死という可能性もあるかも知れないけど……
困った時の神頼み。はしない。
この世界では、助けてくれる神様もいるだろうが、それに頼ると、頼んだときに助けてくれなくて、神様のせいにして、落ちぶれていく人間にはなりたくない。
だから神様が助けてくれたことは、「運が良かった」と処理することにして……
いやこれはどうでもいいか。
今は案内することに集中するとしよう。
今年一年読んでいただき、ありがとうございました!!
来年もよろしくおねがいします!!