表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Xmate -クロスメイト-  作者: 紅弥生 
第六章 世界冒険編終
92/104

第十一話 皇帝との再会

 帝都に着いた。

 そのまま皇帝の宮殿へと向かい、門番さんに陛下に書いてもらった紹介状を渡す。


「なるほど。ところでそちらの方は……」


「旅の仲間ですが、今は護衛をしてくれています」


「なるほど。ではしばらくこちらでお待ち下さい」


「分かりました」


 そういうやり取りをすると、別の人が紹介状を持って走っていった。

 こっちの時間はたっぷりあるから、暇じゃないなら別の日にでもくる。

 いつ空いてるかさえ聞ければいいかな、と言うことを考えつつ待つ。

 そして、数十分経ったあと走っていった人が戻ってきて門番さんに伝える。

 戻ってきた人が耳打ちをし、互いに頷きあって、門番さんが説明をしてくれる。


「皇帝陛下がお会いになるそうです。私が案内致しますので、付いてきてください」


「分かりました」


 わぁ。暇だったのか。

 いや、こういう言い方は失礼だった。

 時間を割いてくださったのか。

 まぁ、ハウロスジェーンとの戦争のときに起こった災難で、失った兵力がほとんど帰ってくる。と言うのだから無視できないことだろうね。

 とりあえず、当たり前だが失礼のないようにな。

 陛下とは何度も会っているから多少は失礼なことしても許してくれるし、裏世界でのコーストロア王国でも実感はなかったが失礼なことをしていた部分もあっただろうな。それを見逃してくれていた。リビドスポア国の王様は……ちゃんとこっちは王族として対応していたのに、何故かあちらが顔色伺いながら対応していたからなぁ……よく分からない。そりゃぁ、俺が巨大化したやつを見たらそうなるだろうけど……そんな俺の気分を少し害したから殺すとか。そこまで気短くないわ。

 人類滅亡組織ヒューマン・エクスティンクションの惨殺の件。あれは今までの積み重ねで、何かが吹っ切れてたけどさ……

 それは置いといて、皇帝は失礼なことを気にしまくるかも知れないからな。

 一度会っているとはいえ、あれは緊急時だから失礼なことしていたところで。って話だからな。

 そんなことを考えていると、いつの間にか応接間の前に着いていたようだ。

 何故かデジャヴを感じるが気の所為だな。

 案内してくれた門番さんがノックをすると、中から声が聞こえてくる。


「ハウロスジェーンからの使徒リルグレイシア様とその護衛の参上でございます」


 扉が開かれ門番さんと共に皇帝の前まで歩く

 そして跪き、頭を垂れる。

 そこまでしたところで皇帝が口を開く。


「そこのもの。ご苦労。自分の役目に戻るが良い」


「はっ」


 門番さんは立ち上がり、戻っていく。

 門番さんを見送ったあと、俺に話しかける。


「さて、久方ぶりだのリルグレイシア殿」


「お久しぶりでございます、皇帝陛下」


「いつぶりだったかな」


「約半年ぶりでございます」


「もうそんなに経っていたのか。まぁ、そんなことは良い。本題に入ろう。半年前のことは、ガーレングの方から多少話を聞いておったから知っているが、今回の件はそのことか?」


「流石のご明察。左様でございます」


「世辞は良い、本筋を話すが良い」


「はっ。この度は、半年前の兵士の魔物化現象の元凶を突き止め撃ち倒した為、恐らく兵士が元に戻っていると感じ、それによって氷魔法による封印を解除しても良いと判断したため、魔物化から下に戻った兵士たちの保護をお願いしたく参りました」


 こんな元凶倒したから元に戻ったー。なんて胡散臭い話を信じられる訳ないけど、ほんとに解除薬とかも持っていないから証拠示すのはほぼ解除してからじゃないと不可能だから……


「ふむ。そこな証拠もない状態で我に信じろと?」


「……すみませんが、そうなります」


「おぉ、困らせてしまってすまぬな。あちらがそなたの案に乗っている時点で我らも同意しようと思っておったのだが、念の為、貴殿を試させてもらった」


 うっそだろ……

 こんなんで良いのかよ。

 試されるのはいくらでも構わないけどさ。

 自信はなかったと言えば嘘になるけど、嘘くさい理由で信じてくれるなんてな。

 いや、ここは陛下様々だな。


「そこでだが、ハウロスジェーンはいつ行うつもりだ?」


「陛下は帝国側の都合に合わせるとおっしゃっておりました」


「ふむ。では待たせる訳には行かぬな……」


「おい、何時なら空いておる」


 皇帝は俺から向き直り、臣下にそう聞く。

 すると、臣下はすぐさま返答する。


「今の所明日空いておりますが、保護の準備も含め平原へ向かわれるには一週間程度必要でございます。更に兵士たちを連れ戻って来るのに2週間程度かと……」


「なるほど。では、明日以降からの一ヶ月の面会予定などを後回しにしてくれ」


「……それでは!!」


「良い。話し合うことなど何時でもできるが、リルグレイシア殿やガーレングの時間を割かせてまで、我が国民たちを返してくれるのだ」


「……出すぎた真似をしました。ではそのように」


「あぁ、頼んだぞ」


 かなり大胆な皇帝だな……?

 早く対応してくれるのはありがたいから文句はないけどな。

 再び俺に向き直り話しかける。


「では、一週間後平原で(まみ)えようということを伝えてくれ」


「承知しました」


 そして解放される。

 日が沈みかけているので陛下のところへ行くのは明日と判断し、近くの宿屋により、部屋を借りる。

 4度目の王族との謁見だけど今までで一番王族らしい王族だな。

 いや、これが本来の王族か?

 転生後王族と会いすぎて本来の王族像がゲシュタルト崩壊を起こしている。

 そもそも王族像とは???

 ……頭がこんがらがってきた。この話はやめだやめ。

 はぁ……今の所違う国に来て面倒事の気配がしないのはここだけだな……

 最初のドオルトローン国、次のリビドスポア国。

 行く先行く先に人類滅亡組織ヒューマン・エクスティンクションがいたから……

 多分ここまで来るのに、一ヶ月ちょっとぐらいしか経ってないはずなのにとてつもなく長かった。

 いや待て。グラスディプコディア等との戦闘からまだ3ヶ月位しか経ってないのかよ!

 冷静に考えてこの半年間大変な目に遭い過ぎだろう!!

 自分でそう思うんだから他の人からすれば失神しそうだな。

 それはないな。

 それにしてもこの悪運はいつまで続くのやら。

 せめてもう終わりであってほしい。

 何も起きず平和に暮らしていきたいな。

 そこまで考えてぼーっとする。

 そしてふと窓ガラスが反射して見え、自分の後ろにチラッと何かが映る。

 ヘルクレットは俺が考えているときには寝転がっていたので、起きたのかなと思いつつ後ろを振り返る。

 何もいなかったようだ。


「どうした?」


 その一連の動作を見ていたヘルクレットが、疑問の声を上げる。


「ガラスに反射してなんか見えた気がしたけど気の所為だった」


 高速フラグ回収にならなくて良かった。と心のなかで安心しつつ、そう返す。


「俺の視界にも入っていなかったし、気配にも引っかからなかったから幻覚か何かだろうな」


 ヘルクレットがそう言うので、本当にいなかったんであろう。

 ちなみに付け加えると、俺の気配にも何も引っかかっていなかった。

 暇になったからやることと言えば手入れくらいだが、帝国に来てから一度も戦闘をしていないし、この宿屋の部屋は以外と狭いからこんなところで剣とかなんて出せる訳ないから後は夕食くらいまで寝るか、外をブラブラするかくらいしかないな。

 精神的衛生とか英気を養う為に寝るのもいいが、たまに一人で何も考えずぶらーっと歩くのもいいだろう。

 さて、どっちにするか。

 短スパンで居座るから国の景色とか、特産品とかよくみれていないから寝るよりも、ブラーっとしてきたほうがいいかなと考え、念の為「不可侵防御」を張っておこう。

 まぁこんなところで特定で俺を狙ってくるやつなんてそうそういないだろうけど、用心しておくに越したことはないからな。

 大きさは俺とヘルクレットが上下左右360°死角なしで護られるくらいの大きさで良いかな。

 大きさというか形だな?上下左右360°って。

 どうでもいいか……


------------------------------------------------------------

----翌日


 おはようございます。

 昨日は何も起こらず時間が過ぎてった。

 ただ、香ばしい匂いと夕食前ということがあって多少腹が空いていて食欲が唆られまくって途中でレストランに寄って夕食を済ませてしまった。

 宿屋の女将さんには帰ってきたときにしっかり伝えたが、申し訳ないことをした気がする……

 今考えても仕方がないから切り替えていこうか。

 今日はこの後ハウロスジェーンに行って陛下に昨日のことを伝え、そこからは当日まで暇なのでギルドに寄って久々にクエストを受けてみよう。

 里帰りするのも良いが、アルフレクスたちを紹介したいからな。

 また今度だ。

 おっと。一つ忘れていた。

 ポクロンとクロノスのお墓参りもしていくか。

 王都に来ていても寄っていなかったからな。


------------------------------------------------------------


 その後は、王都に転移し、王宮に行き陛下に昨日のことを伝え、お墓参りにいく。

 まずはポクロンだ。

 花も何も持ってきてはいないが、黙祷を捧げる。

 次にクロノスだが……

 こちらは来たら墓が荒らされており、死体が浮かび上がって来ていた。

 決めつけるのは良くないが、荒らし方的に魔物ではなく、人間だ。

 つまり、人類滅亡組織ヒューマン・エクスティンクションの奴らかな。

 どうやって見つけたかは今は良しとして、殺しはしないが後で遭遇したら徹底的に締めてやろう。

 と心の中に決め、綺麗に埋め直し、こちらも同様に黙祷を捧げる。

 そしてお墓参りが終わったあとはギルドに寄り、クエストをみてみる。

皇帝の部分を文字に起こして陛下の部分を文字に起こさなかったのには深い意味はないです。

リルグレイシアのステータスを表記するの忘れていたので少しだけ……

Lv.105

筋力49

近距離/魔法攻撃力:2,439/2,437

近距離/魔法防御力:2,016/3,743

俊敏:1,280

所持スキル

「闘神」

「癒神」

神之宴(テオス)

天帝之頂(ゼウス)

小サキ王(バジリスク)

信頼之源(フルエンス)

「共鳴」

「人化/竜化」

「竜人化」

『神覚伝乱』

※風無効とかのスキルについては省略させていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます
小説家になろう 勝手にランキング
作者のTwitterは下のリンクから!!
Twitter
投稿再開しました
逆境の騎士〜誰にもない属性魔法と特性でピンチをチャンスに〜
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ